レッグス・マクニール&ジリアン・マッケイン著・島田陽子訳『プリーズ・キル・ミー アメリカン・パンク・ヒストリー無修正証言集』
2020年6月3日 ele-king booksより出版。 副題にあるようにオーラル・ヒストリー(口承記録)、当事者たちによって語られるUSパンク・ロックの歴史。 原書は1996年に出版され、2007年にはGarageland Jam Booksより邦訳が出版されている。私も何度か中古ショップで見かけて手に取ってはいたのだが、証言集かーと思って未読となったいた。なかなか厚い本だしね。けれどここのところジョニー・サンダースやNYパンク関連に興味が再熱、2020年に邦訳再刊となった「プリーズ・キル・ミー」も読んでみたくなり購入。2007年の邦訳ではピンク一色の装丁だったが、今回はウォーホル一派の写真(ヴェルヴェッツ、ニコ、 アンディ・ウォーホル、ダニー・ウィリアムス、ジェラルド・マランガ、スティーブン・ショア、ポール・モリセイ)が表紙に使われている。 1965年ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを結成するルー・リードとジョン・ケイル、スターリング・モリソンの証言から始まり、大別すると、 ヴェルヴェッツと宿命の女ニコ、アンディ・ウォーホルのファクトリー関係者、 ザ・ドアーズに続けとばかりに浮上してきた淫力魔人イギー・ポップのストゥージズと武闘派MC5のデトロイト勢、 派手な化粧と女物の衣装を着た突然変異のようなルックスでプリミティヴなロックンロールが支持されたニューヨーク・ドールズ、 パティ・スミス、テレヴィジョン、ラモーンズを生み出した極最初期のニューヨーク・パンク、 それらのメンバー、バンド関係者、メディア、グルーピーたちにより語られる、赤裸々で、生々しく、無修正の証言…。 繰り返し刺激を求める日々、貴重なはずの自由を退屈と名付け刹那的に費やし、ロックンロールを求める…。セックス、とにかく常にドラッグ、ロックンロール、さらにヴァイオレンス…若き彼・彼女らの無軌道なロックンロール・ライフ。 後半では、なんでもありの無法な日々が破綻していく様が証言により浮き彫りにされていく。 MC5、ストゥージズ、ニューヨーク・ドールズが解散。ウェイン・カウンティとディクテイターズのハンサム・ディック・マニトバの騒動、デッド・ボーイズのメンバーとローディ絡みの事件、パティ・スミスがステージから転落負傷し、セックス・ピストルズの訪米と解散、ナンシー・スパンゲンとシド・ヴィシャスが死亡した。...