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OMNIBUS a Go Go Vol.16『REVENGE OF WECHSELBALG』

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1987年3月15日リリース。 1984年~1987年にヴァクセルバルグがリリースした音源のダイジェストといってよい内容。 SADIE SADS「Angora」、NUBILE「S.T.T.E.P」、SODOM「Breaking Glass」、AUTO MOD「Cannibal of Love」、G-SCHMITT「LSD」といったシングルの曲、これらバンド(SODOMを除く)のアルバムからの曲がちりばめられ、G-SCHMITT「Bulerias」、「Disaster」の別バージョン、SADIE SADSの未発表だった「Trick」が収録されている。他にジュネの劇団Baji Worktheaterや女性スリーピースユニットSARASVATI、謎(?)のN.I.L.A.の曲を収録。NUBILE「Tranceyse」は次のシングルから先行して収録された。 レーベル主宰の宮部知彦による “ヴァクセルバルクの復讐” 宣言とも思えるライナーノーツ掲載。そこで “画一的な集団を形成するつもりは無かった” と書かれているが、多彩なリズム/ビートにエレクトロニクスを駆使して彩られた、耽美的な情景・音の造形を作り上げている点では共通していると感じられる。 このオムニバス・アルバムがインディーズ初のCDリリースだった。 安価で、技術的にも比較的制作し易いソノシートやカセットテープ、シングル盤といったメディアからの移行が始まった。

OMNIBUS a Go Go Vol.15『SOME GIRLS ~REBEL STREET Ⅳ~』

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1987年4月25日リリース。REBEL STREETシリーズの第4弾はGirlグループ、またはボーカルが女性のバンド・アーティストを集めたオムニバス。 プロデュースは前作『JUMPING JAM』に続いて柏木省三だった。リリース当時MID80'sのニューウェイブ色が濃いが、ハードロック・グループも収録している。 発売に先立って4月1日~3日には新宿ロフトで発売記念ライブがおこなわれ、VIGRIN ROCKS、蟻プロジェクト、葛生千夏、BARBARA、RITAN、 CLAN、麝香猫、STILLが出演した。 DATE OF BIRTHの前身MIND CONTROL名義のエキゾチックな「赤いエナメル」、そのDATE OF BIRTHがバックアップしていたNANA(インディーのアイドル的な 売り出し方だった)の「ガラスの涙」、ZELDAのオリジナルメンバーでギタリストだったヨーコのCLAN「FALLEN' ANGEL」、GIRLS~ピンナップスのRITA(野元貴子)のRITANはギターのダビングにのって囁くようなボーカルを聴かせる。 THE COMESのチトセ率いるVIRGIN ROCKS「HEY!」。サウンドはハードロック化。 最初期の蟻プロジェクト、日の丸ファクトリー(ゲーム音楽を作っていた模様)の打ち込みサウンドも良いし、恒松正敏プロデュースから離れサウンドが変化しキュートでポップなSTILL「彼女はアドバルーン」もコケティッシュな魅力。麝香猫は近頃沢田研二のツアーにも参加しているGRACE(Chiho Hayashi)がドラムだった。葛生千夏のエドガー・アラン・ポーの詩に曲をつけた「ANNABRL LEE§2」は、1分27秒と短い曲だが演奏(彼女自身)歌声ともに荘厳な響き。素晴らしい。他MENS、BARBARAを収録。

OMNIBUS a Go Go Vol.14『別天地』

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1986年6月リリース。再発CDのライナーによると、エピックソニーのディレクターが“YEN”(アルファ)や“ノンスタンダード”(テイチク)の ような先鋭的な新人を紹介するためのレーベルを作ろう、と企画されたオムニバス・アルバムということだ(結局レーベルは実現しなかった)。DATE OF BIRTH(重藤功)、UPLM(バナナ)、YOUNG ODEON(小西康陽)、KILLING TIME(板倉文)、SCREEN(和久井光司)の5バンド(クリエイター) が収録されている。 1980年代、EP-4や原マスミ等のアルバムへの参加で異彩を放っていたバナナ(川嶋BANANA)の尖ったサウンドが聴ける「CELL」で幕を開ける。バナナは他に「HEAVEN LINE」を収録。 先のVol.10で紹介した『くっついて安心』のプロデューサーだった板倉文のKILLING TIMEは、 斉藤ネコ、福岡ユタカ参加、低音パーカションが気持ちいい「EBRIO」と、作詞・ボーカルに太田裕美をフューチャーした「ルナチコ」。ピチカートVを1984年末に始動していた小西康陽はYOUNG ODEON名義でPLASTICS~MELONの中西俊夫をフューチャーした「新パゾリーニ」と、市川崑監督映画と同タイトルで、性急かつ緊張感を持った「黒い十人の女」。どちらも映画絡みのタイトル。 個人的にはDATE OF BIRTH。 ポートレイトからの10インチ盤と1986年8月のメジャー・デビュー12インチ『思い出の瞳』の間に録音された参加曲は2曲。どちらも素晴らしい出来上がり。 「AROUND AROUND」はポートレイト盤のオープニング・ナンバー「PACK MY BAG」の再演(タイトルを変更している)で、アコースティックな部分が若干強調されているか。今のところこのバージョンはこのアルバムでしか聴く事が出来ない。「KING OF WALZ」はコラージュなどをちりばめた曲で、映画音楽ともいえそうな曲。ティム・バートンの映画に似合いそう。 ビートルズ「Being for the Benefit of Mr. Kite!」を彷彿とさせる。こちらはベスト盤『KING OF WALTZ』に収録されている。そのベスト盤のライナー(重藤功)によると 既に“QUEEN OF WALZ”は出来上がっている、という事だったが...。 ア