投稿

8月, 2016の投稿を表示しています

TH eROCKERS「ムーンナイト・ラブ」

イメージ
2016年8月17日、ポニーキャニオンからリイシューのDVD『13×7』より。 1991年3月29日新宿パワーステーションで行われたロッカーズの再結成ライヴ(メンバー・陣内・谷・角・橋本・船越) はライヴ・アルバム『LIP SERVICE』は聴いていたんだけど、当時ビデオテープで発売された『13×7』は未見で今回のDVD化再発で初見。 CD『LIP SERVICE』と曲数は違うけど同内容なんだろうと思っていたが違っていた。CDが1991年3月29日新宿パワーステーションのライヴのみに対して、DVDは9曲目の『可愛いアノ娘』の途中から、1989年7月15日に日比谷野音で行われたデビュー時のメンバー(陣内・谷・鶴川・穴井・船越)での再結成ライヴ映像に切り替わる。ビデオ発売当時13曲のうち1曲目~9曲目の途中までがパワステ、9曲目の途中~11曲目までが野音のライヴから収録された映像、その後12曲目と13曲目が再びパワステのライヴという内容。だから13曲を7人のメンバーで、という意味のタイトルになるわけね。ストーンズにならって。 今回のDVD化再発では1989年7月15日の日比谷野音の映像5曲がボーナストラックとして追加収録された。 ボーナストラック分は当時のスタッフが所有していたテープから起こした映像ということで、画質・音質の修正・編集はおこなわれていないが個人的には殆ど気にならない貴重な記録だ。そのボートラに収録されていた「ムーンナイト・ラブ」。 エディ・コクランの「Somethin' Else」を下敷きにして“公衆便所の落書きのよなアイツが目も醒めるよな女つれ…” という痛快な歌いだしの歌詞をつけたところで名作決定。こんな歌詞書けないよ。月夜のツキと運のツキを織り交ぜて使ってるところも工夫を感じる。スタジオ録音はファースト・アルバム『WHO TH eROCKERS』に収録されていたグッドロッキン・ナンバー。 ボーナストラック5曲は冒頭の「ジャッキー」から陣内の気合の入った(入り過ぎてる)パフォーマンスが見られる。ボートララストの「涙のモーターウェイ」で聴ける谷のディレイのかかったギターもあの時代を表しているなぁ。

ARB「空を突き破れ!」

イメージ
1990年、石橋凌が役者に専念するためARB解散。まぁその時は驚いたね。 田中一郎が抜け、サンジが抜け(というか解雇)、斉藤光浩が加入して抜け、白浜久が加入してサウンド面で大きく変化したけどアルバムは聴いていたし、その時々の世界を見据えるARBの歌は気になっていたもんだ。松田優作に心頭し役者へ転身した石橋凌に対して “なんでだよ、一生歌っていくんじゃなかったんかよ” という気持ちを抱いていた。ARB在籍中の映画『ア・ホーマンス』や『ボクの女に手を出すな』なんかは観たけどね。 でもARBやめてから出演したドンパチ映画の多いタイトルを見て、これが松田優作の遺志を継ぐってことなのかって個人的には思っていた。ARB解散に至る、スピリチュアルというかオカルトめいた石橋凌の心境も常人の理解超えるものではあったのだが。 その後、ARB復活~再び解散もありつつソロ歌手業も続け、役者業はずーっと続いている訳だが、まぁあんまりテレビドラマも映画もビデオも観ないんで石橋凌の役者代表作は何かというのも分からないんだけど、先日NHKを見ていてびっくり。NHKスペシャル『未解決事件File05・ロッキード事件』で石橋凌が田中角栄役。今の恰幅のよい石橋凌にはピッタリのはまり役だと思ったもんだ。 ARB初期、最初の事務所から飛び出し、“痩せて飢えた狼みたいな顔”をしていた頃にリリースしたアルバム『BAD NEWS』に中に「空を突き破れ!」という曲がある。   “政治家は飛行機ながめ  落花生の皮を剥く” 石橋凌が作詞したこの曲、もともとARBが1979年6月にリリースしたファースト・アルバムの為に書かれたものだという。当時話題になっていたロッキード事件に材をとった歌詞だが、所属事務所がこの内容にクレームをつけバンド側に撤回命令を出した。この1件でポップなラヴ・ソングを要求する事務所側とバンドとの溝は深まり、結局ARBは事務所を飛び出すことになる。 いってみれば“ロッキード事件”は石橋凌にとっても因縁のある出来事だ。37年もたってその事件で受託収賄罪で逮捕された田中角栄役を演じるなんて最高、役者やっててよかったなぁ、こりゃ石橋凌の代表作になるぞ、なんて個人的にはうれしくなった、のだが放送を見てあまりにも出演シーンが少ないんでちょっとがっかりだったなぁ。台詞も少なかったし…。でも見た目はバッチリ、存在