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和久井光司責任編集『NYパンク以降のUSロック完全版』

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2022年11月2日、河出書房新社より出版。 ディスクガイドを読むと、これまで聴いてなかったバンド、アーティスト、ジャンルに興味が湧いてCDやレコードも増えるから買わないようにしていたんだけど、この『NYパンク以降のUSロック完全版』、たまたま待ち合わせた本屋にあったので手に取ったらテレヴィジョン/トム・ヴァーレイン/リチャード・ロイド、ブロンディ、モダン・ラヴァーズ/ジョナサン・リッチマンが近年リリースしたアルバムまで網羅されているので購入してしまった。この和久井光司責任編集のディスクガイド・シリーズは何冊か出てるけど購入したのはヴェルヴェッツとボウイに続いて3冊目(ヴェルヴェッツ本良かった)。 去年出たのは知ってたんだけど表紙がトーキング・ヘッズ/デヴィッド・バーンだからスルーした模様…トーキング・ヘッズはほとんど聴いてないから…持ってるアルバムはファーストのみ。別に嫌いとかそういうんじゃなくて単に後回しになってるだけ。後で聴くかわかんないけど…聴いてみたいとは思ってる…。 『NYパンク以降のUSロック完全版』、読み物的に面白かったかな。和久井光司らしい遠慮なくハッキリした物言いの部分もあるし。和久井がニューヨーク・ドールズがダメで特にジョニー・サンダースは認められない、という残念な告白もあったし、水上はる子はニューヨークでパティと住んでた頃のことを小説かなにかにしたい言っていた、ということも書かれていた。ブロンディとザ・ナック絡みのプロデューサー、マイク・チャップマンの記事も面白かった(パット・ベネターのファースト聴いたな…)。最後のパワーポップとアメリカン・ニュー・スタンダードの章で紹介されてたパワーポップ系バンドのアルバムには聴いてみたいのがいろいろあるんだけどね。

リチャード・ヘル著・滝澤千陽訳『GO NOW』

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2004年5月、太田出版刊。 リチャード・ヘルが書いた小説で本国では1996年に刊行されたが、邦訳が出たのは2004年。 最近ではめっきり小説を読むことも少なくなったが、本屋で見かけ“あの”リチャード・ヘルの書いた小説か、 読んでみるか…。 リチャード・ヘルを聴いたのは1982年リリースのヴォイドイズとしてのセカンド・アルバム『ディスティニー・ストリート』が最初だったんじゃないかな。友人が持ってた輸入盤を借りた。ディランのカヴァーがかっこよかったな。当時『ブランク・ジェネレーション』は入手困難だったような気がする。そのセカンドアルバムリリース後しばらくしてヘルは音楽活動を停止、小説を書いているというのは知っていたが翻訳も出ていたんだ…。帯には町田康による“地獄のパンク文学”の推薦文。 内容はというと、バンド活動停滞中のパンク・ロッカー、ビリーと女性フォトグラファー、クリッサがカリフォルニアからニューヨークまで車を運転して運ぶ仕事を依頼される。全ての経費は依頼者持ちだ。その道中で“なにか”を探し、ビリーが書き、クリッサが写真に撮る、さらにその内容を本にする、というのが依頼者のアーティスティックな興味であり2人にとって真の仕事でもあった。 ロード・ストーリー的な内容になっているが、ビリーはヘロイン中毒で、ヘロインを打つ/調達と旅先で出会う女とのセックスによる快楽を求め続ける日々。そんなビリーが起こす様々な裏切り行為や破滅的とも言える行動、ビリーが感じる自己嫌悪、快楽を求めるがゆえに陥る自己欺瞞。だから旅の先々で“なにか”を探すなんていうのはビリーには二の次であり、優先度は最下位ほどに低い。ただ自分の欲望を満足させるため、誰かにたかり、誘惑し、懇願し、自分さえも騙し、自分と他人の心を傷つけ、満足したと思ったとたんに渇望という小さな穴が開いているのに気付き、その穴が次第に広がってゆく。それを繰り返し、繰り返し、繰り返し…。 この小説を読み進めていっても、つまり同じこと。自己の快楽追求に忠実に生き続ける姿を見続けるだけだ。 セックス・ドラッグ、それにロックンロール…はない。音楽に関しての記述は殆どない。もちろんこれはヘルの自伝ではなくビリーの物語だが、ヘルの体験に基づいてもいるという。芸術、文学、それに少しだけ語られる音楽に対するビリーのセリフや考え方はヘルに近いんじゃないか...

OMNIBUS a Go Go Vol.53『SHAKE TO DATE』

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1979年にアラン・ベトロックが始めたShakeレコードのコンピレーションで1981年にリリースされた。1986年にはAlbionレコード/LineからCD化されている。 なんといってもG.トム・ヴァーレイン、Vo.&B.リチャード・ヘル、Ds.ビリー・フィッカの3人が1972年に結成したTHE NEON BOYSの音源(2曲)だ。「That's All I Know(Right Now)」はペケペケ&カミソリ・ギターサウンドに甲高くヨレヨレのヘルのボーカルがのる最高にスリリングなガレージナンバー。「Love Comes In Spurts」のヴァーレインのギターソロ部分は後のテレビジョンを想起させる緊張感がある。 もともとTHE NEON BOYSの音源はこのコンピにも収録されているリチャード・ヘル&ヴォイドイズの「Don't Die」、「Time」の7インチのカップリングとしてShakeレコードから1980年にリリースされたもので、1991年にはTHE NEON BOYS「High Heeled Wheels」を追加してOvergroundレコードよりCD化されている。THE NEON BOYSの録音は6曲あるというが、残りの3曲は…。  リチャード・ヘル&ヴォイドイズの「Don't Die」は女性コーラスも入ったマイナー調の性急なビートナンバー。「Time」はディランを思わせるフォークロックな佳曲でクワインのギターソロにも味わいがある。 他には、Shakeレコード最初のリリースだったTHE dB'Sのポップでジャングリーなシングル曲「Black And White」や THE dB'Sのメンバー、ピーター・ホルサップルが1978年にCARレコードからリリースしたシングルのロカビリーライクな「Big Black Truck」とそのカップリング曲でニューウェイヴィーな「Death Garage」、また、THE dB'Sのクリス・ステイミー、ウィル・リグビーとSNEAKERSを組んでいた(というかUSインディシーンで数々のプロデュースをする) ミッチ・イースターの「Praying Eyes」と「Law Averages」、歌・演奏・制作を全てイースター自身でおこなった、なかなかに捻くれたポップ。...