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MY PLAYLIST Vol.8『FAVORITE COVERS OF BOB DYLAN SONGS』

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ボブ・ディランのカヴァーでマイ・ベスト・トラックをCD1枚分集めたいと思って、最初につくったのは2000年代の初め頃かな、その時は日本のアーティストも入れて作ったのだが、そのうちサントラの『アイム・ノット・ゼア』やCD4枚組のカヴァーアルバム『チャイムス・オブ・フリーダム』がリリースされて、海外のアーティストで、なるべくスタジオ録音で、と変わっていった。 オープニングは、ジミ&エクスペリエンスの「見張り塔からずっと」で、やはりディラン・カヴァーの最高峰だろう。原曲のアコースティック・ギターのカッティングから発展させたようなイントロ。性急さを取り込みながらも腰のあるリズムに変換したミッチ・ミッチェルのドラム。原曲のコード進行は王道ともいえるが、ディランのヴォーカル・メロディにジミのギターが目眩く空間を作り出す、ロックでポップでサイケデリック、決して色褪せない至極の1曲だ。 それでラストはザ・ローリング・ストーンズ「ライク・ア・ローリング・ストーン」。高慢な金持ちが住所不定・路上生活者=ローリング・ストーンのようになるまで落ちぶれ、かつてあんたが蔑んでいた者たちと同じになって、どんな気分だ?と問いかける栄枯盛衰の歌。この初めと終わりの2曲は変わらず定位置にしている。 以下、私の選んだ『FAVORITE COVERS OF BOB DYLAN SONGS』  1.  All Along The Watchtower The Jimi Hendrix Experience  2. Ballad of A Thin Man  Kula Shaker  3. Crawl Out Your Window  Transvision Vamp  4. I Wanna Be Your Lover  Wilko Johnson  5. Going Going Gone Richard Hell & The Voidoids  6. Stuck Inside of Mobile With The Memphis Blues Again Cat Power  7. It's All Over Now, Baby Blue Hole  8. My Back Pages Ramones ...

和久井光司責任編集『NYパンク以降のUSロック完全版』

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2022年11月2日、河出書房新社より出版。 ディスクガイドを読むと、これまで聴いてなかったバンド、アーティスト、ジャンルに興味が湧いてCDやレコードも増えるから買わないようにしていたんだけど、この『NYパンク以降のUSロック完全版』、たまたま待ち合わせた本屋にあったので手に取ったらテレヴィジョン/トム・ヴァーレイン/リチャード・ロイド、ブロンディ、モダン・ラヴァーズ/ジョナサン・リッチマンが近年リリースしたアルバムまで網羅されているので購入してしまった。この和久井光司責任編集のディスクガイド・シリーズは何冊か出てるけど購入したのはヴェルヴェッツとボウイに続いて3冊目(ヴェルヴェッツ本良かった)。 去年出たのは知ってたんだけど表紙がトーキング・ヘッズ/デヴィッド・バーンだからスルーした模様…トーキング・ヘッズはほとんど聴いてないから…持ってるアルバムはファーストのみ。別に嫌いとかそういうんじゃなくて単に後回しになってるだけ。後で聴くかわかんないけど…聴いてみたいとは思ってる…。 『NYパンク以降のUSロック完全版』、読み物的に面白かったかな。和久井光司らしい遠慮なくハッキリした物言いの部分もあるし。和久井がニューヨーク・ドールズがダメで特にジョニー・サンダースは認められない、という残念な告白もあったし、水上はる子はニューヨークでパティと住んでた頃のことを小説かなにかにしたい言っていた、ということも書かれていた。ブロンディとザ・ナック絡みのプロデューサー、マイク・チャップマンの記事も面白かった(パット・ベネターのファースト聴いたな…)。最後のパワーポップとアメリカン・ニュー・スタンダードの章で紹介されてたパワーポップ系バンドのアルバムには聴いてみたいのがいろいろあるんだけどね。

Guitar Magazine 2023年5月号『特集・鮎川誠/トム・ヴァーレイン』

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2023年4月13日、リットーミュージックより刊行。 ギター・マガジン買ったのは何十年振りだろうな…。なにしろ鮎川誠とトム・ヴァーレインの2大特集。それに“鮎川誠の1969年製レス・ポール・カスタム原寸大ポスター付きだ!これは買うよね…(ポスター壁に貼るのか?)。 鮎川の特集は写真、記事含めて53ページ。大鷹俊一による鮎川の活動を振り返る文章、過去のインタビュー再掲載3本、愛機1969年レス・ポール・カスタムをはじめとして鮎川所有ギターの紹介、愛用のマーシャル・アンプ紹介、鮎川が通った楽器店のオーナーへのインタビュー、ディスコグラフィ、様々なミュージシャンからのメモリアル・メッセージを掲載。 どの記事も興味深く読めるが、なかでも愛機1969年レス・ポール・カスタムの詳細な紹介は驚異的だった。確かにブラックの塗装は剥がれているが、フレットやブリッジ、ピックアップや電装系、スイッチなどは使い易いように、常に良い音が出せるようにメンテしているんだろうな、と思っていたが、いやいやそうじゃなかった。錆で固まったテールピース、ブリッジ、割れたピックアップ・カバー…錆びついて回るネジは1本もないというギター…恐るべしパーツを換えないオリジナルの音へのこだわり。ほかに所有ギター24本がカラー写真で紹介。レス・ポール・カスタムは6本、ギブソン・レス・ポール・ジュニア・ダブルカッタウェイTV、アルフィーの高見沢にプレゼントされたというブルーのフライングV、『クール・ソロ』のタイトルの由来となったグヤトーンLG-120Tも。機材関係の紹介文は小林弘昂によるもの。 ディスコグラフィは前田栄達と小川真一が担当。ミュージシャンからのメモリアル・メッセージには、最も好きな曲という質問があるが、これは難しすぎる…「ユー・メイ・ドリーム」、「レモンティー」、「DEAD GUITAR」、「キング・スネーク・ブルース」…といった曲が選ばれているが…チャーが「ビールス・カプセル」を選んでる!カヴァーして欲しい! トム・ヴァーレインの特集は20ページ。五十嵐正によるバイオ記事、ディスコグラフィは行川和彦、トム愛用ギター紹介は川上啓之によるものでステージ写真も交えながらダンエレクトロ、ジャズマスター、ジャガー、ダン・アームストロング、STタイプなど12本を紹介。 トムのソロ〜再結成テレヴィジョンを支えたギタリ...

追悼・TOM VERLAINE

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トム・ヴァーレインが逝去。 2023年1月28日、73歳でなくなったという。 そうか…。テレヴィジョンのファースト・アルバム 『マーキームーン』 に衝撃を受け、それからテレヴィジョン、トム・ヴァーレインの音を探し求めた。 テレヴィジョンのセカンド『アドヴェンチャー』、ROIRからのライヴ・カセット『ブロウ・アップ』、1992年の再結成アルバム『テレヴィジョン』、2003年にRhino Handmadeからリリースされた『Live At The Old Wardorf』、配信で入手した再結成時のライヴ『Live At Academy NYC 12.4.92』…。 トムのソロは3作目 『ワーズ・フロム・ザ・フロント』 (1982年)を最初に入手した。たぶん1984年頃に中古で買った(右上の写真はアナログ盤『ワーズ・フロム・ザ・フロント』のインナーより)。ファースト『トム・ヴァーレイン(邦題:醒めた炎)』から1992年リリースの『Warm And Cool』まで聴いたけど、2006年に同時リリースした『Around』と『Songs And Other Things』は聴いていないな…。 もしかしたら本国アメリカより、日本や、イギリスを含むヨーロッパで人気があり、評価が高く、影響力が大きかったと思えるテレヴィジョン/トム・ヴァーレインだが、USパンク黎明期の最重要バンド/ギタリストとしての伝説とともに、その作品はいつも、いつまでも聴き継がれることだろう。 トムがテレヴィジョンの前にリチャード・ヘル、ビリー・フィッカと組んでいたバンド、ザ・ネオン・ボーイズの音源を3曲含むCD(1991年 Overground)。5曲入りのCDで他2曲はリチャード・ヘル+ヴォイドイズの楽曲。 ブライアン・イーノと録音したというデモ5曲を含むブートレグ『Double Exposure』。結構探したアナログ盤。 セカンド・アルバム『アドヴェンチャー』のレーベル。エレクトラのLP盤はテレヴィジョンに限らずだが、レーベルに蝶のイラストが描かれていたのが美しい。7インチ・シングル盤はキャタピラーのイラストでちょっと怖かった。 雑誌『レコード・コレクターズ 1992年10月号』。特集「ニューヨーク・パンクとテレヴィジョン」。 テレヴィジョンの記事は、 バイオグラフィ:西村茂樹 デビュー前のテレヴィジョンの...

私の放浪音楽史 Vol.51 TELEVISION『MARQUEE MOON』

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1977年2月、エレクトラよりリリースのアルバム。 テレヴィジョンのファースト・アルバム。 1981年~1982年頃はアメリカ(ニューヨーク)のパンクってほとんど聴いてなかったなぁ。ブロンディ(パンクかな…)、ハートブレイカーズ、ジョニー・サンダースくらいか。リチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズのファーストは当時入手難だったんじゃないか。だから聴いたのはもう少し後だった。ラモーンズももっと後なんだよね、良さがわかるのは。だからテレヴィジョンの『マーキー・ムーン』はイギリスのパンクバンド一辺倒だった私へ、ニューヨーク・パンクの強力な一撃だった。神経質そうな痩せたトム・ヴァ―レインの眼差しが目を引くロバート・メイプルソープによる写真を使用したジャケット。裏ジャケットには"単純で不気味な感じのらせん状のイメージを使いたい”というトムの依頼でビリー・ロボのアートが使われている(確かにこの裏ジャケのデザインは奇妙に感じた)。プロデュースはトムとアンディ・ジョンズ(グリン・ジョンズの兄弟)で、アンディはプロデュースというよりエンジニアとしての腕を見込まれたようだ。 後々タモリ倶楽部の“空耳アワー”で紹介された(言われるまでそう聴こえなかったけどね)「See No Evil」。ぐるぐる回るようなリフが印象的。線が細いけどエモーショナルなトムのヴォーカルも一発で気に入った。ギターのパッキング・フレーズが好きな「Venus」。トムのギター・ソロもいい。“ミロのヴィーナスの腕に落ちていった”というありえないシチュエーションの歌詞もユニーク。ギターの半音階的なフレーズがビザールでガレージ・サイケデリックな「Friction」。後半のギターソロ前の“F・R・I・C・TION”ってとこが最高にカッコいい。タイトル・トラック「Marquee Moon」。絶妙のコンビネーションで曲は進む。手数の多いドラム、官能的ともいえる2本のギターの絡みとクールなベースライン、ドラマティックな展開。10分余りの長さをまるで感じさせない。そのサウンドはスリルの連続でありながら、聴く者の神経を甘美に弛緩させる作用もあるミラクルなナンバー。アナログでは9分半頃の一旦静かになり再び歌が始まるところでフェイドアウトするが、CD化の際には完奏ヴァージョンでの収録となっている。 アナログ盤ではB面の1曲目だった叙情的な「El...

OMNIBUS a Go Go Vol.53『SHAKE TO DATE』

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1979年にアラン・ベトロックが始めたShakeレコードのコンピレーションで1981年にリリースされた。1986年にはAlbionレコード/LineからCD化されている。 なんといってもG.トム・ヴァーレイン、Vo.&B.リチャード・ヘル、Ds.ビリー・フィッカの3人が1972年に結成したTHE NEON BOYSの音源(2曲)だ。「That's All I Know(Right Now)」はペケペケ&カミソリ・ギターサウンドに甲高くヨレヨレのヘルのボーカルがのる最高にスリリングなガレージナンバー。「Love Comes In Spurts」のヴァーレインのギターソロ部分は後のテレビジョンを想起させる緊張感がある。 もともとTHE NEON BOYSの音源はこのコンピにも収録されているリチャード・ヘル&ヴォイドイズの「Don't Die」、「Time」の7インチのカップリングとしてShakeレコードから1980年にリリースされたもので、1991年にはTHE NEON BOYS「High Heeled Wheels」を追加してOvergroundレコードよりCD化されている。THE NEON BOYSの録音は6曲あるというが、残りの3曲は…。  リチャード・ヘル&ヴォイドイズの「Don't Die」は女性コーラスも入ったマイナー調の性急なビートナンバー。「Time」はディランを思わせるフォークロックな佳曲でクワインのギターソロにも味わいがある。 他には、Shakeレコード最初のリリースだったTHE dB'Sのポップでジャングリーなシングル曲「Black And White」や THE dB'Sのメンバー、ピーター・ホルサップルが1978年にCARレコードからリリースしたシングルのロカビリーライクな「Big Black Truck」とそのカップリング曲でニューウェイヴィーな「Death Garage」、また、THE dB'Sのクリス・ステイミー、ウィル・リグビーとSNEAKERSを組んでいた(というかUSインディシーンで数々のプロデュースをする) ミッチ・イースターの「Praying Eyes」と「Law Averages」、歌・演奏・制作を全てイースター自身でおこなった、なかなかに捻くれたポップ。...

TOM VERLAINE『WORDS FROM THE FRONT』

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1982年、ヴァージンよりリリース (JPN)のアルバム。 ロック史上に燦然と輝く名盤『Marquee Moon』を作り上げたバンドTelevison、そのフロントマン、ヴォーカリストで ギタリストのトム・ヴァーレイン。 10代にジョン・コルトレーンの影響を受け、サックスでジャズを演奏していたが、 ローリング・ストーンズを聴いてギターを手にしたという。弦の響きを活かし、独創的なフレージング (どこか調子の外れたところも)が魅力的なギタリストだ。 『Marquee Moon』は80年代のニューウェーブのバンド/ギタリストに多大な影響をあたえたことは間違いない。 ヴァ-レインのソロ・アルバムとなると、ソロになって3作目にあたる『Words From The Front』を代表作に選ぶ。 深い緑色をバックに紫色のシャツを着たヴァーレインが煙草をくゆらせるイラストが描かれた リラックスした雰囲気のジャケット。しかし、 右上にはアルバムタイトル“最前線からの手紙(Words From The Front)”の文字。 前作『Dreamtime(邦題:夢時間)』よりもシンプルで繊細な楽曲が並ぶ。 レコーディング・メンバーはテレビジョン時代の旧友、Fred Smith (Bass)、 パティ・スミス・グループのJay Dee Daugherty (Drums)、 Jimmy Ripp (Guitar)、前作とこのアルバムの発表の間にアメリカやヨーロッパをまわるツアーを行ない、 そのツアーメンバーもレコーディングに参加している。 アルバムはワン・コードで頑なに繰り返すギターリフにのって真実の愛を歌う「Present Arrived」で始る。 痙攣気味のボーカルとリフの間に挟み込まれたギターフレーズと、 ニューヨーク・ロックの雄、Mink Devilleのリズム隊が叩き出す、 身体のみならず脳に響いてくる立ち上がったリズムが印象的な曲だ。 続く「Postcard From Waterloo」はトレモロがかったギターのイントロと転調部分のピアノが美しいバラード。 この曲は先行シングルで「Postcard From Waterloo c/w Days On The Mountain」としてリリースされた。 ギターソロ部分のコード進行も絶妙。ヴァーレインのポップ感覚を上手く昇華した名曲。 簡...