剛田武著『地下音楽への招待』
2016年9月22日、ロフトブックス刊 ライヴ・スポット吉祥寺マイナーにまつわるミュージシャン達をひとつの軸にしながら、1970年代後半~1980年前半にかけての日本のアンダーグラウンド・ミュージック・シーンを振り返る本が刊行された。 著者の剛田武は1962年生まれ。アメリカン・ポップス→ハード・ロック、ブルース・ロック、プログレ→パンク・ロック→前衛ロック→フリージャズ、現代音楽と聴く音楽の趣味が変わり、 自身も高校時代にはパンク・バンドでギターを弾き、浪人生活中には宅録、大学入学後にはアルト・サックスを手に入れジャズ研に入部しフリー・ジャズを目指すが“体育会的な気質が肌に合わず”離脱、自身のサックスにギターを加えたユニットOTHER ROOMを結成、と表現活動も行っていた。1982年5月頃に吉祥寺のライヴ・スペース“ぎゃてい”でアルバイトを始め、夜ごと行われた自由な表現活動を“大抵一桁”の観客と見聴きする。 ライヴ・スペース“ぎゃてい”の店長へのインタビューには店の出演者について語っている部分がある。 (他の店は)“ブッキングの基準が出来ていて、店のテイストに合うかどうかオーディションしたりするのでしょうが、マイナーやぎゃていは何でもOK。表現する意思があれば誰でも出演できる。音楽だけじゃない幅の広さを持ち、お金儲けや道楽が目的じゃない、自己表現にこだわりのある人たちが多かった” ぎゃていは1981年6月開店~84年5月閉店。時期は少し前になるが同じ吉祥寺にあったマイナーは1978年3月開店~1980年9月閉店のライヴ・スペースだった。ぎゃていやマイナーで演奏された、見に来ていた人が大抵一桁か、ゼロの時もあった表現活動(ここでは主に音楽)を関係者の証言から検証、記憶を記録し、詳細な脚注(加藤彰による)と当時のフライヤーなども交え、さらに当時の音源を収録したCDを付属し読者を地下音楽へと招待する、416ページの読み応えのある本だ。 この本でインタビューを受けるのは演奏者・パフォーマーとしては、 園田佐登志(明大現代の音楽ゼミナール主宰/アナルキス、他) 藤本和男(第五列) 鳥井賀句(ワースト・ノイズ/ペイン) 武田賢一(大正琴奏者/ヴェッダ・ミュージック・ワークショップ主宰) 白石民夫(サックス奏者/不失者、他) 工藤冬里(ワースト・ノイズ/ノイズ/マシンガンタン...