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band HANADA「お天道さま」

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2017年4月1日、HANAYA RECORDSよりリリースのアルバム『ROADSIDE』より。 band HANADAのアルバムがリリースされた。花田裕之は弾き語りスタイルやRock'n' Roll Gypsiesとは別に、2001年頃から井上富雄と椎野恭一とともに花田裕之バンドとして活動を始め、コンスタントにライヴをおこなっていた。2005年頃からはギタリストに大西ツルを迎えバンド表記は“band HANADA”に。band HANADAとしてはライヴ・アルバム『Live Rollin'』を2008年にリリースしているが、スタジオ録音の音源リリースは初めてとなる。 収録曲は7曲、全て花田作の新曲。 1. 遠くまで 2. ガラガラ ゴロゴロ 3. あの頃さ 4. 渡るしか 5. 二人なら 6. お天道さま 7. 根無し草 CDプレイヤーのプレイ・ボタンを押して流れる1曲目「遠くまで」のサウンド、一瞬で傑作とわかるものだ。あくまでも低い井上のベース、独特の湿度感のある椎野のドラム、揺らぎ、浮遊感のある大西と花田のギター・プレイ、枯れた味わいのある花田のヴォーカル、歌われる気怠く投やりな歌詞。 続く「ガラガラ ゴロゴロ」はギター抱えての旅の歌。ロックンロール・ビジネスで時々出会う場面なのかな、欲の皮とツラの皮の厚い人達が登場する。“シラフじゃやってられない”って歌う花田がいい。こういうタイプも時々作っているなぁ、昔を懐かしむ「あの頃さ」。 “この世の甘い汁の上澄み食って生きてるオレ達”ってフレーズにドキリとする「渡るしか」。こんなラヴ・ソングがアルバムに一緒に入ってるのが素敵だなと思う「二人なら」。これからも流れ続けると歌う「根無し草」。 と、全曲いいんだけど、1曲選んだのは「お天道さま」。 生身の肌の温もりと生きている実感を感じさせてくれる曲だ。無理のない歌詞とメロディ。花田裕之にしか生み出せない歌。  “流れてるのか流されているのか  オレにはもうわからない  でも本当はそんなことどうでもいいのさ  お天道さまを拝めれば今日も” 花田が “ハイウェイを降り” たのは、ソロになってリリースを続けていた東芝EMIを離れ、リスぺクタブル・ルースターズ・トリビュート盤の盛り上がりも一息ついた2000年頃と思う。ひとり弾き語りのライヴを始め、その身軽

じゃじゅうか「Why…!?」

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2017年3月15日、LABORATORY RECORDSよりリリースのアルバム『じゃじゅうか』より。 前作リリースから約2年半ぶりの新作。ヴォーカル&ギター・ヒノケン、ドラム・マルに、日本脳炎の元メンバー、ギター・パティ、ベース・130(ヘルプらしい)が加わりメンツは最強に。私的に思うのはROCK'N' ROLL GYPSIES化したな…。バンド名の表記はひらがなの“じゃじゅうか”にあらためられた(ロゴの感じから思うに暗黒大陸じゃがたらの南蛮渡来の影響あり)。予算の関係なのか、プラケースやジャケットもなく、CD収納袋にCDを入れて曲名表記のシールを貼ってあるだけの簡素な作り。作詞作曲者名も、メンバーや録音クレジットも、もちろん歌詞を印刷したカードも付属していない。まぁ大方のインフォメージョンはネットから得られるということか…。私は通販で購入したが思わず購入先にジャケットはないのかと連絡したくなった。うーん、これでいいのかと思ったが、そんな些末な事はCDプレイヤーのプレイ・スイッチを押すまでの事だ。これだよ、これ。パティのポップなギターとヒノケンのブルージーなギターの絡み。キレとパワーのあるリズム隊、ヒノケンのヴォーカルにはロックンロールの魂が宿っている。今回はアルバムということで、これまで発表してきた曲も新たにレコーディングして収録されている。 収録曲は、 1. Howlin' 2. Frustration Army 3. Particular Girl 4. 真夜中のシークレット 5. 100%の退屈 6. Why...!? 7. 僕と悪魔のブルーズ 8. サヨナラベイビー 1はTHE BACILLUS BRAINSのアルバム『祭り囃子が聴こえる』に「Hellhound」として、Jajoukaの1stシングル「Hellhound On My Trail」として収録、Jajoukaの2ndシングルにもボーナストラック収録されていた曲の再録。 4はJajoukaの3rdシングルに収録曲の再録。5は日本脳炎のアルバム『香港カフェ』やTHE BACILLUS BRAINSのアルバム『電撃都市通信』収録曲の再録。7はJajoukaの1stシングルやJajoukaの3rdシングルに収録曲の再録。8はTHE BACILLUS BRAINSのアル

小沢健二「流動体について」

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2017年2月22日、ユニヴァーサル/ヴァージンよりリリースのシングル「流動体について」より。 小沢健二、19年振りのCDシングル・リリース。テレビ番組出演も多く積極的なプロモーション。 7インチ・シングルサイズのジャケットで限定盤(相当大量に生産してるだろうけど)。そういうことでつい購入。田舎町でもオザケンのシングルは手に入る。でもリリースから1週間くらいたっての入荷だったけど…。 まぁ小沢健二の熱心なリスナーというわけではない。なにしろ友人の彼女がカラオケで歌っていたフリッパーズの「恋とマシンガン」を聴いて、あーフリッパーズ・ギターって面白い曲作ってんだなぁ、という感想から興味が始まっているくらいで。それも1990年代の中頃~後半頃かな? それでフリッパーズ~オザケンのCDを買ったという後追い。ファースト・ソロ『犬は吠えるがキャラバンは進む』にはベースで井上富雄が参加してるしね。2枚目のアルバム『LIFE』と3枚目のアルバム『球体の奏でる音楽」、その時期リリースのシングルが好き。フリッパーズではシングルの「Camera! Camera! Camera!」が良かったなぁ。 今回のシングル「流動体について」、オリコンの週間チャートでは2位を記録するヒット。 皆待ち焦がれていたのかな。やはり19年振りの新曲発売となれば往年のファンも飛びつくし、ニュース番組まで含んだテレビのプロモーションも話題を呼んだしね。大人数アイドルが闊歩する日本のチャートに小沢健二が入ってくるのも痛快というか。久しぶりに聴いたオザケンの歌声は、少し年をとったなぁと思わせるが、それは当たり前のこと。文学的で独特な歌詞は、いまのオザケンのひとつの魅力だろう。 このシングルを買ってから小沢健二のオフィシャル・サイト「ひふみよ」を訪れているのだが、見応えがあるというか読み応えがあるというか、文章、写真、音源、色々と工夫を凝らしたサイトになっていて、ついつい読み過ぎると目がチカチカ。できれば紙で読みたいなぁ、年寄りとしては。まとまった書籍としては出てないのかな。「ひふみよ」に掲載されているいろいろな読み物を読んでいると、オザケンの文才、素晴らしい文章の表現力を感じる此の頃である。 「流動体について」の歌詞の内容はパラレルワールドもの。SFではよく使われるテーマでタイムスリップものでも見受けられる手法だ。間