じゃじゅうか「Why…!?」
前作リリースから約2年半ぶりの新作。ヴォーカル&ギター・ヒノケン、ドラム・マルに、日本脳炎の元メンバー、ギター・パティ、ベース・130(ヘルプらしい)が加わりメンツは最強に。私的に思うのはROCK'N' ROLL GYPSIES化したな…。バンド名の表記はひらがなの“じゃじゅうか”にあらためられた(ロゴの感じから思うに暗黒大陸じゃがたらの南蛮渡来の影響あり)。予算の関係なのか、プラケースやジャケットもなく、CD収納袋にCDを入れて曲名表記のシールを貼ってあるだけの簡素な作り。作詞作曲者名も、メンバーや録音クレジットも、もちろん歌詞を印刷したカードも付属していない。まぁ大方のインフォメージョンはネットから得られるということか…。私は通販で購入したが思わず購入先にジャケットはないのかと連絡したくなった。うーん、これでいいのかと思ったが、そんな些末な事はCDプレイヤーのプレイ・スイッチを押すまでの事だ。これだよ、これ。パティのポップなギターとヒノケンのブルージーなギターの絡み。キレとパワーのあるリズム隊、ヒノケンのヴォーカルにはロックンロールの魂が宿っている。今回はアルバムということで、これまで発表してきた曲も新たにレコーディングして収録されている。
収録曲は、
1. Howlin'
2. Frustration Army
3. Particular Girl
4. 真夜中のシークレット
5. 100%の退屈
6. Why...!?
7. 僕と悪魔のブルーズ
8. サヨナラベイビー
8. サヨナラベイビー
1はTHE BACILLUS BRAINSのアルバム『祭り囃子が聴こえる』に「Hellhound」として、Jajoukaの1stシングル「Hellhound On My Trail」として収録、Jajoukaの2ndシングルにもボーナストラック収録されていた曲の再録。
4はJajoukaの3rdシングルに収録曲の再録。5は日本脳炎のアルバム『香港カフェ』やTHE BACILLUS BRAINSのアルバム『電撃都市通信』収録曲の再録。7はJajoukaの1stシングルやJajoukaの3rdシングルに収録曲の再録。8はTHE BACILLUS BRAINSのアルバム『祭り囃子が聴こえる』に「サヨナラベイベー」として収録されていた曲の再録。
とりあげた「Why…!?」は、ファンキーでちょっとじゃがたらやイアン・デューリーを彷彿とさせるナンバー。バシッと決まったドラムと130のベースラインが聴きどころ。工夫されたバッキング・ギターもいい。もう少し長尺にして聴いていたいと思わせる高揚感のある曲だ。怪しい世の中にWhy!?、なにがなんでもRock'n'Roll。
“たった今から 俺たちの時間だ
やりたいことはBABY ひとつだけさ
なにがなんでもどうして そう!ROCKすること
とにかく今からこいつで STRAIGHT TO HEAVEN
けど、どうなってんだいったい!?
どうなってんだいったい!?
だから DANCE DANCE DANCE DANCE DANCE”
Jajoukaの結成から現在までの困難な年月を歌いこんだような最悪に慣れ過ぎた男を歌う「Frustration Army」、 君は特別さ「Particular Gril」どちらもポップな曲。再録では「Hellhound」は、あらためて聴いてみて頭脳警察「戦慄のプレリュード」に通じるものがあるなぁ、と感じた。 80'sな感じを付け加えた感のある「真夜中のシークレット」、燃える名曲「100%の退屈」、「僕と悪魔のブルーズ」は、スライドギターにキラキラしたポップなギターを絡めたニュー・スタイルのブルーズ・ナンバーになったと思う。「サヨナラベイビー」はストレートなビートにシンプルなベースライン、ギターのストロークとアルペジオを散りばめたアレンジに変わり、アルバムのラストを飾るに相応しい。じゃじゅうか史上最強のメンツ。PLAY IT LOUD!な一枚だ。これからも期待したい。