Japanese Punk and New Wave関連書籍 Vol.2 藤沢映子著『ZELDA物語』
日本のパンクとニューウェイヴの関連書籍をいくつか紹介。 JICC出版局より1988年に刊行された、ゼルダのヒストリー本『ZELDA物語』。著者は1986年夏のイベント「秋田ロックシティカーニバル'86」で初めてゼルダを観た・聴いた藤沢映子。小嶋さちほより少し年上という著者はライヴハウスで紅蜥蜴のライヴを体験しているが、“ただ怖い変人に見えた”というし、東京ロッカーズの時代、さちほとは、“どこかのライヴ・ハウスで一緒になっていたハズだ”という。東京ロッカーズが決して楽しいものに思えなかった著者だったが、ゼルダに出会ってこのバンドのことをもっと知りたいと思うようになった。それはゼルダ結成者である小嶋さちほを知ることであり、ゼルダが生まれた東京ロッカーズ・シーンを知ることでもある。 基本的に執筆当時のゼルダのメンバーへのインタビューをもとに構成しており、小嶋さちほ、高橋佐代子、石原富紀江、小澤亜子の生い立ちを第一章に、さちほの東京ロッカーズ・シーンとの関わり〜ボーイズ・ボーイズ結成〜脱退、ゼルダ結成〜初期メンバーのヨーコ(鈴木洋子)、マル(野沢久仁子)脱退〜石原と小澤加入までが第二章。ここまでで全体の3分の2の分量。第三章では新メンバーとなっての活動、ファンキーに変遷していった音楽スタイルやカラフルになったファッションなども交えて1988年9月の日比谷野音ライヴあたりまでが描かれている。 S-KENスタジオで初めてベースの音を出したあのシーンも、バンドとして不本意な作業となったファースト・アルバムのレコーディング現場もゼルダ側の言葉として書かれている。 本文の下段にはゼルダに関係・交友のあるアーティスト等のコメントが載っていて、セカンドアルバム『カルナヴァル』をプロデュースした白井良明やそのアルバムに収録された「Are You Lucky? ラッキー少年のうた」を提供した鈴木慶一、バンドでゼルダのコピーをしていたという森高千里らのコメントを掲載。 巻頭や文中には執筆当時のメンバーのライヴやオフショットの写真、巻末には1980年から1988年(9月)までのライヴ・ヒストリー(年表)、メジャーからリリースしたディスコグラフィー(1988年リリースのアルバム『シャウト・シスター・シャウト』まで)を掲載している。