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OMNIBUS a Go Go Vol.23『SPIRITS OF 1993 SHIMOKITAZAWA YANEURA 7th ANNIVERSARY』

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下北沢のライブハウス屋根裏が7周年を記念して制作したアルバムで1993年リリース。 1993年当時の屋根裏を代表するバンドが集められ、6バンドが収録された。やはりアベフトシ加入前、ギターに志賀ケイイチ在籍時のTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのスタジオテイク3曲が聴けるのが嬉しい。 ミッシェルを聴いたのはメジャーデビューアルバム『Cult Grass Stars』が出て直ぐ友人に薦められて聴いたのが最初だが、アベフトシの切っ先鋭く、しかしアタックが強く潰れて音圧のあるギターやニューウェイブを通過してなおかつガレージパンク色の濃いアレンジも印象に残った。その少し後にライブがTV放送されたのを見て、やはりカッコイイバンドだなと思ったものだ。確か3枚目のアルバムが出た頃、このオムニバスを手に入れて初期のミッシェルを聴いたのだが、メジャー後と違って素朴というか幾分埃っぽく、パブロック直系の音に面白みを憶えた。THE INMATESやTHE COUNT BISHOPSなんかを感じさせる音だった。たとえばクラッシュの後に101'ersを聴いた感じと言えばよいかな…。 シャッフルリズムの「400円の一人旅」が気持ちイイが、“400円のキップ”ってそのままじゃないよな。気管支炎にキクくすり片手に一人とりっぷ? 他にM・E・Xの清涼感のあるナンバー「SHADOW」と力強い「虹の彼方」、RUDE MODEのファンキーな「Mamalade Sky」、SSEからも音源を出していたサイキックな演奏のREAL BIRTHDAY、コミカルなびっくりしたなもう、歌謡ポップのマーブルダイヤモンドを収録。

OMNIBUS a Go Go Vol.22『TOKYO FLASHBACK 2』

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HIGH RISEの曲名「Psychedelic Speed Freaks」から命名されたP.S.Fレコードのサイケデリック・サンプラーCD第2弾で1992年リリース。 灰野敬二と共演HIGH RISE、インディーの頃のゆらゆら帝国、ジャックス「マリアンヌ」のアヴァンギャルド・カバーの不失者、HIGH RISEや不失者のメンバーも参加していた狼の時間、等11バンドを収録。なかでもWHITE HEAVEN「Silver Current」は繰り返し聴いた曲だ。 WHITE HEAVENを聴いたのは、このサンプラーが初めてだった。低音が響き、フレーズが美しいベース(志村浩二)と、シンプルでいてメリハリのあるドラミング(石原謙)のリズム隊に、切れ味あるカッティング、パッキングフレーズ、時にパワフル、時にメランコリックなギターソロを聴かせてくれるギター(中村宗一郎)で、サイケデリックなグルーヴを生み出す。野性と妖艶な響き(ジム・モリソンの様だ)を兼ね備えたボーカル(石原洋)が歌うメロディも素晴らしい。この曲はWHITE HEAVENの2ndアルバム『Strange Bedfellow』にもアレンジを変えて収録されている。こちらもベースのフレーズを前面に、ジャジー&ムードのある仕上がり。 この時期は初期~1stアルバム『OUT』録音時のギタリスト栗原ミチオが不在で、 ベースに志村が加入、中村はベースからギターに変わった時期だが、その変化がバンドの魅力を引き出すことに成功していると思う。WHITE HEAVENのアルバムは1st『OUT』を除き入手困難で再発が待たれる。

OMNIBUS a Go Go Vol.21『TASTE OF WILD WEST 3』

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“西部無法地帯の味”と題された関西地方のノイズ系コンピレーションでシリーズ3作目。1990年、徳間ジャパンからリリースされた。 タイトルはアルケミーからリリースされたLP『WEST PSYCHEDELIA』や1988年8月大阪エッグプラントでおこなわれたライブ“WALK ON WILD WEST”を収録した『WEST PSYCHEDELIA 2』の流れをくむものだ。 山塚アイ・Unrimited Freak Out or Dieの正にワイルドな演奏や、ユーモラスかつキケンなボアダムズ、そのボアダムズにも在籍した山本精一・思い出波止場のフリーキーな楽曲、インキャパシタンツの不安感を増す音響、ソルマニアのハイパーに捻れた演奏、このコンピのオーガナイザーでもあるJOJO広重率いるキングオブノイズ・非常階段の27分に及ぶノイズと絶叫...と物凄い無法地帯ぶりだが、轟音、雑音、騒音、爆音、奇声と怒号、唸り、叫び声の狭間に、ひっそりと静かに、しかし色彩豊かに咲いたエンジェリン・ヘヴィ・シロップの演奏がとても魅力的だ。 表情豊かなベース、多彩なリズムを刻むドラムス、澄んだ音とノイジーな音を使い分けるギター、透明感のある歌声・スキャット、それらが一体となり、SEで水の音を使用しているからか、音で水面に波紋を描いているような印象を与える「Crazy Blues」は、エンジェリン・ヘヴィ・シロップとしての初レコーディング曲。アレンジは多面的だ。 エンジェリンは板倉峰子(Vo&B)、中尾峰(G)、マンドレイクヨウコ(Ds)により1989年に結成され、このコンピに1曲を提供した後、1991年にファーストアルバムをリリースした。アメリカ・カリフォルニアの“Subeterranean Records”からリリースされたエンジェリンのファーストアルバムには、この「Crazy Blues」がボーナストラックとして収録されている。 アルケミーレコードHP内 JOJO広重こころの歌・最後の歌 第99回 には、再発されたAngel'in Heavy Syrupのベスト盤をJOJO広重が推薦している。このベスト盤には『TASTE OF WILD WEST』収録とはバージョン違いの「Crazy Bules」(セカンドアルバムからの選曲)が収録されている。

OMNIBUS a Go Go Vol.20『TECHNOLOID』

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副題を“JAPANESE 80's NEW WAVE SAMPLER”、日本でもっとも80'sニューウェイブな漫画家の一人といっても良い江口寿史のイラストによるジャケットで徳間ジャパンから2006年にリリースされたコンピレーション。監修はいぬん堂で『Impossible!』の姉妹編といってもいいかも。 オープニングはPLASTICS「PATE」でシングル「GOOD」のB面曲。緊張感&焦燥感あふれる演奏にボーカルはHOT&COOL!。ゲルニカ「戒厳令」デモトラックは元々8 1/2の曲。ゲルニカの『IN MEMORIA FUTURI』に収録トラックだが、このBOXは現在入手不可・再発希望。 ヒカシュー「プヨプヨ」のライブバージョン(ベストアルバム『ヒカシュースーパー』収録曲)迫力あり。GATE BALLによるクラフトワークのカバー「THE MODEL」(ヒカシューもカバーしてた)はユニーク。SHAMPOO「Tonight」はシングルA面曲。ストロベリースィッチブレイドの先駆けサウンドと言ってもいい感じだ。 8 1/2の曲をリメイクMUSCLE BEAT「Bed-Room Queen」は「暗いところへ」タイプの曲だが、ハードなアレンジになり際どさが薄まった気がする。 8 1/2は「踊れない」を収録。8 1/2をここまでプッシュするいぬん堂から『メモアール』再発してくれないものか。 このコンピで初めて聴いた尾道の女の子バンドGROOPY「かさをさしてライトで照らして」は、1985年PICNIC RECORDSからリリースの6曲入り8インチ『I LOVE YOU』から。これ全部聴きたいなぁ。DIE OWAN「さびた組曲」もこのコンピで初めて聴いた。EP-4「5・21」はソノシートから収録。

OMNIBUS a Go Go Vol.19『IMPOSSIBLES!』

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1980年代日本のロック再評価ということもあって、2000年代に入り作られた様々な80'sコンピレーションのうちの1枚。『REBEL STREET』シリーズから続くジャパニーズ・パンク・ニューウェイブ・コンピの歴史を持つ徳間ジャパンから2002年にリリースされたコンピレーションで、監修は“いぬん堂”。収録されたアーティストも徳間・WAXに限らず選ばれている。 平沢進プロデュースで1982年に徳間音工からリリースされた足立真理と折茂昌美のユニット、SHAMPOOのデビューシングルB面曲「ストック」収録がうれしい。シュールかつテクノかつパンキーな曲だ。アーント・サリー「ローレライ」は1974年4月30日京大西部講堂のライブで 『LIVE 1978-1979』リリース時のディスクユニオン限定特典カセットから。フールズ「わけなんかないさ」は80'sコンピなのに収録時期は1990年12月だが名古屋ハックフィンの未発表ライブテープからで、パブロッキンなバッキング・ギター&グルーヴィーな演奏に痺れる。ヤプーズ「フリートーキング」(ハルメンズのカバー)はクラブチッタ川崎1988年12月2日のライブテープから収録。 他には近田春夫、野元貴子(ガールズ/Pinups)等のGATE BALLによるキンクスのカバー「You Really Got Me」には脱力。突然ダンボール「くそまみれ」は突段の3枚組アルバム『アイ・ラブ・ラブ』(OZ Discリリース)で初めて聴いた時は突段にもこんなパンクチューンがあるのか、とびっくりした。久保田真吾、泉水敏郎、ブラボー小松等のバンドMUSCLE BEATによる8 1/2のリメイク「暗いところへ」(『東京ニュー・ウェイブ '79』に8 1/2のライブ・トラックが収録されていた)は、グラム!で “ゲットイットオン” な仕上がり。 SHAMPOOは今も折茂昌美がKCという男性と共に活動を続けており、2011年5月にはアルバム『BLIZZARD DRIVE』がリリース。 SHAMPOO HP この後もテイチク系インペリアルからは雑誌DOLLの相川和義監修でCD4枚組『Get The Punk』(2003年)、ビクターからはCD2枚組で『爆裂!ニュー・ウェイヴ1980』(2006年)など80'sジャパニーズ・パンク・ニューウェイ

OMNIBUS a Go Go Vol.18『MINT SOUND GREATEST HITS VOLUME 1』

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8 1/2のギタリストだった小森敏明が設立したミントサウンドレコードの音源を集めたコンピレーション。 テイチクの “DISCOVER TOKYO POP 80's” シリーズの1枚として1995年11月にリリースされた。 やはりミントサウンドからリリースだった『Attack of...Mushroom People』からの音源が多いが、ミントサウンド最初(1984年12月発表)の作品で泉水敏郎のソロ『Life Style』から既にソロデビューしていた戸川純をボーカルにフューチャーしたコケテッィシュな「リズム運動」、 ミント第2弾リリースだった8 1/2から「少年たち」、THE HIPPY HIPPY SHAKESの1st.アルバムに収録されていたスパイダースのカバー「Mera Mera」、『Mint Sound X'mas Album』に収録されていたブラボー小松&戸川京子「White Christmas」やYoung Odeon(小西康陽)「サンタが町にやって来る」などが聴き所か。 ミントサウンドレコードのリリース群は MINT SOUND RECORDS にカタログがある。 “DISCOVER TOKYO POP 80's”シリーズはその後『MINT SOUND GREATEST HITS VOLUME 2』やガールフレンズレコードのコンピ『AMUSEMENT PARK』、BOXレコードのコンピ(スクリーン、タイツ、久保田真吾など)、メトロファルスの初期音源集、8 1/2『メモアール』等をリリースした。

OMNIBUS a Go Go Vol.17『ALCHEMISM』

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アルケミーレコードが1984年~1987年にリリースした音源と未発表テイクを収録したCDで、 1979年頃のライブ発掘音源作品から当時新録として発表された非常階段の音源までアルケミーの歴史をダイジェスト。 リリース(おそらく1988年)はヴァクセルバルクからだった。 ウルトラ・ビデ『THE ORIGINAL ULTRA BIDE』から「やくざなコミューン」、SS『THE ORIGINAL SS』から「Coca Cola」と「Blitzkrieg Bop」、INU『牛若丸~』セカンドプレスに付属していたソノシートから「キヌガサ」といった初期アルケミー3作品収録曲の他、スターリン脱退後非常階段に参加していた頃制作された杉山晋太郎ソロアルバムから幻想的で美しいタイトルトラック「NEWTON’S OBLIGE」、関西勢に混じって爆音超速キラーチューンHIGH RISE「Psychedelic Speed Freaks」(85年にアルケミーがリリースしたLP『錬金術』と同テイクか?)、名古屋のTHE 原爆オナニーズ「No No Boy」など。 それらに加えて、アウシュビッツ「Train Kept A Rollin'」や赤痢「Ore No Doji」のライブテイク、ハナタラシ結成時の未発表テイク、非常階段は “幻の” 13枚限定シングル(というのがあったのかどうかは不明)が収録されている。 ヴァクセルバルクからは『ALCHEMISM 2』が、2004年にはインペリアルからアルケミー20周年記念盤『ALCHEMISM - ALCHEMY RECORDS 20TH. ANNIVERSARY TWIN BEST COLLECTION』という編集盤もリリースされた。