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8月, 2011の投稿を表示しています

OMNIBUS a Go Go Vol.33『SUSHI 3003』

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ドイツのバンガローレコードから1996年にリリースされたコンピレーションで、副題は「a spectacular collection of japanese clubpop」。スシ三千三とジャケットに書いてあるが、スシミナミかと思った。 クラブポップという事で海外でも人気の出ていたピチカートファイブをはじめ、小西康陽やテイ・トウワ関連(プロデュース含め)の楽曲が多い。ほとんどのトラックは既にリリースされていたものから集められているようだ。 小西関連では、 ピチカート・ファイブの「Nata Di Marzo」、 夏木マリがディープな語りと歌を聴かせる「My favorite things」、 Tokyo's Coolest Comboはフランソワーズ・アルディのインストカバー「Comment te dire adieu」(さよならを教えて)、 Havana Exotica「Surfin' on M.O.O.G.」、 岩本千春「Kiss」。 テイトウワ関連は、 テイトウワ、森俊彦のユニット、SP 1200 Productions「My Super Lover」、 立花ハジメはヒューゴ・モンテネグロのカバー「Moog Power」、 高野寛「あいかわらずさ」。 他、コモエスタ八重樫の5th GardenはPP&Mの“Pa Pa Pa”カバー「I dig Rock and Roll Music」、元ピチカートの高浪敬太郎=K-taroはイタリアサントラ曲ピエロ・ウミリアーニ「Sweden, Heaven & Hell」のカバーで “Mah Na Mah”コーラスは細野晴臣。ファンタスティック・プラスティック・マシーンとCalinの「ともだちのサンバ」はアルバム『TEEN TONIC』からでCo-Produceは福富幸宏。 サリー久保田のレ・ファイブ「Bond Street」はバカラックのカバー、さらにコーネリアス、カヒミ・カリィと当時のクラブ・渋谷系の重要アーティストをコンパイル。 目当てのデイトオブバース「Aim at El Paso」は、EP『荒野のデイトオブバース』収録「エルパソを目指せ」と同じもの。彼らも渋谷系にカテゴライズされるのか?DOB名義になってから音はクラブよりになったけど。1998年には『sushi 4004』もリリースさ

OMNIBUS a Go Go Vol.32『PASSED DAYS』

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副題を “ZK records pre-released songs compilation 1992-1997” という、ZKレコードのサンプラーで1998年のリリース。 ヘヴィ・ミクスチャーのWRENCH、BACKBONE、ATOMIC FIREBALLや、最速コアCOWPERS、ノイズの肉自動車、打ち込みハードコアなHAMMER BROS.、ファンキーなTHE マニラ帰り、ニューウェイブな音像ながらコーラスが印象的なCONVEX LEVEL等が収録されているが、個人的にはこのサンプラーで初めて聴いたCOALTAR OF THE DEEPERSの「CELL」。 激しいギターサウンドに繊細なアレンジ、コントラスト際立つ線の細いボーカル。浮遊するスピード感ともいうべき疾走感&表現力が素晴らしい。この「CELL」は1997年、2回目にリリースされた『CAT EP』(ZIKS-047)、俗に言う “CAT EP2” からの収録だが、カタログ番号で2つ前の『CAT EP』(ZIKS-045)のまとまったサウンドとはひとつひとつの音の激しさが(音粒の激しさが)違う仕上がりになっている。 他、そのDEEPERSに後に参加するイチカワマキコが在籍したBPの「カウント」、ストイックな演奏にクールな女性ボーカルのGAJI「hoop loop」、芯の太いサウンドを聴かせるRUFFIANS「FOR LIFE」、痛郎のそれぞれの楽器が良く鳴っているサウンドに切ない歌が重なる「春夏秋冬」等々、17バンド18曲を収録。

OMNIBUS a Go Go Vol.31『HIT RADIO 802』

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大阪のFM放送局“FM802”がプロデュース、コンパイルしたオムニバスで1997年のリリース。スピッツ、中村一義、スガシカオ、コーネリアス、山崎まさよし等の1997年当時のヘビーローテーションナンバー(スピッツのみ1993年)やフィッシュマンズ、ハイロウズ、ヒートウェイブ、加地秀基等の当時のシングル曲が大半を占める収録曲だが、注目はサニーデイ・サービス「都会(Version #2)」とTHE GROOVERS「春だったね'97~FOLKIE 802 MIX」の2曲。 サニーデイ・サービスの「都会」は1997年2月リリースのシングル「白い恋人」のカップリング曲だったが、ここではこのオムニバス用に 再録音されたバージョンが収録されている。サックスや打ち込み風のドラムが目立つ少しエキゾチックなムードのシングルカップリングバージョンとは違って、「Version #2」はシンプルながらもエモーショナルなバンドサウンド。ファズギターが唸るこちらはGS/ガレージ的ニュアンス。後半には「黒くぬれ」のギターフレーズがチラリ。どちらのバージョンも甲乙付け難く良い。 THE GROOVERSの「春だったね'97」は1997年9月リリースのシングル曲で、吉田拓郎のカバー曲(オリジナルは1972年)。藤井のギターとダイナミックなリズム隊により新たな躍動感を生み出している好カバー。「FOLKIE 802 MIX」は、ギターソロ部分に豪快なハーモニカソロをフューチャーしたこのオムニバス用の別ミックスで、ソロ後のピアノもエレピからアコースティックな音色に差し替えられているようだ。

OMNIBUS a Go Go Vol.30『THE LAND OF THE RISING NOISE』

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サンフランシスコのCharnel House Productionsから1993年(か1994年)にリリースされた、日本のガレージ・パンクと並んで海外で評価されている“ジャパノイズ”をコンパイルしたオムニバス。 シリーズとして3枚出ているようだが、これは1作目。ジャケットの人形と写真は吉田良一(現・吉田良)によるもので、訳題『雑なる音出づる処の国』を上手くイメージしていると思う。 想い出波止場の「IN」はサイケデリックでプログレッシブ、エクスペリメンタル。最初のギターカッティングとドラムで“IN”だ。カルトムービー『ピノキオ√964』にも音楽で参加していた長嶌寛幸のTokyo Dowser「Suimin Party Edit」はクールで刺激的なトラック。 エンジェリン・ヘヴィ・シロップ「My Dream」は想いを深く、そして高めようとする意識が感じられる曲だ。静謐でありながら熱を持った演奏が素晴らしい。このコンピのみに収録されていたが、2002年になり『Very Best of Angel'in Heavy Syrup』 に収録された。非常階段の「Sound of Bay Area」は強烈な瓦礫の音塊が迫る、圧倒的に暴力的で破壊的なトラック。 他には、幻想的でスペイシーな空間の広がりを感じさせるDMV「Outer Mind」、マシナリーでインダストリアルな演奏に咆哮が重なるDissecting Table「Dead Gods」、モダンチョキチョキズのメンバーも参加しているChildren Coup d'Etat「Saigo no Hoknoh」、ミュージックというより物音といったほうがいいかもAgencement「Tegmen」や、C.C.C.C.「Monde Bizarre」、Aube「Amniotic Fluid」、メルツバウ「Moon Over The Bwana A」、灰野敬二「The Man Who Wring Under The Name of Gratification」を収録。