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3/3「せなかのコード」

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2007年10月発表(リイシュー)の『3/3』より。 レックとチコ・ヒゲがFriction以前に組んでいたバンド(ベースはヒゴヒロシ)のアルバムで、 それもプレス数が10枚程度という幻のアルバムが正規リリースされた。もともとプロモーション目的で制作された私家盤というべきアルバムだったので、オフィシャル・リリースなんて無いと思ってた。それが、そのアルバムのオリジナル音源と、それと同時期の音源2トラックを追加してディスク1(すべて1974年の音源)、 ギターにアンドウ(後にミラーズ)が参加し、4人組になってからのライブ録音(全て未発表)がディスク2(1976年~1977年の音源)の2枚組CDとして のリリースだ。 4人組となった3/3の演奏力は格段に向上しているし、表現力も増していると思う。さらにFrictionとして発表されていた曲が既に3/3の時に出来上がっていたのは驚きだった。「Pistol」や「Crazy Dream」を演奏していたのは知っていたが、「I Can Tell」や「せなかのコード」、「かがやき」を演奏していたとは。 オムニバス『東京ロッカーズ』に収録されている「せなかのコード」は恒松のスライドが強烈な印象を残すフリーキーな3分弱のナンバーだったが、3/3の演奏では9分に達しようかという長尺なトラックとなっている。レックは“テレビジョンにやられた”と語ったと、CDのライナーに記されているが、なるほどジミヘン・ミーツ・テレビジョンといった趣だ。 この曲は1977年2月25日“にんじん”でのライブを収録したものだが、この後まもなくレックとヒゲはニューヨークへと旅立つ。そしてスピードと解体されたビートを手に入れ、1年後東京へ戻ってきた。