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ナイアガラ・トライアングル 佐野元春・杉真理・大滝詠一「A面で恋をして」

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1982年3月にリリースされた佐野元春・杉真理・大滝詠一によるアルバム 『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』の収録曲で、前年の1981年10月に先行シングルリリースされた「A面で恋をして」のオフィシャルMVがアルバム・リリース40周年を記念して完成した。 シンガポール在住のインドネシア人映像クリエイターArdhira Putraが江口寿史のイラストを使用して制作したアニメーションとなっている。 カセット・テープのヘッドフォン・ステレオ、レビンなど80'sアイテムが登場するが、Shiggy Jr.のアルバム『ALL ABOUT POP』(2016年)通常盤のジャケ・イラストが時々登場するがいいな。

私の放浪音楽史 Vol.71 松田聖子『CANDY』

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1982年11月、CBSソニーよりリリースのアルバム。 大滝詠一の『DEBUT AGAIN』を聴いてオリジナル歌手・ヴァージョンを集めたCD-Rを作ろうと思っていろいろCDを出したり調べたりしていたんだけど、『DEBUT AGAIN』収録曲の他に、あー松田聖子のアルバム『Candy』にも大滝詠一が曲書いてたなぁなどと思ってウィキペディアを読んでたら、細野晴臣作曲の2曲はアナログ初期盤収録とCD化されているヴァージョンが違うというのを読んで興味が横道にそれてしまった。  “タレントロボット タレントロボット 操られ人形  人の作った歌を歌って さもわかったように  騙し騙しの銭儲け”  ―アナーキー「タレントロボット」― 松田聖子のアルバム『Candy』がリリースされた1982年当時、パンクやニューウェイヴにのめり込んでいた私の芸能界への思いはアナーキーの曲「タレントロボット」の歌詞のようだったのだが、それでもテレビやラジオで頻繁に流れている歌謡曲は小さい時からずっと接していることもあり反発しながらも耳馴染みはいいので自然に覚えてしまうようなものだった。それに女性アイドルにも興味がいく年頃。まわりでは聖子だ明菜だ薬師丸だ、とみんな贔屓のアイドル歌手のレコードを集めていたものだ。 松田聖子は登場した時からテレビに出ていたというか、デビュー曲が化粧品CMソングだったから当然頻繁に耳にするわけで、そこからずーっとまぁ松田聖子の曲は聴いていた。デビュー当時のはつらつとした印象の頃はレコードを借りて聴こうという気もなかったのだが、松本隆が作詞を手掛けるようになった後の、心の陰影を織り込んだ曲を歌うようになってからは友人に借りてアルバムも聴くようになった。この『Candy』も確かMくんかWちゃんに借りたんだと思う。 以下作曲者毎に紹介。 ストリングスが流麗なアレンジの1曲目「星空のドライブ」と3曲目「未来の花嫁」、唯一収録されたシングル曲でチャート1位になった「野ばらのエチュード」が財津和夫作曲作品。「四月のラブレター」とアナログではB面1曲目のオールディーズ風&“むすんでひらいて”「Rock'n' Roll Good-bye」が大滝詠一作曲・編曲(多羅尾伴内名義)作品。時期的に大滝にとっては『イーチ・タイム』にむけての前哨戦となった。 トロピカルな3分にも満たな...

大滝詠一「Tシャツに口紅」

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2016年3月21日、ナイアガラ/ソニーからリリースのアルバム『DEBUT AGAIN』より。 コニー・フランシスの「カラーに口紅」をもじったタイトルなんだろう、英語にするなら “Lipstick On Your T-shirt” になるんかな。コニー・フランシスの「カラーに口紅」は “ダンスパーティでソーダを買いに行ってくるって離れた彼氏が口紅を襟に付けて戻ってきた。 彼女(歌の主人公)はその口紅は誰のものなのか、その口紅の色からして親友のメリージェーンといちゃついてきたんじゃないでしょうね” って詰め寄る内容。 だけど「Tシャツに口紅」には、口紅が付いているから咎めるとか、それは誰の口紅なんだ、とか “口紅” にまつわる説明的な歌詞が無い。ただ “色褪せたTシャツに口紅” だけである。だからTシャツについた口紅が誰のものか、別れ話はTシャツについた口紅が原因なのか、すっきりしないものをずーっと感じていた。 大滝詠一が歌うヴァージョンを聴きながら、もしかしてこの曲は男と浮気相手の女性との関係を歌った/表現した曲なんじゃないか、と思うようになった(つまり「カラーに口紅」でいうところのメリージェーンと彼氏の関係)。 夏の夜明け、海辺で彼女をきつく抱きしめる男、彼女の口紅が男の色褪せたTシャツにつく…。 彼女は浮気相手、始まりは真剣じゃなかったはず…表向きの生活を忘れられる長い付き合いだが、いつまでもこの関係を続けられるはずもない。かなわぬ恋の相手を続けさせては彼女を不幸にしてしまうのは分かっている。だけど…離れられない…。てな内容なんじゃないだろうか。ずいぶん下世話な説明になったけど。この後、男の妻だか本命の恋人だかにTシャツの口紅を咎められるはめになるのか、は依然として不明だ。 まぁこんな事を個人的に考えてみたわけだが、松本隆の歌詞はスマートでメロディにのると耳馴染みが良いが意味深くもあり、人の心の奥深くに隠れている感情を掬い出してみせる時がある。「Tシャツと口紅」で言えば “不幸の意味を知っているの?なんて ふと顔をあげて なじるように言ったね”  というところ。そう、微かな背徳を感じさせる。 ラッツ&スターのソウルフルなヴァージョンもいいが、大滝ヴァージョンはアコースティック・ギターのストロークが目立ち、コーラスが季節感ぴったり、曲の後半、大滝の静かなエ...

私の放浪音楽史 Vol.59 佐野元春『SOMEDAY』

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1982年5月21日、Epicソニーよりリリースのアルバム。 アルバムに先駆け1981年6月21日にリリースされた佐野元春のシングル盤「Someday」のジャケットには佐野の写真に沿うように “Now we are standing inside the rain tonight”と手書き文字で書かれている。曲の中でも終盤に佐野はこのフレーズをシャウトしているが、ボブ・ディランの曲「Just Like A Woman」冒頭の一節 “Tonight as I stand inside the rain” にインスパイアされたものだ。 “土砂降りの雨の中に立っている”ようなイメージがティーンエイジャーだった頃の佐野を取り巻く状況を示唆しているようで思わずシャウトしてしまったのだという。 「Someday」という曲はティーンエイジ・イノセンスを守ろうとする者とそれを妨害しようとする者をテーマにした歌だ、と佐野は語っているが、歌われている内容から受けるイメージには、激しい現実という“雨”に打たれながらも、やり過ごしている若者達の姿がある。欺瞞に満ちた世界の流れをやり過ごしているクールでインテレクチュアルな若者達…。その彼/彼女はアルバム『サムデイ』の他の曲に登場する “ちっぽけな虹を目に浮かべた恋人” や “ハッピーマン” や “ダウンタウン・ボーイ”、 “誕生日を祝う2人” や “現代のドンナ・アンナ”、“ブルーな夢追い人”、“真夜中の旅人” や “虚無生産工場の勤め人” 達であり、 “街のブルーバード”、“サンチャイルド” であるのだろう。 イノセントで幸福感に満ちた歌詞に思えるが、その裏に佐野はCCRの「Someday Never Comes」を引き合いに出し、 “いつか”なんて来ないんだ、という意味を同時に含んでいる、と語っている。 だけど、 “いつかは誰でも愛の謎が解けて ひとりきりじゃいられなくなる” このラインは宣言と言ってもいいほどピュアな確信に満ちている。 「Someday」の冒頭で聴けるストリート・ノイズは、佐野元春がまだ会社員だった1979年9月、取材でロスを訪れていた時に街頭で佐野自身が録音したものだ。いつかアーティストとしてデビューできることを夢見ていた時の…。 さて、タイトル・トラック「Someday」の話が長くなったが、アルバム『サムデイ』リリ...

竹内まりや DUET WITH 大瀧詠一「 恋のひとこと~SOMETHING STUPID~」

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2014年12月3日、ソニー/ナイアガラからリリースのベスト・アルバム『Best Alaways』より。 大瀧詠一が亡くなって1年経つ。この12月にはレーベルを超えたベスト・アルバムがリリースされた。1971年4月にリリースした、はっぴいえんどの「12月の雨の日」(シングル・ヴァージョン)から2003年10月リリースの「恋のひとこと~Something Stupid~」(竹内まりやとのデュエット)まで、およそ32年間の作品の中からシングルをメインに選曲された35曲。レア・トラックは「夢で逢えたら」の未発表・大瀧詠一ヴォーカル・ヴァージョン。それに幾つかのシングル・ヴァージョンや別ミックスが初CD化収録されている。初回生産限定盤はカラオケを10曲収録したボーナスディスク付きの3枚組。 収録曲のほとんどは(ミックス/ヴァージョンを別にすれば)既に聴いたことがあるから購入をためらっていたけど、代表曲をまとめて聴けるしってことで購入。このベストを通して聴いて思ったのは、はっぴいえんどというキャリアは大瀧詠一にとって異質なものだったんじゃないかな、ということだった。もちろんミュージシャンとしてのキャリアの始まりだが、自分の嗜好の取入れ/表出にかなり抑制がかかっていたのであろう。萩原健太著『はっぴえんど伝説』によれば、大瀧はバッファロー・スプリングフィールドのシングル「For What It's Worth」は “今一つ良さがわからなかった” が、そのB面曲「Do I Have To Come Right Out And Say It」の “ポップな感じがたまらなく好きだった” と語っている。そしてバッファローをモデルとしたバンドを作りたかった細野晴臣と一緒にバンドをやろうということになるのだが、 “はっぴいえんどはさ、セダカ&グリーンフィールドだめ、マン&ウェイル(ワイル)だめ、ゴフィン&キングだめって形で足を踏み入れた世界だった” “シングル2枚含め、初のソロ・アルバムのレコーディングはさ、もう一挙にポップスのラインに行っちゃったの” “ぼくの基本はやっぱりアルドン/スクリーン・ジェムス系のポップスだからね” “正直な話、自分のルーツにたどりつくまでにずいぶん回り道をしてしまった” と大瀧は語っている。 ただ、このベストに収録されている、はっぴえんどの曲は「12月の...

追悼・大滝詠一「さらばシベリア鉄道」

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2013年末、日本のロック・ポップスの巨星が逝ってしまった。あまりに突然に…。 大滝詠一。1981年のアルバム『A Long Vacation』。リリース当時、パンク・ニューウェイヴに傾倒していた自分にとっても、その歌声は届いた。だけど、2001年の20周年記念盤かな、その偉大さをあらためて認識したのは。「雨のウェンズディ」は自分のテーマ・ソングと思うようになったり…。リリース当時「さらばシベリア鉄道」は太田裕美のヴァージョンも良く流れていたっけ。  伝えておくれよ  十二月の旅人よ  いついついつまでも待っていると 長らく途絶えていた大滝詠一の新作発表だが、“次”は永遠になくなってしまった。