NHK連続テレビ小説『カムカムエブリバディ』
NHK朝ドラ『カムカムエブリバディ』終了。 ドラマは、1925(大正14)年の岡山に始まり、家族の100年を描く。上白石萌音演ずる安子、夫(松村北斗)稔との間に生まれた娘は、ふたりの思い出の曲「On The Sunny Side of The Street」を歌い演奏したルイ・アームストロングにちなんで “ るい ”と名付けられた。このドラマの主題歌は森山直太朗の作詞作曲でAIの歌う「アルデバラン」だが、ルイ・アームストロングの「On The Sunny Side of The Street」はこの物語/劇中を通じてのテーマ曲といえるものだ。るいを演じたのは深津絵里、るいの娘ひなたを川栄季奈が演じた。 私が面白く観ていたのはるい編で、るいが大阪のクリーニング店に住み込み働き、ジャズ・トランペッターのジョー(オダギリジョー)と出会い、次第に惹かれあっていくのも微笑ましかったし、クリーニング店を営む夫婦(村田雄治と濱田マリ)のほんわかした雰囲気もよかった。ライヴ演奏もするジャズ喫茶の客ベリーちゃん(市川実日子)やジョーのライバル的なトランペッターのトミー(早乙女太一)とのやりとりも面白かった。このころは登場人物が皆優しく、名前に掛けて、るいを “サッチモちゃん” と呼び、幸せでふわふわしたムードでドラマが進む。フラットな性格のジョー、引っ込み思案なるい。ジョーはコンテストで優勝、るいと結婚の約束をした。私はこれ全部るい(か安子)の夢の中の出来事なんじゃないか、後で夢オチになるんじゃないか、と思いながら観ていた。東京でレコーディングを行なっている途中でジョーが原因不明の病気によりトランペットがまったく吹けなくなるまでは。 ジョーは絶望のあまり、全てを終わらせるためひとり海へ入っていった。このシーンは本当にせつなく、ドラマとはいえ本当に波に飲み込まれてしまうのじゃないのかと思うくらいジョーの身体は儚く映った。この海岸はジョーがるいにアメリカへの夢を語った場所。それと悟ったるいが駆けつけ海に入りジョーをきつく抱きしめ助け出す。ここでふたりはさらに強く結びつき、るいとジョーは改めて陽のあたる道を歩く事を決意したのだと思う。 るい編に出てくる時代劇映画『黍之丞 妖術七変化 隠れ里の決闘』は、内容とドラマ内での使われ方が意表をついていたが、この劇中時代劇の黍之丞の決め台詞、“ 暗闇...