OMNIBUS a Go Go Vol.30『THE LAND OF THE RISING NOISE』

サンフランシスコのCharnel House Productionsから1993年(か1994年)にリリースされた、日本のガレージ・パンクと並んで海外で評価されている“ジャパノイズ”をコンパイルしたオムニバス。 シリーズとして3枚出ているようだが、これは1作目。ジャケットの人形と写真は吉田良一(現・吉田良)によるもので、訳題『雑なる音出づる処の国』を上手くイメージしていると思う。

想い出波止場の「IN」はサイケデリックでプログレッシブ、エクスペリメンタル。最初のギターカッティングとドラムで“IN”だ。カルトムービー『ピノキオ√964』にも音楽で参加していた長嶌寛幸のTokyo Dowser「Suimin Party Edit」はクールで刺激的なトラック。

エンジェリン・ヘヴィ・シロップ「My Dream」は想いを深く、そして高めようとする意識が感じられる曲だ。静謐でありながら熱を持った演奏が素晴らしい。このコンピのみに収録されていたが、2002年になり『Very Best of Angel'in Heavy Syrup』 に収録された。非常階段の「Sound of Bay Area」は強烈な瓦礫の音塊が迫る、圧倒的に暴力的で破壊的なトラック。

他には、幻想的でスペイシーな空間の広がりを感じさせるDMV「Outer Mind」、マシナリーでインダストリアルな演奏に咆哮が重なるDissecting Table「Dead Gods」、モダンチョキチョキズのメンバーも参加しているChildren Coup d'Etat「Saigo no Hoknoh」、ミュージックというより物音といったほうがいいかもAgencement「Tegmen」や、C.C.C.C.「Monde Bizarre」、Aube「Amniotic Fluid」、メルツバウ「Moon Over The Bwana A」、灰野敬二「The Man Who Wring Under The Name of Gratification」を収録。

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