OMNIBUS a Go Go Vol.19『IMPOSSIBLES!』
1980年代日本のロック再評価ということもあって、2000年代に入り作られた様々な80'sコンピレーションのうちの1枚。『REBEL STREET』シリーズから続くジャパニーズ・パンク・ニューウェイブ・コンピの歴史を持つ徳間ジャパンから2002年にリリースされたコンピレーションで、監修は“いぬん堂”。収録されたアーティストも徳間・WAXに限らず選ばれている。
平沢進プロデュースで1982年に徳間音工からリリースされた足立真理と折茂昌美のユニット、SHAMPOOのデビューシングルB面曲「ストック」収録がうれしい。シュールかつテクノかつパンキーな曲だ。アーント・サリー「ローレライ」は1974年4月30日京大西部講堂のライブで 『LIVE 1978-1979』リリース時のディスクユニオン限定特典カセットから。フールズ「わけなんかないさ」は80'sコンピなのに収録時期は1990年12月だが名古屋ハックフィンの未発表ライブテープからで、パブロッキンなバッキング・ギター&グルーヴィーな演奏に痺れる。ヤプーズ「フリートーキング」(ハルメンズのカバー)はクラブチッタ川崎1988年12月2日のライブテープから収録。
他には近田春夫、野元貴子(ガールズ/Pinups)等のGATE BALLによるキンクスのカバー「You Really Got Me」には脱力。突然ダンボール「くそまみれ」は突段の3枚組アルバム『アイ・ラブ・ラブ』(OZ Discリリース)で初めて聴いた時は突段にもこんなパンクチューンがあるのか、とびっくりした。久保田真吾、泉水敏郎、ブラボー小松等のバンドMUSCLE BEATによる8 1/2のリメイク「暗いところへ」(『東京ニュー・ウェイブ '79』に8 1/2のライブ・トラックが収録されていた)は、グラム!で “ゲットイットオン” な仕上がり。
SHAMPOOは今も折茂昌美がKCという男性と共に活動を続けており、2011年5月にはアルバム『BLIZZARD DRIVE』がリリース。SHAMPOO HP
この後もテイチク系インペリアルからは雑誌DOLLの相川和義監修でCD4枚組『Get The Punk』(2003年)、ビクターからはCD2枚組で『爆裂!ニュー・ウェイヴ1980』(2006年)など80'sジャパニーズ・パンク・ニューウェイヴ・コンピレーションがリリースされている。