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今井智子著『ルースターズの時代』

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1988年にルースターズ解散後、しばらくして「ロッキンオン・ジャパン」か「宝島」だったか、ルースターズのメモリアルブック、タイトルは『LAST SOUL』を発売すると音楽雑誌に告知が掲載された。そりゃぁルースターズの活動を振り返る本が一冊くらい出てもいいよな、と楽しみにしていたのだが、その後“ルースターズのメモリアルブック発売は中止になりました”とページの片隅に再度告知が載り、残念だな、と思った記憶がある。手元にある雑誌を見直したりする時にあの告知はどこに載っていたのだろうかと探したりすることもあったのだが、引越しのたびに雑誌も処分したりで、その告知を見つけることはできなかった。それとも単なる私の思い込みだったのだろうか? ルースターズ活動時には、大江慎也の離脱前後などいくつかデリケートでセンシティヴな出来事があるので、そこを避けてはバンドヒストリーを振り返ることは不可能だ。そのあたりがヒストリーブックなどのアーティスト本の刊行を難しくさせているのかな、とは思ったが、1999年のトリビュート盤リリースを契機とした雑誌『レコードコレクターズ』の特集、大江の活動休止後9年振りとなる雑誌『ロッキンオン・ジャパン』のインタビュー記事 、2004年のオリジナル・ルースターズ復活のフジロック出演、オフィシャル・パーフェクトボックス・リリースを契機とした雑誌『ロッグ画報』の特集やオフィシャル・パーフェクトボックスのブックレット、2005年には大江慎也が半生を振り返った『words for a book』(共著・小松崎健郎)を刊行、とルースターズ・ヒストリーを振り返る出版物が増え、大江離脱前後の出来事や当時のメンバーの心境なども徐々に語られるようになっていった。 2024年11月25日、音楽評論家・今井智子により歴代メンバー、関係者にインタビューをおこない、ザ・ルースターズ結成以前から解散までを振り返るインタビューブックがシンコーミュージック・エンタテイメントより刊行された。副題は「THE ROOSTERS AND THE ROOSTERZ 1979-2024」。 刊行して日も浅いので細かく内容については触れないが、冒頭に写真が8ページ、登場人物紹介を経て、300ページ弱が本文だ。まずバンド結成前史、そしてルースターズ活動中にリリースしたアルバム、12インチを軸にしてメンバーやマネ...

『ルースターズの時代 THE ROOSTERS AND THE ROOSTERZ』発売

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シンコーミュージック・エンタテイメントからインタビューブック『ルースターズの時代 THE ROOSTERS AND THE ROOSTERZ』が発売される。 シンコーミュージックのHPによると下記の内容が予定されている。 【予定CONTENTS】 第1章:ルースターズ前史 第2章:ファースト〜セカンド・アルバム 第3章:映画「爆裂都市」〜『INSANE』 第4章:「ニュールンベルグ・セッション」 第5章:『DIS.』『GOOD DREAMS』『Φ PHY』 第6章:「SOS」『NEON BOY』 第7章:『KAMINARI』『PASSENGER』 第8章:『FOUR PIECES』 第9章:アフター・ルースターズ 詳しくは シンコーミュージック・エンタテイメントのHP へ。 発売は2024年11月25日。

THE ROOSTERS『The Basement Tapes~Live at Shibuya eggman 1981.7.14』タワーレコード限定再発

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2003年にハガクレ・レコードからリリースされた、ザ・ルースターズの1981年7月14日渋谷エッグマンでのライヴ盤がアナログ・レコードとCDでタワーレコード限定再発。詳しくは タワーレコードの詳細ページ へ。 2003年のオリジナル・リリース(右の画像)ではCD1枚目にリハーサル7曲+第一部12曲、CD2枚目に第二部17曲を収録したCD2枚組だった。2007年にも廉価で再発されている。 今回のタワーレコード限定再発では第一部12曲を『The Basement Tapes~Live at Shibuya eggman 1981.7.14. 1st show』としてCD1枚(アナログLPも1枚)でリリース。第二部17曲+リハーサル7曲を『The Basement Tapes~Live at Shibuya eggman 1981.7.14. 2nd show+Rehearsal』としてCD1枚(アナログLPは2枚組)でリリース。まぁ要するにバラ売りですな。 発売日はいずれも2024年11月25日。ジャケットは新装されていて初期のストーンズ&ビートルズな感じ?2024年リマスターで解説は新たに書き下ろされている。

ザ・ルースターズ、貴重なシングルを、5/15一斉配信開始!その2

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ザ・ルースターズのシングルが5月15日に配信開始されたのにあわせ、日本コロムビアの ルースターズ・オフィシャル・サイト にはファースト・シングル「ロージー c/w 恋をしようよ」についてルースターズのオリジナル・メンバー大江、花田、井上・池畑のインタビュー(というかコメント)が掲載されている。それにザ・ロッカーズとして観ていた穴井も。これは保存版だろう。 右のジャケ写は2017年に再発された7インチ(COKA-55)。なにしろオリジナルは幻だからね…。

ザ・ルースターズ「PLAYLIST from ARTISTS」

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ルースターズの音源が配信されて日本コロムビアの特設サイトでは アーティストによるプレイリスト が公開されている。それぞれ10曲〜15曲を選曲。ウエノコウジ、OKAMOTO'Sのオカモトショウ、宮藤官九郎、Gyogun Rend'sのパッチ、Mo'some Tonebenderの百々和宏、ヤマジカズヒデ、ピロウズの山中さわお、PotshotのRyojiなど、各アーティストのコメントあり。「Desire」、「Heavy Wavy」、「Strange Life」、「 In And Out」、「Girl」とか各人ベスト・アルバム的ではないこだわりの選曲があるなー。矢井田瞳ってルースターズ聴くんだ…しかも「ゴミ」選んでるし。

OTOTOY「ザ・ルースターズ、全13作品118曲配信解禁!──配信実現の立役者が語る、“ロック”を次世代に繋ぐために」

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“読んで・聴いて・買えるミュージック・ストア”『 OTOTOY 』で「 ザ・ルースターズ、全13作品118曲配信解禁!──配信実現の立役者が語る、“ロック”を次世代に繋ぐために 」と題された記事が掲載されている。元日本コロムビア(1986年入社)で現在は株式会社Nicholson & Co.代表の渡辺佳紀が自身とルースターズとの関わり、今回の配信実現までの経緯を語っている。インタビュアーはフリーライターの岡本貴之。 ルースターズの音の変遷については今更な感じがするが、フジロック出演、ボックスセット『VIRUS SECURITY』リリースあたりの話は興味深い。今も“当時のプロデューサー”としか語られない柏木省三の影響についてもちらり。

私の放浪音楽史 Vol.98 THE ROOSTERZ『BEST COLLECTION』

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1986年2月21日、日本コロムビアよりリリースのベスト・アルバム。 私がCDプレイヤーを買ったのは1987年だったと思う。価格も40,000円以下の機種が出てきて、入手しやすい値段になった頃。型番は忘れたが、ソニー製CDプレイヤーを手に入れた。 CDソフトで私が最初に買ったのはドアーズの2枚組ベスト盤『ベスト・オブ・ドアーズ』…いやニュー・オーダーのシングル集2枚組『サブスタンス』か…。もしかしたらルースターズの旧譜がCD再発されるのにあわせてCDプレーヤーを買う気になったのかも…『ファースト+ア・ゴーゴー』、『インセイン+ニュールンベルグ+CMC』を買ったのか。いやその時のルースターズ新譜『パッセンジャー』だったかな。記憶は曖昧、でもこのうちのどれかだった。 CDソフトが日本で発売されたのは1982年10月1日。最初のCD50枚がこの日リリースされたという(CDプレイヤーも同日発売)。その後過去の名盤やベスト盤の発売、それに新譜はアナログLPとCDが同時リリースされてCDはタイトル数を増やしていく。 CD発売開始から4年が過ぎて、ザ・ルースターズ初めてのCD発売はベスト盤『ベスト・コレクション』(品番33C31-7853)だった。帯には”決定盤!!CDオリジナル企画ベスト15曲“と書かれている。これまでのアルバムと12インチ『SOS』から代表曲を収録。曲目は(帯裏の表記)、  1. ロージー  2. どうしようもない恋の唄  3. ワン・モア・キッス  4. ガール・フレンド  5. レッツ・ロック  6. ケース・オブ・インサニティ  7. ニュールンベルグでささやいて  8. C.M.C.  9. ドライブ・オール・ナイト 10. エアー 11. サッド・ソング 12. グッド・ドリームス 13. ヴェヌス 14. SOS 15. ネオン・ボーイ 前年の1985年にリリースしたアナログ盤ベスト 『COLLECTION 1980-1984』 がシングル集だったのに対し、CD『ベスト・コレクション』はシングル・ヴァージョンを収録していない。まぁ2年続けてベスト盤をリリースするには何か違いがないとね…。各アルバムから代表曲として1〜2曲を選んで時系列に並べるという順当なリスト。...

飯嶋俊男+古川博一:編『CHIRASHI Tokyo Punk & New Wave '78-80s』

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2022年3月31日、SLOGANより刊行。 1978年〜1984年までの東京(ほぼ首都圏)のパンク・ニューウェイヴ・シーンで撒かれたチラシ(ビラ/フライヤー)を700枚強収録した本が刊行された。A4判480ページの分厚い本だ。編者としてRecord Shop BASEの飯嶋俊男、音楽雑誌ライター、Marble Sheep等のメンバーだった古川博一。当時のシーンを振り返るには興味深いドキュメントだし、今は無くなったと思うけどネット上に個人が開設した同趣向のHPもあった。 ライヴや音源リリース告知、バンドメンバー募集などを印刷(コピー)したタダ(無料)のペラ紙がチラシで、手書きのイラストやバンドの写真にインレタや手書きの文字が使われていたが、なかにはデザインはともかく、どこかの本や雑誌から写真や絵を切り取ってコラージュしたり、新聞や雑誌から文字を切り貼りしたものもある。チラシはライヴ会場などに入場する際手渡しされたり、レコード店の置き場にあって興味あるものを持っていくもので、もとはタダのものを集め、それを3,900円(税抜)で売る、というのはどうなのか(700枚として1枚あたり約5.6円…当時のコピー代を思えば安いのか…)と思ったが、巻頭のカラーページ(32ページ)の鮮やかさや、チラシに込められたデザインを含めた情報を1枚ずつ読んでいくにつれて購入して良かったなと思う。 津島秀明監督の映画『ROCKERS』のチラシ、『パンク仕掛け99% No.2』ライブ告知、アルバム 『東京ロッカーズ』リリース記念ライヴの告知、色付きだったんだ…。マリア023のジュネとノンのカラー写真を使ったライヴ告知チラシもカッコいい。 東京アンダーグラウンドということで東京ロッカーズ、フリクション、ツネマツマサトシ、E.D.P.S関連のチラシもあるが、そのあたりは こちらのHP で取り上げるとして、ザ・ルースターズ関連では、 1981年11月20日(金)法政大学キャンパス特設大ステージ 「OUTSIDE ROCK CONCERT」 A.R.B IMITATION BUSINESS ROOSTERS CONX ETC. 1983年1月14日(金)池袋西武STUDIO 200 「通俗・異端・音楽実験室 SOGO ISHII'S PRESENTS 思春期挫折症候群(シンドローム)」 Live:...

私の放浪音楽史 Vol.79 THE ROOSTERS『DIS.』

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1983年10月21日、日本コロムビアよりリリース。 ザ・ルースターズ、4作目のアルバム。 『DIS.』については こちら(2001年1月の古い記事だけど)でも書いたので、繰り返しになるところもあるが補足的に紹介。 1983年6月、来日したイギー・ポップのフロントアクトとして行ったライヴ・ツアーを最後にドラムの池畑潤二がルースターズを脱退。 確かに池畑の脱退のニュースは驚きだった。井上・池畑による鉄壁の、日本のロックバンドとしては最強のビートとグルーヴを生み出してきたリズム隊から、ドラマーが欠けてしまうとは…。当時の雑誌では、実家の稼業の事情で九州へ戻るためバンドを脱退すると書かれていたが、後々のインタビューで池畑は “ずっと4人でやってきてて、それが崩れてゆくことへの恐怖感が途中から常に付きまとうようになっていた” と当時の池畑にかかっていた重圧について語り、そこから“もしかしたら逃げ出したかったのかもしれない”と心情を語っている。 フロントマンであり作詞作曲も手掛ける大江慎也の健康状態は否応なくルースターズというバンド活動に影響を及ぼしていた。大江とは薔薇族(1976年)~人間クラブ~ルースターズと長くバンド活動を共にしてきた池畑。なんとかバンドを維持しようという責任感が強くあっただろうことは想像に難くない。病を抱えた当時の大江を池畑が支えていた部分が強くあった、と花田もインタビューで語っている(Rockin'on Japan vol.36 1990)ことから、様々な調整役として動いていくことに池畑が疲れてしまった結果、バンドを離れたとも想像できる。 それにしても実家の仕事をする為の脱退という記事を読んで、あんな才能と技術のある人がドラムスティックを置くんか…と思ったものだが、翌1984年4月には九州でレッドスティック&スペクターを結成、バンド活動を再開している。 池畑最後のツアーになったイギー・ポップのフロントアクトでは、大江の復帰直後だったこともあり、花田が歌う「Drive All Night」や「Bad Dreams」、ロキシー・ミュージックのインスト・ナンバーのカヴァー「The Numberer」を演奏するなどヴォーカリストの負担を軽減する選曲だったようだ。大江も参加して「Case of Insanity」、「ニュールンベルグ」、「C.M.C」を...

THE ROOSTERS「GO FUCK」

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2004年9月29日リリースのオフィシャル・パーフェクト・ボックス『Virus Security』より。 1982年12月号の「プレイヤー」誌に掲載された山名昇によるルースターズのレコーディング・レポート。レコーディングは1982年9月30日と10月8日とある。一部引用すると、 “この間、完成されたのは8曲。「ニュールンベルグでささいて」、「撃沈魚雷」、「バリウム・ピルス」、「ロージー」、「ゴー・ファック」、「巡航ミサイル・キャリア」、「ゴミ」、「ニュー・カレドニア」。後半分の4曲は、近い将来、何らかのかたちで発表されることになるだろう”と記載されていた。 前半分の4曲は1982年11月にShan-Shanからリリースされた12インチ『ニュールンベルグでささやいて』収録曲だ。後半分4曲のうち「巡航ミサイル・キャリア」は「C.M.C」に、「ニュー・カレドニア」は「カレドニア」とタイトルを替え、1983年7月に2枚目の12インチ『C.M.C』に収録された(リリースに向けては追加レコーディング作業がおこなわれたと推測する)。「ゴミ」は1984年4月にリリースされたアルバム『グッド・ドリームス』に収録された。こちらはベーシックトラック制作時期1982年9月と記載があるから、追加レコーディングをして完成させたトラックだ。 そして「Go Fuck」だけが発表されず長い年月が過ぎていった…。 なぜこの曲が未発表だったのか明確な説明は無かったと思うが、歌詞の内容がレコード会社側からして発表を躊躇させるものだったのか、それともとりあえず各楽器、歌のテイクはOKとしてレコーディングは終了したものの、リリースにむけて更に手を加える事にバンド側が興味を失い放置してしまったのか。バンド側に無許可で未発表の楽曲をリリースされることもあったルースターズだが、この曲に関しては管理がしっかりされていたのか、アンオフィシャルでのリリースもなかった。機会としてはアルバム『グッド・ドリームス』に収録するのもありだったと思うが…(当時のイメージではなかったかな?)。 そして録音から実に22年の時を経た2004年9月29日、27枚のCD、5枚のDVDからなる32枚組(+特典DVD1枚)オフィシャル・パーフェクト・ボックス『Virus Security』がリリース。その中のCD-27「Rare Studio T...

私の放浪音楽史 Vol.77 THE ROOSTERS『C.M.C』

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1983年7月1日 Shan-Shan/日本コロムビアよりリリース。 ザ・ルースターズ通算5枚目の作品集、12インチ・シングル。 『C.M.C』については前回と同じく こちら(2004年5月の古い記事だけど)でも書いたので、繰り返しになるところもあるが補足的に紹介。 1982年10月、『ニュールンベルグでささやいて』レコーディング終了後、大江慎也の精神状態は“どうにもならない状態”にまで悪化。花田裕之もこの時の事を振り返り語っている。“『ニュールンベルグ~』のジャケット撮影の時とか、かなりキツそうな感じでした。もう、行動がおかしいというか…あの時には本当にヤバいなと” 見かねた大江の母親は息子をレコーディング終了後、九州へ帰郷させ精神科を受診させる。大江はそのまま10月末には入院。『ニュールンベルグでささやいて』リリースにあわせて予定されていたライヴはキャンセルとなった。ライヴの休止と大江の病状を知らせる当時の音楽雑誌には神経性の急性胃炎や急性肝炎で入院と記載されていた。 翌1983年6月14日、新宿ロフトで行われた1984のライヴ。その日アンコールで演奏された「Case of Insanity」で大江がヴォーカルをとりライヴ復帰。続けて来日したイギー・ポップのフロントアクトとしてルースターズは6月19日~21日にライヴを行っている。 スタジオ・レコーディングは1983年5月におこなわれ、新たに「Drive All Night」をレコーディング。 前作『ニュールンベルグ~』収録曲を録音した1982年9月~10月のセッションで残された「C.M.C」と「カレドニア」の2曲にも手を加えていると思われる。さらに1981年12月の新宿ハローホリデーにおけるライヴ・テイクの「Case of Insanity」を加えて、4曲入り・45回転盤『C.M.C』を1983年7月1日にShan-Shanレーベルからリリースする。 ジャケットには鏑木朋音のドローイングによる大江の肖像画。ポップなタイポグラフィが使われ、アート・ディレクションは前作に続いて戸田ツトム(Tztom Toda)が担当した。 前作『ニュールンベルグでささやいて』アナログ盤裏ジャケットの山名昇によるライナー・ノーツには、 ”この12インチ45rpm盤の後、彼等は既に80年代最大のプロテスト・ソングを用意している。さりげ...

私の放浪音楽史 Vol.76 THE ROOSTERS『ニュールンベルグでささやいて』

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1982年11月21日 Shan-Shan/日本コロムビアよりリリース。 現在では12インチ・シングルという扱いのザ・ルースターズ通算4枚目の作品集。まぁ45回転・4曲入りの12インチ・ミニアルバムという扱いもあると思う。 『ニュールンベルグでささやいて』については こちら(2004年5月の古い記事だけど)でも書いたので、ちょっとだけ補足的に紹介。 当時発行されていた首都圏の情報誌「シティーロード」の1983年3月号“読者選出 ベストテン'82”では、1982年に発売された国内ミュージシャンの中でのベスト・アルバムを選出するベスト・アルバム国内盤部門で『ニュールンベルグでささやいて』は第2位だった。42位まで掲載されているが、ベスト5は、 1.『ヌードマン』サザンオールスターズ(2026点) 2.『ニュールンベルグでささやいて』ザ・ルースターズ(1503点) 3.『バリエーション』中森明菜(1264点) 4.『FOR YOU』山下達郎(1020点) 5.『寒水魚』中島みゆき(1004点) という結果。確か年末あたりの号に応募はがきが付属していて、その年のベスト映画、ベストコンサート、ベストレコード等を書いて送る形式だったと思う。どういう得点方式だったか思い出せないが、カッコ内は獲得点数。 また、1982年最も活躍が印象に残った日本のミュージシャン及びグループを選出する、イキイキ・ミュージシャンという部門もあって、ザ・ルースターズは第4位だった。62位まで掲載されているが、ベスト5は、 1.中森明菜(2251点) 2.サザンオールスターズ(2090点) 3.佐野元春(1855点) 4.ザ・ルースターズ(1531点) 5.高橋幸宏(1308点) という結果。同じ首都圏の情報誌「ぴあ」と比べて批評性にやや重きを置いていた「シティーロード」だが、他の選出されたアーティスト・バンドの顔ぶれ、アルバムを見ても、多くの読者にルースターズとその音楽性が支持され、人気拡大の可能性があったのかが分かる結果だと思う。 『ニュールンベルグでささやいて』をリリースしたShan-Shan(シャン・シャン)というレーベルは、日本コロムビアが45回転・30cm・価格1500円(2枚組は3000円)のシリーズとして始めたもので 1982年10月21日に“それ行け速いレコード”をキャッチフレー...

田代俊一郎著『博多ROCK外伝』

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2016年6月9日、INSIDEOUT刊 西日本新聞に現在も連載されている“九州近代歌謡遺聞”のロック編をもとに加筆・修正、上田恭一郎と吉村輝幸の写真を加えて出版されたもので、博多ロック先駆者であるサンハウスの誕生と活動にフォーカスし、他にもブロークダウンエンジンや山善の活動が取り上げられた1960年代~1970年代後半、フルノイズ、ロッカーズ、モッズ等を取り上げた1980年代、と大きく2つの年代の博多ロックシーンを現代の状況も踏まえながら振り返り、昭和、ぱわあはうすといったライヴ喫茶、本格的なライヴハウス80'sファクトリーの誕生、レコードショップ(ジュークレコード、ボーダーラインレコード)開店や、イベントのジャンピングジャム開催、タウン誌シティ情報ふくおか、音楽専門誌ブルージャグの発刊なども絡めて博多という都市の音楽的拠点を検証する。もちろん関わった人物も多彩に取り上げられている。 興味深いエピソード満載、シーナと鮎川の結婚式での写真やアーティスト若かりし頃、80'sファクトリーの店内等々珍しい写真が掲載されている。ルースターズは連載1回分、他にはアクシデンツやモダン・ドールズ、アンジー、ヒートウェイヴなど。巻末に掲載されている博多ロック略年表は、もうちょい詳しい年表にして欲しかったが、著者の博多ロックへの熱い思いはこの本の刊行された日付に象徴されているだろう。 著者は1950年北九州市生まれで慶大卒業後に西日本新聞社入社、現在は客員編集委員。 西日本新聞のHP 西日本新聞・連載・九州近代歌謡遺聞のページ 過去記事でロック編が読める。本ではモノクロだがここではカラー写真で掲載されているものも。現在は民謡編が連載されている。

私の放浪音楽史 Vol.70 『爆裂都市 BURST CITY ORIGINAL SOUND TRACK ALBUM』

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1982年3月5日、SEE-SAW/キャニオンよりリリースのアルバム。 1982年3月に劇場公開された石井聰亙監督の映画『爆裂都市 バーストシティ』のオリジナル・サウンド・トラック・アルバム。映画は公開時には観に行ってないが(たぶん近くの映画館では上映されてなかったんだろう)、このサントラはリリースされてすぐに聴いたんじゃないかな。たぶんKBちゃんに借りたんだと思う。 ルースターズとロッカーズの混成バンド、バトル・ロッカーズの楽曲が7曲、ルースターズの花田、井上、池畑、当時ルースターズのプロデューサーだった柏木省三を中心にしたユニット1984の楽曲が3曲、ザ・ロッカーズの楽曲が3曲、陣内のソロ名義で1曲、という内容。収録曲は下記の通り。 1.ソルジャー/1984 2.セル ナンバー 8(第8病棟)/バトルロッカーズ 3.ワイルド・スーパーマーケット/バトルロッカーズ 4.シャープシューズでケリ上げろ!/ザ・ロッカーズ 5.プア ボーイ/ザ・ロッカーズ 6.ソロー/1984 7.シスターダークネス/バトルロッカーズ 8.視界ゼロの女(マチ)/陣内孝則 9.キックス/1984 10.マイト ガイ/ザ・ロッカーズ 11.バチラス ボンブ(細菌爆弾)/バトルロッカーズ 12.フラストレーション/バトルロッカーズ 13.ボロボロ/バトルロッカーズ 14.セル ナンバー 8(第8病棟)リプリーズ/バトルロッカーズ バトル・ロッカーズはVo.陣内孝則、G.鶴川仁美がロッカーズから、G.大江慎也、Ds.池畑潤二がルースターズから、B.伊勢田勇人がオーディションで参加、というメンバー(レコーディングではルースターズの井上富雄がベースを弾いているという話をロフトプラスワンで聞いた気がする、 まぁそりゃそうだろうね…)。 映画を代表する曲ともいえるバトル・ロッカーズの「セル ナンバー8(第8病棟)」はオープニングのバトル・ロッカーズの演奏シーンで使われている曲。 “注射器の味”や“カプセルの味”が忘れられないというドラッギーな内容が自主規制させたのか、サントラ盤には歌詞が掲載されていない陣内孝則作詞のナンバー。そのカッ飛んだかっこよさに度肝を抜かれたものだが、ある時小さなレコード評を目にする。 1995年に発売された『Rock'n'Roll』という雑誌クロスビートの増刊号...

私の放浪音楽史 Vol.47 THE ROOSTERS『INSANE』

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1981年11月25日、日本コロムビアよりリリースのアルバム。 ルースターズのライヴを初めて見たのは1982年5月23日の明治公園反核集会だった。随分前の事なので記憶は僅かしかないが…。調べてみるとこの日は日曜日。誰と行ったのかは思い出せない。天気は良く集会日和だった気がする。当時は今とは違った政治的緊張感があって、限定的な核攻撃・報復を想定した戦術核兵器の配備問題というのがヨーロッパを中心にしてあり、限定核戦争が起こる可能性も大きいと感じた人々の反核運動は大きな盛り上がりを見せていた。 音楽的な面からみるとクラッシュやジャムやイアン・デューリーらが楽曲を提供したオムニバス・アルバム『Life In The European Theatre』のリリースや、様々なミュージシャンのCNDへの支持なんかがあったが、その反核運動の盛り上がりは日本へも波及。…そんなノー!ニュークスな志を持って私が明治公園へ行ったかどうかは今となっては不明だ。その集会ではフリーコンサートがありルースターズがタダで見られる、という情報は得ていたんだろう。 それでライヴの内容だが、どんな曲を演奏したか覚えてないのだけれど記憶に残っているのは、コンサートは野外でステージがかなり高く作られていたこと、大江慎也の着ていたジャケットの鮮烈な黄色、 “軍事費を減らして電気代をを安くして”(ガス代だったかも)という大江のMC、それに強烈な印象を残したのが「In Deep Grief」の演奏だった。青空にダークなサウンドを響かせ、大江慎也は分厚く重そうな本を抱え呟いていた。 “Out of the depths I cry to you, O Lord, Lord hear my voice” 既にアルバム『インセイン』は聴いていたと思う。音を聴いただけでは気が付かなかったが、 大江のその姿を見た時、朗読しているのは、たぶん聖書の一節じゃないかな、と思った。後々この曲が収められたアルバム『インセイン』の歌詞カードを見て調べてみると旧約聖書・詩篇の一節だったことがわかる。 アルバムのタイトルは『INSANE』。インセインなんて単語はこのアルバムで初めて知ったんじゃないかな。あとになってジム・モリソンやルー・リードなんかの歌詞やタイトルで見かけるんだけど。正気ではいられない程の内容を持ったアルバム、ってことなんだろ...

『宝島AGES No.1』

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宝島社発行、宝島2月号増刊、2014年12月25日発売。 雑誌宝島を毎月読んでたのは1982年~1984年頃かなぁ。1985年~1988年頃までは時々買っていたと思う。当時の宝島は音楽、映画、書籍、ファッション、流行りものからちょっと懐かしい70年代もの、カウンター・カルチャーを含め若者カルチャー全般を取り上げていて、私は主に新譜やライヴ・レポートなんかの音楽情報、邦楽アーティストのインタビューが目当てだったけど、核とかコンピュータ等のテーマを取り上げて解説した“キーワード図鑑”のコーナーも面白かった。確か90年代はグラビア誌でそのあと経済誌に変わってたと記憶しているけど、今は全く手に取ることもない。調べてみると月刊で雑多な情報を扱う雑誌になってるな。 忌野清志郎が表紙の『宝島AGES』は1980年代の日本のカルチャーを振り返る増刊号。80年代前半の宝島といえばRCサクセションとYMOというイメージもあるが、この増刊号には、RCは三宅伸治と片岡たまき(元マネージャー)の対談、YMOはデザイナーの奥村靫正への取材が掲載されている。私的に一番面白く読んだのは1980年代を振り返る町田康とよしもとばななの対談で、6ページとボリュームがあり笑える内容でもある。映画『爆裂都市』に関しての話しもあり。 80年代の漫画といえばやはり『AKIRA』で、アシスタントの高畠聡へのインタビュー、これも興味深く読んだ。“今を生きる80'sバンド”というコーナーでは、ラフィンのチャーミーとPON、スタークラブのHIKAGE、ニューロティカのアツシ、ガスタンクのバキパーソンズのJILLと渡邊、KENZI&THE TRIPSのケンヂ、原爆オナニーズのTAYLOW、ジューシーフルーツのイリアとトシ、ピーズの大木へのインタビューがある。多くはアラウンド50ってところで、老いゆく身体へのいたわりが感じられる。髪の毛問題も深刻か。 “アトミック・カフェ 反核・脱原発の30年”と題されたAtomic Cafe Festivalを振り返る記事も面白かった。ルースターズは1984年~1986年まで毎年アトミック・カフェ関連のライヴに参加しているな。 まぁそんな感じの内容だけど、やはりVOWは爆笑もの。No.1だけど次はあるのかな。80年代を振り返るというのは懐古趣味なのか再評価なのか、雑誌一冊...

私の放浪音楽史 Vol.33 THE ROOSTERS『THE ROOSTERS』

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1980年11月25日、日本コロムビアよりリリースのアルバム。 前回の『à-GOGO』に書いたFMライブで特に「ロージー」が気に入った私はさっそく同曲が収録されているルースターズのファースト・アルバムを入手。といってもやはり誰か持っている人に借りたんだと思う。 まずジャケットに目がいく。大江の剃った眉、花田のコンポラスーツ、井上の白いエナメルのシャープシューズ、池畑の髭と黒いサングラス。3人は吸いかけの煙草を手に、大江は地面に埋めたセメント袋に上に立ち、後ろの井上と池畑の足の開いたポーズは何がしかの主張を感じる。だけど大江の黒いスーツは三つ釦でシャツはボタンダウン。三つ釦のスーツは当時一般的じゃなかったし、ボタンダウンシャツとの組み合わせも英国モッズ的というか、初期ストーンズ、キンクス、フーなどのブリティッシュ・バンドのファッション・スタイルを思わせる。他の3人もスーツにネクタイ着用。ストーンズのセカンド・アルバム『No.2』のジャケットに東映ヤクザ映画のムードを混ぜたような仕上がり。いわゆるツッパリ/ヤンキーとは一線を画してはいるものの、廃工場(と思われる)でのロケーション、壁にスプレー書きしたバンド名、歌詞カードにはバイクに集うメンバー(中指立てている人もいるし)の写真、アナログ盤の歌詞カードに記載されていたメンバープロフィールには好きな服装の質問に“特攻服”と答えているメンバーが1名いることから、ファースト・アルバムの帯キャッチコピー“腑抜け野郎の脳天をたたき割れ!!”に違わぬキケンな雰囲気を漂わせてはいる。 収録曲でカヴァーは4曲。エディ・コクランのカヴァー「カモン・エブリバディ」はシド・ヴィシャスの歌うビストルズのヴァージョンで聴いて知っていたが、ルースターズはスピード感とタイトさが魅力。この曲のカヴァー・ヴァージョンは数多くあると思うが、このルースターズ・ヴァージョンは最高の部類に入るだろう。サーフイン・ホットロッド系のインストグループ、チャンプスのカヴァー「テキーラ」はもちろん聴いたことがなかった。この曲もジャキジャキしたギター・カッティングと締まったリズムで、アルバムのイントロダクションとしての効果も大。ボ・ディドリーの「モナ(アイ・ニード・ユー・ベイビー)」はストーンズ・ヴァージョンが下敷きだが、私はクラッシュの“No elvis, beatles...

私の放浪音楽史 Vol.32 THE ROOSTERS『THE ROOSTERS à-GOGO』

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1981年6月25日、日本コロムビアよりリリースのアルバム。 ルースターズのレコードを始めて聴いたのはセカンド・アルバムだった。たぶん友人のKBちゃんに借りたのだろう。同じころ出ていたアナーキーの『亜無亜危異都市』を貸しレコード屋で借りて、一緒にカセットに録音した覚えがある。 当時はアナログA面の「One More Kiss」や「Girl Friend」のスウィートな感じが、んー、ちょっとなぁという感想だったが、B面「Dissatisfaction」からの流れが好きだった。まぁ同時にカセットに録音したアナーキーも聴きつつ、他のバンドと同じようにルースターズも特別贔屓にしているバンドというわけではなかった。 ある日友人からまわってきたカセットにはFMのライヴ録音が収められていて、A面にはモッズのライヴ、B面にはルースターズのライヴが録音してあった。ルースターズのライヴは「ロージー」、「Dissatisfaction」、「Fade Away」、「Do The Boogie」の4曲だった。後にこの録音は『The Basement Tapes~Sunny Day Live At Shibuya Eggman 1981.7.14』として完全版がリリースされるエッグマンでのライヴなのだが、当時はこのライヴがいつ、どこで録音されたのかもわからなかった。 “まぼ、まぼろしのシングル”と紹介して始まる「ロージー」のコーラスを効かせた花田のギター・プレイはファンタスティックで、池畑のドスドスと突き進むリズムも迫力満点。大江の少ししゃがれてるけど艶のあるヴォーカルも魅力的だった。セカンド・アルバム収録の2曲「Dissatisfaction」と「Fade Away」のライヴはドライヴ感を増しているし、「Do The Boogie」の混沌とした演奏にも惹き込まれた。 『à-GOGO』がリリースされた当時、大江はよく自分達の魅力を“最新型ロックンロール”と口にしていたが、確かにこんなに格好良いRock'n'Rollを演奏しているバンドは稀有な存在だ。スリーコードを使った曲でもこれだけの表現力があり、スピード感があり、スリリングな瞬間を作り出せる、しかも迸る新鮮さと腰の据わった落ち着きをも兼ね備えている。とにかく4曲のFMライヴ、これが私をルースターズの虜にし、スペシャルなバンド...

平野悠 著『ライブハウス「ロフト」青春記』

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2012年6月出版。 ロフトの創始者平野悠が1号店“烏山ロフト”出店(1971年)から新宿ロフト移転(1999年)までを綴った本が出版された。 15人も入れば満杯の山小屋風スナック烏山ロフトから始まり、ライブも出来る西荻窪ロフト開店(1973年)、騒音問題やキャパの狭さを解消する為 荻窪ロフト開店(1974年)、音楽シーンの動向を敏感に読み取り下北沢ロフト開店(1975年)、渋谷屋根裏や新宿ルイードに刺激を受け日本のロックシーンの最前線で走り続けたいという希望を持って新宿ロフト開店(1976年) という怒涛のロフト拡大のスピードは無謀ともいえるし驚嘆すべき事だ。その間様々なエピソードがあったろうし、実際書かれてもいる。例えば、 烏山の坂本龍一、 西荻窪の山下洋輔や森田童子、 荻窪のティンパンアレーセッション、 下北沢のタモリやサザンオールスターズ、 についてのエピソード、各店舗の出店に関してや客との関わり、苦労話なども書かれているが、話しの展開が早く、妙にあっさりしていて深く掘り下げて書かれていない印象を受けてしまうのが残念だなとも思った。ここまでで全体の半分くらい。 後半は新宿ロフトだ。 1976年に開店し、お店と平行して“新人発掘”や“ロフト・レコード”も企画したがこちらはうまくいかなかったようだ。周囲の影響もあり1979年3月には金土日祝日に限定していたライブを毎日おこなうようになっていく。時代はパンク・ニューウェイブ期。1979年夏のイベント“Drive to 80's”に関してや その企画者・地引雄一との短いインタビューもある。ロフト・ニューウェイブ御三家と題されて、ARB、ルースターズ、アナーキーの3バンドが短いながらも独立して取り上げられている(各2ページほど)。 興味深いところでは柏木省三に関するエピソードもちらり。 その他、タコ(山崎春美)、スターリン、非常階段、じゃがたら、ハードコア勢、東西ヘヴィメタル勢が取り上げられている。BOOWYには最も多い7ページほどをつかってエピソードが書かれている。私も通った西新宿の輸入レコード盤店・海賊盤店についても(短いが)言及があるのも面白い。 1980年に平野の息抜き場所ともいえる自由が丘ロフトを開店するも、1984年頃には平野にとってロフトの経営が苦痛になっており、1984年10月には無期限世界放浪...

THE ROOSTERS 『CMC』

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1983年7月1日、Shan-Shanからリリースの12インチ・シングル。  SIDE A : 1. CMC(作詩/大江慎也 作曲/ザ・ルースターズ) シドニー・ルメット監督、ヘンリー・フォンダ主演の映画『未知への飛行』に影響を受け作られたと言われている曲で、 サマービーチを突然襲う爆撃の様子が歌われている。 『未知への飛行』は、ユージン・バーディックとハーヴィー・ウィーラーによって書かれた小説『未確認原爆投下指令』(原題:『Fail Safe』) を原作とした映画で、冷戦下のソ連に誤って侵入したアメリカの核戦略爆撃機を呼び戻す努力と、 これが故意ではないとソ連の首相を説得するアメリカ大統領や戦略空軍司令部の緊迫したやり取り、徐々に近づく核戦争の恐怖を描いた。爆撃機の積んでいるのは20メガトンの核爆弾。これをモスクワに投下する事態になれば、 米ソ間の全面核戦争になり、世界の終末が訪れることになる。そして、アメリカ大統領の下した命令は...。 もともとは「サマー・サマー・サマー(巡航ミサイル・キャリア)」という題名だったが、 リリース時にはCruising Missile Carrierの頭文字をとったタイトルに改められた。 “バカンスを楽しむ人々は~”の部分を除けばスリーコードで作られたルースターズ型のロックンロール・ナンバーで、そのビート感は群を抜く。 イントロのギターで警報が鳴り響き、フィード・バックが爆撃機の飛来を告げる。 その前のめりに突き進む演奏は“磯ガニ”が登場する少しユーモラスな歌詩、ポップな井上のベースラインとマッチして緊張感を生み出す。 “Summer Day, Summer Beach, Summer Sun”の部分のドラミングは、The Clashの「Tommy Gun」を彷彿とさせるフレーズだ。 2. カレドニア(作詩/大江慎也 作曲/ザ・ルースターズ) 抽象的なフレーズが並ぶ歌詩。“飛んでゆく、棒一本持って”、“旋風をたてて”、“水しぶきをあげて”、“In To Deep Blue Sea” などのフレーズからは前の曲のようなミサイルや潜水艦などが頭に浮かぶ。 スカルノ峰やウギンバはインドネシアの地名、ナッソウはババマの首都。 井上の低くうねるベース・ラインが印象的だが、 このベースを前面に出して(ドラムやギターは抑えられた)Rem...