OMNIBUS a Go Go Vol.53『SHAKE TO DATE』
なんといってもG.トム・ヴァーレイン、Vo.&B.リチャード・ヘル、Ds.ビリー・フィッカの3人が1972年に結成したTHE NEON BOYSの音源(2曲)だ。「That's All I Know(Right Now)」はペケペケ&カミソリ・ギターサウンドに甲高くヨレヨレのヘルのボーカルがのる最高にスリリングなガレージナンバー。「Love Comes In Spurts」のヴァーレインのギターソロ部分は後のテレビジョンを想起させる緊張感がある。
もともとTHE NEON BOYSの音源はこのコンピにも収録されているリチャード・ヘル&ヴォイドイズの「Don't Die」、「Time」の7インチのカップリングとしてShakeレコードから1980年にリリースされたもので、1991年にはTHE NEON BOYS「High Heeled Wheels」を追加してOvergroundレコードよりCD化されている。THE NEON BOYSの録音は6曲あるというが、残りの3曲は…。
リチャード・ヘル&ヴォイドイズの「Don't Die」は女性コーラスも入ったマイナー調の性急なビートナンバー。「Time」はディランを思わせるフォークロックな佳曲でクワインのギターソロにも味わいがある。
他には、Shakeレコード最初のリリースだったTHE dB'Sのポップでジャングリーなシングル曲「Black And White」や THE dB'Sのメンバー、ピーター・ホルサップルが1978年にCARレコードからリリースしたシングルのロカビリーライクな「Big Black Truck」とそのカップリング曲でニューウェイヴィーな「Death Garage」、また、THE dB'Sのクリス・ステイミー、ウィル・リグビーとSNEAKERSを組んでいた(というかUSインディシーンで数々のプロデュースをする) ミッチ・イースターの「Praying Eyes」と「Law Averages」、歌・演奏・制作を全てイースター自身でおこなった、なかなかに捻くれたポップ。
そのミッチ・イースターも参加しているTHE COSMOPOLITANSのエレポップな「(How To Keep Your)Husband Happy」とダンサブルな「Wild Moose Party」。THE NECESSARIESのメンバーだったRANDY GUNはパワーポップな「I Do」、「I Apologize」の2曲を収録。