Japanese Punk and New Wave関連書籍 Vol.4 巻上公一著『宇宙の右翼 水中の左翼』
日本のパンクとニューウェイヴの関連書籍をいくつか紹介。 1982年、PARCO出版より刊行されたヒカシュー・巻上公一の初めての著書(エッセイ)。劇団出身だけに演劇についての話は多い。音楽についての話はむしろ少ないかも。これについては巻上がこの本のあとがきで“意識的に音楽に関する記述を避けたようにも見うけられるが、そんなことはない。無知なのである。無知でも音楽をやれる生き証人なのだ”としている。音楽に関する話題では、ニューヨークで見たロックコンサートの逸話、ダンサーのベアトラン・レゾンの舞台やテキスタイル/ファッション・デザイナーのヨーガン・レールのファッション・ショーや石井聰亙監督の映画『シャッフル』の音楽を担当した経緯などが記されている。 巻上の幼少期〜高校時代〜東京キッドブラザースのロンドン公演、その時に誘われてルミエール&サン(ロンドンのアンダーグラウンド劇団)の舞台参加、ミスタースリムカンパニー〜自身の劇団ユリシーズの活動やその公演の概略などを掲載、また大森一樹監督の映画『風の歌を聴け』に俳優として参加した経緯も。巻末には野田秀樹との対談を掲載。 タイトルは、巻上公一がこの時点で全く新たな価値観の獲得に向けて突き進むイメージを言語化したものと思われる。