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私の放浪音楽史 Vol.67 早川義夫『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』

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1969年11月10日、URCよりリリースのアルバム。 ジャックスの曲を初めて聴いたのは、たぶん小学校の上級生…四年か五年生頃だと思う…学校で聴いた気がする…。授業だったのかな…聴いたのはジャックスの「からっぽの世界」だった。なぜ学校で聴いたのか覚えていないし、タイトルやバンド名をその時覚えた訳じゃないけど “僕唖になっちゃった…” という強烈な歌は忘れられず記憶に残った。キャンディーズや百恵ちゃんや淳子ちゃんやらアグネス・チャンやジュリーなんかの華やかな歌をテレビで見聞きしていた10歳くらいの子供には、聴いてはいけない歌を聴いてしまったような気がしたものだ。深い井戸(表現が古いな)の闇の底から聴こえてくるような歌と演奏で、詳しい内容は分からないもののこんな歌があるのか、という強い印象を幼い心に植え付けられた。 1969年8月にジャックスは解散、70年代で既に伝説化し70年代後半ではレコードの入手が非常に困難であったが、自分でジャックスのレコードを聴いたのは1985年にリリースされた編集盤『レジェンド』だったし、 「からっぽの世界」を再び聴くことが出来たのはラジオ用のスタジオ・ライヴ音源ながら、1986年にソリッドがリリースしたシングル「からっぽの世界」まで待たねばならなかった。 『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』はジャックスのヴォーカリストだった早川義夫の初ソロ・アルバムで、URCから1969年11月にリリースされた。私が聴いたのは1980年にSMSがリリースした再発盤で、1982年~83年頃に確かKG君が貸してくれたんだと思う。 ピアノやギターやオルガンの伴奏のみの素朴な演奏に、みじめで情けない姿の歌を、けれど芯のしっかりした声で歌う。ハードでテクニカルな演奏やラウドな音を長く好んで聴いてきた耳に、すーっと入ってくる簡素なサウンド。スピーカーから流れたこのアルバムの音は、夜の静けさに染み込み、当時の私の部屋にしっくりと馴染んで、まるで家具のように収まっていた。カセットに録音して何度も聴いたなぁ…。ジャケットも奇妙でインパクトがある。 “まっ赤に燃える夕日をせなに”のところがキマっている、数え歌のような「わらべ唄」に始まり、ピアノのフレーズが切ない「もてないおとこたちのうた」、(俳優の)大河内伝次郎のためのエレジーと副題がついている「無用の介」は奇怪な音...