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IAN McCULLOCH「BIRDY」

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2012年9月リイシューのアルバム『MYSTERIO Deluxe 2CD Edition』より。 イアン・マッカロクが1992年にリリースした2枚目のソロ・アルバム『ミステリオ』も前作同様ボーナストラック追加、2CD仕様で再発されている。 このアルバムを聴くのは初めて。『キャンドルランド』は気に入っていたと思うし、来日公演も多分楽しめたと思うのだが、1992年当時はバニーズ関係はもういいかなぁという感じで買わなかったんだろう。1990年にはイアン抜きのバニーズ(ノエル・バークがボーカリスト、デイモン・リースがドラム)のアルバムが出たり(一応聴いた)、イアンと他のバニーズのメンバーの確執もあったりで興味は他に移っていたんだと思う。そんなことで1990年の後購入したバニーズ関係の音源は91年にリリースされたBBCライブ、4枚組コンピ『クリスタル・デイズ』(2001年)、『ライブ・イン・リヴァプール』(2002年)、25周年のエキスパンド・オリジナル・アルバム・シリーズ(2003年)くらい。 前作『キャンドルランド』で強かったジェントルな面は影を潜め、ダンサブルでコンテンポラリーな意識もあり、打ち込みサウンドの使用も継続しつつ、バンドサウンドに戻ったように思えるが、その分かつてのバニーズとの比較をしてしまう曲もあり、焦点が絞りきれていない印象。まぁ全体的に悪くは無いが、これだといえる曲を選ぶのも難しい。 シングルにもなった「Lover Lover Lover」これが一番の気もするけどレナード・コーエンのカバーだし、 コクトー・ツインズのエリザベス・フレイザーがバッキング・ボーカル、ロビン・ガスリーのプロデュース、アズテック・カメラのロディ・フレイムがギターで参加している「Heaven's Gate」、これも少し弱い。 というわけでCDシングル「Lover Lover Lover」のカップリング曲で、このリイシュー盤ではディスク2に収められている「Birdy」という曲を選んだ。この曲のプロデュースはコクトー・ツインズのロビンで、前作にも通じる静謐でジェントリーでメロディアスな曲。イントロのライド・シンバルに絡まるギターの音色、深いイアンのボイス、これがやはりイアン・マッカロクの世界ともいえる。 結局ソロのイアンにはこういう曲を望んでしまうな…。この曲にもエリザベス

IAN McCULLOCH「CANDLELAND」

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2012年9月リイシューのアルバム『CANDLELAND Deluxe 2CD Edition』より。 下のオムニバス『To The Shores Of Lake Placid』紹介の時にエコー&ザ・バニーメンの情報などをネットで見てたらイアン・マッカロクが1989年にリリースした初のソロ・アルバム『キャンドルランド』が ボーナストラック追加、2CD仕様で再発されているのを発見、早速購入。 エコー&ザ・バニーメンは多分1983年頃にアルバム『ポーキュパイン』を購入して気に入り、他のアルバムやシングルを集め、来日公演も行く当時一番入れ込んでた洋楽のバンドだった。1988年頃にイアンがバンドを離れ、ドラマーのピート・デ・フレイタスがバイクの事故で亡くなった時は、もうこの4人の演奏が聴けないのかと非常に残念に思った事を憶えている。イアンの甘美なボイス、ウィル・サージェントの鋭くも表現力豊かなギター・プレイもさることながら、ピートとベースのレス・パティンソンの鉄壁とも言える強力なリズム隊は非常に魅力的だったから…。 このイアンのソロ作はリリース時に購入、12インチやCDシングルも買ったし、その後1990年の来日公演にも行った(名義はイアン・マッカロク&ザ・プロディガル・サンズ、バニーズの曲も数曲演奏した)。今回のリイシューは『キャンドルランド』とアルバムからの7インチ、12インチ、CDシングルのカップリング曲、別バージョン、リミックス・バージョンを追加したもので、更に1984年にリリースされたイアンとしては初のソロ・シングル「セプテンバー・ソング」2ヴァージョンとカップリング曲も収録された豪華版。 1989年に初めてこのアルバムを聴いた時にはバニーズの5枚目にあたる1987年のセルフ・タイトルのアルバムの延長上にあり、ピートとイアンの父親の他界という悲しい出来事を乗り越えて静謐な中にも伸びやかさがあるという印象を持ったが、今回あらためて聴いて受ける感じは変わらなかったのだけれど、かなり久しぶりに聴いた事もあり、当時のいろいろな(個人的な)事柄が思い出されて感慨に耽ってしまった。 「The Flickering Wall」や「Proud To Fall」、「I Know You Well」、「Start Again」といったジェントルな曲が並び、中には「Fai

OMNIBUS a Go Go Vol.74『TO THE SHORES OF LAKE PLACID』

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イギリスのインディ、ZOOレコードから1982年3月にリリースされたコンピレーション。ZOOはビル・ドラモンド、デビッド・バルフによって1978年に創立され、 2人が関わっていたビッグ・イン・ジャパンを皮切りに、ティアドロップ・エクスプローズ、エコー&ザ・バニーメン、ロリ&ザ・カメレオンズ、ゾーズ・ノーティ・ランプス等リバプール周辺のバンドのレコードをリリースしていた。 このコンピレーションはZOOがリリースした楽曲やビル・ドラモンド&デビッド・バルフ達が制作に関わっていた楽曲(当時の未発表曲を含む)を集めたもので、個人的には1980年代に入れ込んでいたエコー&ザ・バニーメンの曲を目当てに、確か雑誌DOLLかなにかに載っていたバニーズのディスコグラフィ(それも1ページにまとめたもの)にこのコンピがあると知って、探して中古で購入。このままでのCD化はされていないと思う。アナログのフロント・ジャケットの“ZOO”の文字はエンボス加工されていた。 バニーズはまだイアンとウィル、レスの3人とドラムマシーン“エコー”を使用している最初期の録音で、ZOOレコードからリリースしたバニーズの1stシングル「The Pictures On My Wall c/w Read It In Books」の両面を収録している。このシングル・バージョンは今では再発もされてるし、4枚組『Crystal Days 1979-1999』でも聴けるけど、当時なかなか目にしたことは無く、あっても結構な値段していたので、ドラムレスでイアン達の青白い炎が揺らめくような演奏の「The Pictures~」と素朴なドラムマシーンの音色の「Read It~」が聴けた時はうれしかった。バニーズは他に「Villiers Terrace」のBBC“John Peel Session”のためのライブバージョンが収録されている。このBBCライブも3人と“エコー”のバージョンでデビッド・バルフがピアノで参加している。 ここに収録されているバニーズの「Read It In Books」はティアドロップ・エクスプローズのジュリアン・コープとの共作曲だが(エクスプローズも録音している)、そのエクスプローズはシングルB面曲「Camera, Camera」と当時未発表だった「Take A Chance」、おそらく準備されながらZOOか

OMNIBUS a Go Go Vol.73『CONCERT FOR THE PEOPLE OF KAMPUCHEA』

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1979年12月26日~29日にロンドンのハマースミス・オデオンでおこなわれた、カンボジア難民を救済するためのチャリティ・コンサートの模様を収録したライブ・アルバムで1981年3月にアトランティックからアナログ2枚組でリリースされた。2012年11月現在でCD化はされていない。 このコンサートの出演者は、 12月26日:クイーン 12月27日:イアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズ、マトゥンビ、クラッシュ 12月28日:プリテンダーズ、スペシャルズ、ザ・フー 12月29日:エルビス・コステロ&ジ・アトラクションズ、ロックパイル、ウィングス、ロッケストラ だったが、マトゥンビの演奏はアルバムに収録されていない。他は各組1~4曲を収録。 最終日のロックパイルにはロバート・プラントが、ロッケストラにはプラントの他、ジョン・ボーナムとジョン・ポール・ジョーンズがゼップから参加した。 パンク/ニュー・ウェーブに嵌っていた当時は、オールド・ウェイブ勢のクイーンやウイングス、フーといった音源には全然興味なし(とはいうもののパンクを聴く前はクイーンもフーも聴いてた)、最初クラッシュ目当てでこのアルバムを手に取って(誰かから借りたと思う)「Armagideon Time」1曲のみというのは寂しかったものの、その選曲や演奏には満足した覚えがある。トッパーの繊細なドラム・ワーク、ミッキー・ギャラガーのキーボードも素晴らしい。 他にはオリジナル・メンバーでのプリテンダーズの3曲 「The Wait」、「Precious」、「Tattooed Love Boys」がどれも勢いがあって気に入ってたかな。その頃あまりなじみの無かったイアン・デューリー「Hit Me With Your Rhythem Stick」や、コステロ「The Imposter」、スペシャルズ「Monkey Man」なんかに興味を持って聴いたような気がする。ロックパイルは「Crawling From The Wreckage」と、もう1曲ロバート・プラントをゲスト・ボーカルに迎えた「Little Sister」を収録。プラントがエンディングをトチったのはご愛嬌。 自分であらためて購入したのはザ・フーに入れ込んでた頃(1990年代の中頃と思うんだけど)で、アナログA面全部を占めていたのが気になり中古で購入。「Baba O&#