『宝島AGES No.1』
雑誌宝島を毎月読んでたのは1982年~1984年頃かなぁ。1985年~1988年頃までは時々買っていたと思う。当時の宝島は音楽、映画、書籍、ファッション、流行りものからちょっと懐かしい70年代もの、カウンター・カルチャーを含め若者カルチャー全般を取り上げていて、私は主に新譜やライヴ・レポートなんかの音楽情報、邦楽アーティストのインタビューが目当てだったけど、核とかコンピュータ等のテーマを取り上げて解説した“キーワード図鑑”のコーナーも面白かった。確か90年代はグラビア誌でそのあと経済誌に変わってたと記憶しているけど、今は全く手に取ることもない。調べてみると月刊で雑多な情報を扱う雑誌になってるな。
忌野清志郎が表紙の『宝島AGES』は1980年代の日本のカルチャーを振り返る増刊号。80年代前半の宝島といえばRCサクセションとYMOというイメージもあるが、この増刊号には、RCは三宅伸治と片岡たまき(元マネージャー)の対談、YMOはデザイナーの奥村靫正への取材が掲載されている。私的に一番面白く読んだのは1980年代を振り返る町田康とよしもとばななの対談で、6ページとボリュームがあり笑える内容でもある。映画『爆裂都市』に関しての話しもあり。
80年代の漫画といえばやはり『AKIRA』で、アシスタントの高畠聡へのインタビュー、これも興味深く読んだ。“今を生きる80'sバンド”というコーナーでは、ラフィンのチャーミーとPON、スタークラブのHIKAGE、ニューロティカのアツシ、ガスタンクのバキパーソンズのJILLと渡邊、KENZI&THE TRIPSのケンヂ、原爆オナニーズのTAYLOW、ジューシーフルーツのイリアとトシ、ピーズの大木へのインタビューがある。多くはアラウンド50ってところで、老いゆく身体へのいたわりが感じられる。髪の毛問題も深刻か。
“アトミック・カフェ 反核・脱原発の30年”と題されたAtomic Cafe Festivalを振り返る記事も面白かった。ルースターズは1984年~1986年まで毎年アトミック・カフェ関連のライヴに参加しているな。
まぁそんな感じの内容だけど、やはりVOWは爆笑もの。No.1だけど次はあるのかな。80年代を振り返るというのは懐古趣味なのか再評価なのか、雑誌一冊で済むようなもんじゃないと思うけど、あの頃の裏側/裏事情を少しだけ知って満足、程度の事なのかもね。