IAN McCULLOCH「CANDLELAND」

2012年9月リイシューのアルバム『CANDLELAND Deluxe 2CD Edition』より。

下のオムニバス『To The Shores Of Lake Placid』紹介の時にエコー&ザ・バニーメンの情報などをネットで見てたらイアン・マッカロクが1989年にリリースした初のソロ・アルバム『キャンドルランド』が ボーナストラック追加、2CD仕様で再発されているのを発見、早速購入。
エコー&ザ・バニーメンは多分1983年頃にアルバム『ポーキュパイン』を購入して気に入り、他のアルバムやシングルを集め、来日公演も行く当時一番入れ込んでた洋楽のバンドだった。1988年頃にイアンがバンドを離れ、ドラマーのピート・デ・フレイタスがバイクの事故で亡くなった時は、もうこの4人の演奏が聴けないのかと非常に残念に思った事を憶えている。イアンの甘美なボイス、ウィル・サージェントの鋭くも表現力豊かなギター・プレイもさることながら、ピートとベースのレス・パティンソンの鉄壁とも言える強力なリズム隊は非常に魅力的だったから…。

このイアンのソロ作はリリース時に購入、12インチやCDシングルも買ったし、その後1990年の来日公演にも行った(名義はイアン・マッカロク&ザ・プロディガル・サンズ、バニーズの曲も数曲演奏した)。今回のリイシューは『キャンドルランド』とアルバムからの7インチ、12インチ、CDシングルのカップリング曲、別バージョン、リミックス・バージョンを追加したもので、更に1984年にリリースされたイアンとしては初のソロ・シングル「セプテンバー・ソング」2ヴァージョンとカップリング曲も収録された豪華版。

1989年に初めてこのアルバムを聴いた時にはバニーズの5枚目にあたる1987年のセルフ・タイトルのアルバムの延長上にあり、ピートとイアンの父親の他界という悲しい出来事を乗り越えて静謐な中にも伸びやかさがあるという印象を持ったが、今回あらためて聴いて受ける感じは変わらなかったのだけれど、かなり久しぶりに聴いた事もあり、当時のいろいろな(個人的な)事柄が思い出されて感慨に耽ってしまった。

「The Flickering Wall」や「Proud To Fall」、「I Know You Well」、「Start Again」といったジェントルな曲が並び、中には「Faith And Healing」のような打ち込みダンスビート(当時やはり好きだったニューオーダーに接近かと思ったが、 リミックス・シングルを出したものの、この路線を追求することはなかったようだ)の曲もあるが、特に好きなのはやはりアルバムのタイトル・トラック「Candleland」だ。

コクトー・ツインズのエリザベス・フレイザーをゲスト・ボーカルに迎えたこの曲は、プログラミングされたリズムトラックの上に滑るようなギターフレーズ、深く響くイアンのボーカルと、細く輝く糸のようなエリザベスのハーモニー、まるでお伽話のようなアレンジのドリーミーで美しい3分間の儚い曲。

アルバムは父親とピート、そしてペイル・ファウンテンズのベーシスト、クリス・マカフリー(1986年に他界)に捧げられている。

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