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私の放浪音楽史 Vol.1 葡萄畑『がきデカ 恐怖のこまわり君』

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1975年ポリドールからリリースのシングル。 私の音楽遍歴を振り返る超個人的シリーズ、“私の放浪音楽史”。まぁ、どうでもいい内容だと思うけど…。 音楽遍歴といっても、小さい頃買った(買ってもらった)ウルトラマンとか仮面ライダーとか何とかロボとか宇宙戦艦なんとかの音楽レコードやセリフが入ってるソノシートやレコードは外して思い出してみると、たぶん、このシングルレコードが最初に自分で買ったロック系のレコードではないだろうか。 小学生のころは多いと思うけど私は漫画好きで、特に石森章太郎のコミックを集めていた。近くの本屋に無いときは自転車に乗ってかなり遠くの本屋まで買いに行ってた。今はもう手元には無いけど『番長惑星』や『竜神沼』、『アガルタ』なんか特に好きだった。もちろん『009』も。周りの友人達も漫画好きが結構いて手塚治虫やジョージ秋山、横山光輝、永井豪なんかの作品も結構読んだ。 ただ同時代的に出てきた山上たつひこの『がきデカ』は衝撃的で、登場するナンセンスなギャグやキメのポーズ、エロというか下ネタのたぐいは、すっかり全国の子供を虜にしてしまった。私も虜になり、たぶん途中まではコミックを買っていたと思う。それで好きが高じてこんなレコードまで買ってしまっていた。近所の本とレコードを売っていた本屋で自分で金(500円)を払って買った記憶は確かにある。名前は思い出せないけどその本屋も今はもう無い。ついでに言うとうちの近所で3~4軒位あったレコード屋は今はすべて無くなった。 それで漫画好きの少年が葡萄畑の「がきデカ 恐怖のこまわり君 c/w スジ子のブルース」を聴いてどう思ったのか。あたりまえだけど葡萄畑のレコードが欲しかったのではなく、がきデカのレコードを買ったのだ。何を期待していたのだろう…。漫画と同じくらいの面白さを期待したのだろうか。漫画という音のない世界のこまわり君を音にするとどうなるのかに興味があったのだろうか。 こまわり君のギャグ “んが~” で始まり、エレキ・ギターのリフにのせて歌われるこまわり君のやや説明的な歌詞は山上たつひこが作詞したもの。途中にはさまる “こども電話相談室” のマネ部分が面白い(当時ラジオでやってた番組、今この曲を聴いてわかる人がどれだけいるのだろうか…)ノヴェルティ・ソングというかコミック・ソング。たぶん、聴いた当時は “ふ~ん、こんなものか...

みうらじゅん『アイデン&ティティ 24歳/27歳 』

最近はコミック(マンガ)もめっきり読まなくなったし、自分で買うこともなくなった。 私がマンガをよく読んでいた頃にくらべて作家の数も増えたし、どの作品が面白いのか全然わからない。 友人に借りて読むくらいで、この『アイデン&ティティ』もその一冊。 本書は「アイデン&ティティ」と「マリッジ」という二部構成になっている。 みうらじゅんというのもボブ・ディラン好き(コレクター)の絵書きというのを知ってるだけで、 マンガも出してるんだという感じだったのだが、薦められて読んでみたらすごく面白かった。 バンド・ブーム真最中(1988年頃?)にデビューした”SPEED WAY”というバンドのギタリスト中島が主人公。 SPEED WAYはお手軽にでっち上げたバンドで、ブームにのりメジャーデビューし人気者になっていったが、 ある日中島のアパートにハーモニカホルダーをつけて、ギターを持ったボブ・ディランが “今夜泊めてくれないか”といって訪ねてきたところから、中島は自分のやりたい音楽(=ロック)と、 現在の自分の演奏している音楽のギャップに苦しむようになる。ちなみにディランは中島にしか見えないし、 コンサート会場や飲み屋や彼女の部屋などどこにでも現れる。 自分の表現したいことと、売れる/売れないというレベルでのギャップ、バンドと社会の関係に苦しんだり、ファンの女の子や、 自分を支えてくれる女性との関係に悩んだりしているところへ、 ディランは「I Threw It All Away」や「Like A Rolling Stone」、「It's All Over Now Baby Blue」、「Buckets Of Rain」 といった歌を歌いながら現れ、中島の心の奥底に潜んでいるロックや生きていく事に対するピュアな感情を刺激する。 中島は次第に自分の内面から沸き起こる思いを周囲に向けて主張していくことにより、多くの物を失っていく。 しかし自分で歌い始める事によって未来に光を見い出すところで第一部が終わる。  第二部は友人の結婚式場にジョンとヨーコが現れる所から始まる。もちろん、中島にしか見えない。 第一部に続きバンドの方向性や自らの表現への苦悩が描かれているが、第二部は愛がテーマとなっているようだ。 遠く離れてしまった恋人への想いと身近にいる女性への欲情。さらに内面を見つめる中島にジョ...