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7月, 2011の投稿を表示しています

OMNIBUS a Go Go Vol.29『TOKYO TRASHVILLE!』

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オーストラリアのAu Go Go Recordsから1994年にリリースされた日本のガレージ・パンクをコンパイルしたオムニバス。Au Go GoはBig Black、Sonic Youth等のアメリカのバンドや日本のthe 5.6.7.8'sのシングルやアルバムもリリースしている。 1990年代になり日本ではガレージ・パンク・バンド達が精力的に活動、このCDがリリースされた頃には、このアルバムに収録されているバンドの多くが積極的に海外ツアーをおこなっていた。 SupersnazzはLAのバンドXの「Year 1」、Guinny VampsはThe Sonicsの「He's Waitin'」、 TeengenerateはオーストリアのバンドEastern Darkの「Johnny & Dee Dee」、Great MongooseはThe Excelsの「Let's Dance」、Jackie & The CedricsはThe Belairsの「Squad Car」、MAD3は中東メロディのサーフ・インスト「Ali Baba」(というか「Baha-ree-ba!」?)、the 5.6.7.8'sはスリーキャッツ「キーキャーシャウト」とカバーバージョンが多いながら、選曲の妙と各バンドの味付けが楽しめる。 そんな中Gutitar Wolf、Texaco Leatherman、Mutant Monster Beach Party、Muddy Frankensteinがオリジナル曲を収録。こちらも各バンドそれぞれ魅力的なガレージ・パンクチューンだが、Muddy Frankensteinの「Chocolate」はギターのカッティングがザクザク刻むカッコイイ・ガレージナンバー。でも途中でフェイドアウト?短くて残念。 ロッキン・ジェリービーンによる、東京タワーに絡むイラストのジャケットもセクシーだ。

OMNIBUS a Go Go Vol.28『CINDERELLA V.A I HATE DANCE ...WHY?』

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bloodthirsty butchers、eastern youth、D.M.B.Q、God's Guts、Naht、foul等、北海道ゆかりのアーティストが多数参加したオムニバスで1996年のリリース。プロデュースはブッチャーズの吉村秀樹とコーパスグラインダーズのゼロ。イラストレーター寺田克也のオリジナルストーリーをブックレットに掲載。まぁ内容はシンデレラ復讐劇の他愛ないものだが、描写はそれなりに過激。ジャケットにずらり並んでいる首は参加しているバンドメンバーらしい…。 Supersnazz(ココのギタリストもfrom札幌だった)の軽快な「Let Me Know」で始まり、D.M.B.Qのヘヴィ・サイキック・ナンバー「V-neck sweater」、繊細ながらもハードな音を紡ぐGod's Guts「Mud Boat」、Nahtの捻れながらもポップな「Nature」、ポストパンクなfoul「dark on you」、 ロウなサウンドのU.G.MAN「I Spy」、哀愁を感じさせるpaume「won't roam」、凶暴な音塊のCopass Grinderz「Bitch! Bitch! Bitch!」、eastern youthはアルバム『孤立無援の花』に再録される「扉」、など聴き所は多い。 ブッチャーズの『kocorono・完全盤』がリリースされるまでは、このオムニバスでしか聴けなかった「january」。イントロのギターストロークはジョン・レノンの「マザー」のイントロの鐘をイメージしたという。取り返しのつかない喪失感はレノンの曲と共通しているか。

OMNIBUS a Go Go Vol.27『RETURN OF GUITAR LIGHTNIN' HORROR SMILIN'』

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Vol.24で紹介したオムニバス『Guitar Lightnin' Horror Smilin'』の第二弾で1996年のリリース。 個人的にはLucy Van Pelt。「Red Bycycle」と「彼と彼女の事情」の2曲を収録。 ルーシーを初めて聴いたのは10インチのアナログ盤だった。キュートなジャケと10インチというフォーマットに惹かれて手に取ったのだが、これがズバリだった(5曲入EPだが良い曲ばかり)。その10インチ『advantage lucy』にも再録収録されている「Red Bycicle」は、このオムニバスではベースレスで、エレキ、アコギ、ドラムとアイコの歌声による素朴なバージョン。でもルーシーのやりたい事、伝えたい事が詰まっている気がする 初期の代表作。 「彼と彼女の事情」はテンションコードを使用したコード感や、ギターの石坂とアイコのかけ合いボーカルが楽しめる曲。ベースを入れたバンド・バージョンで再録はしていないのかな。クラウドベリー・ジャムみたいなカッコいい曲に仕上がると思うけど。 他にはアコーディオンとエレクトリック・ビートの融合が気持ちいい「289」を収録したblueberry, very blue(後にGOD'S POPから出たアルバムもよかった)や、 “ギターライトニン”というよりはエレクトロニカなYoung Brian's Group、ファンキーかつヴァイオレントなズボンズ、 ギターポップなペンギンノイズ、キャッチーな「GOING OUT」を収録したWINO、ラウドだが浮遊感のあるギターロックを聴かせるTHE PRIMROSEの全7バンド、各2曲が収録されている。

ROUTE66「時間」

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2011年6月6日発表のアルバム『BREAKING GENERATION』より。 OMNIBUS a Go Go Vol.5で紹介した『OUTSIDER』に収録されていたバンド、ROUTE66の単独CDがリリースされた。快挙だ。『OUTSIDER』収録の1982年8月17日渋谷EGGMANのライブ2曲の他、同年7月7日新宿ACBのライブを6曲、同年3月渋谷EGGMANのライブが7曲の全15曲。プロモ用(?)のライブ演奏映像が4曲収録されたDVD付き。 カセット録音と思われる7月7日のライブはあまり音質が良くないが、3月のエッグマンのライブはバランスも良く非常に聴き易い(たぶんライン録音なのでは)。スカビートでドライブする「エゴイズム」や泣きのメロディ「ラスト・ヒロイン」など、ポップでメロディアスだが甘ったるくない、シャープでパンキッシュな演奏が満載だ。 スピーディなロックンロール中心の収録曲の中でも異色ともいえるミディアムナンバー「時間」は、ライブならではの荒さはあるものの、練られた構成/展開やコーラスワークが良い出来だ。“時間の中で生きている自分達を見つめ直していこう...” と訴える、これまで過ごした時、今を生きる時、という“時間”をテーマに取り上げた意欲作ともいえる。 2011年6月22日にROUTE66のラストライブ(1982年9月29日新宿JAM)を収録したCD『LAST GIG』がリリース、2011年7月30日には下北沢SHELTERで復活GIGがおこなわれる。 このCDをリリースした(株)YOUTHの社長のブログはこちら。 渋谷ではたらくパンク社長の告白