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ヒカシュー「ヴィニール人形」

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1996年10月発表のアルバム『1978』より。 ヒカシューが東芝からのデビューアルバム以前に練馬の家で宅録したデモレコーディング音源のCD化。 巻上公一が手渡したこのデモテープを聴いた近田春夫によるプロデュースで、1stアルバムは製作される事となる。『1978』に収められている曲の多くが1stアルバムにも収録されているが、ここではその原型というか、 メジャーデビューの為に整理される前の、混沌としたエネルギーとパワーを含んだ状態の演奏を聴くことが出来る。 安い楽器を使い、身近に転がっている物を楽器代わりに叩き、うめき声をあげ、覚えたての楽器を演奏する、録音も4chのピンポン録音。 しかし、このころヴァニティ・レコード(アーントサリーをリリースした)からレコーディングの話しがあったという事もあり、 アレンジは完成されている。このデモをどう整理して、なにをマイナスすれば聴き易くなるか、という方法で1stアルバムは作られたのかも知れない。とはいっても、もちろん東芝からリリースされた「ヒカシュー」は素晴らしいアルバムだが。 内容は全て興味深いものだし、パソコン用のデジタル・データも素晴らしい(が、フィルムは現在の私のパソコンWindows XPでは見ることは出来ないようだ)。 ここでは“怪奇大作戦”(海琳談)な「ヴィニール人形」をお勧めとしておく。 1stアルバムのバージョンよりも全てのパートが不気味度を増していて、途中で聴こえるキーボード・アルペジオも美しく、 “ヴィニール~溢れ出る目から耳から~”の所、海琳正道の16のリズムで刻むギターカッティングがキレ味良い。