Memories of Ryu Murakami
作家の村上龍が2026年10月17日に逝去、74歳だった。 村上龍の本は今は家に一冊も残っていないのだけれど、それでも初期の作品には随分と影響を受けたのは間違いない。最初に読んだのは『コインロッカー・ベイビーズ』だったと思う。上下巻で刊行された単行本で読んだ。作品の発表当時、度々世間を騒がせたコインロッカーに遺棄された赤ん坊…。小説では遺棄されながらも生き延びた2人の物語。細かい内容は忘れたけど、読んだ時の衝撃は覚えている。 1980年刊行時から『コインロッカー・ベイビーズ』に魅せられた映画監督の石井聰亙が1984年〜1985年にかけて映画化権獲得に乗り出すも権利はキティフィルム社長・多賀英典にあり、さらに多賀社長自らこの作品を撮りたいという希望をもっており、石井はやむなく映画化を断念したという。石井聰亙いわく“鉄の箱に捨てられて、奇跡的に蘇生して、自分たちを生み、捨てた街・都市に対して破壊衝動を持つというのは、俺にとっては一種のバイブル”、“なんといってもタイトルがカッコよかったですね。「コインロッカー・ベイビーズ」−この響きだけでも「負けたぜ!」って感じでしたね”と語っている(『石井聰亙作品集 DVD-BOX II 〜PSYCHEDELIC YEARS〜』ブックレットより)。これ読んだ時は残念だなぁと思った。あの当時(『逆噴射家族』終了後)の石井聰亙が映画化したらどんな映画になったのか、石井聰亙がとるべき映画だったと思うが、観たかったなぁ。 『限りなく透明に近いブルー』、この単行本の表紙装丁好きだったな。これも内容はあまり覚えてないのだけれど、果物は腐っている時がいちばん甘い匂いがする、とかそんなニュアンスの描写を覚えてる。あと日比谷野音に金を払わず塀か垣根を乗り越えて忍び込むシーンとか。第二作『海の向こうで戦争が始まる』、破壊を待望するといった気分が幻想的に描かれてた。この単行本の装丁も気に入ってた。『だいじょうぶマイフレンド』はコメディタッチで村上龍監督で映画化され主題歌もヒットしたと思う。続いて『テニスボーイの憂鬱』、この作品には“快楽を追い求めるのは良い事”、“快楽=善”というテーマがあったと思う。初期3作でアウトサイダーを描いていた視点との変化を感じた。『愛と幻想のファシズム』、タイトルがいいよね。ゲッペルスの影響下で大衆操作していく様が印象に残ったな...