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大江慎也「GO FOR THE PARTY」

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2006年3月発表のアルバム『The Greatest Music』より。 1990年末以降の長いブランクのあと大江慎也は、2003年6月下北沢Club251でのRock'n' Roll Gypsiesライブへのサプライズ・ゲスト出演、 UNとしてのライブ活動と2004年7月ルースターズ・オリジナルメンバーでのフジロック出演、2004年10月UNのアルバムリリースを経て ついにソロアルバムをリリースした。 大江慎也名義としてはOnesを従え1990年5月にリリースされた『Will Power』から実に16年ぶりとなる。 録音メンバーは池畑潤二、花田裕之、井上富雄。 タメの効いた花田のギター、井上のランニングベース、池畑の木屑の飛び散るのが目に浮かぶハイハットの音、 ざらっとした音の感触は、やはりこの4人だからこそ作り出せるものだ。 UNのアルバムのような唸り、叫ぶような大江のボーカルは抑えられていて聴きやすい。 雑誌のインタビューなどで大江は“初めてのソロアルバム”と言ってこれまでのソロアルバムを否定していたが、楽曲によってはこれまでのソロアルバム を思い起こさせる曲もある。 が、やはり演奏メンバーが違うだけあり、大江が歌っているという以外にも聴き所は作られている。 “明日また会えたら会えるくらいの それくらいがいい” という歌詩がでてくる「Go For The Party」がいい。 走り抜けたルースターズの日々、自分達の作り出す音楽への絶対的な自信、 そして伝説を背負い、“Living Legend”と呼ばれた大江に“世界と宇宙が俺の足元にひざまずく”という思いを抱いた日もあっただろうか。 そんな苦しい夢から覚め、ロックンロールの気軽さ、ギター持ったら出来ちまった、バンドで音出して録音しちまった。という感じの曲が実に爽快だ。 練りに練られて作られた、というアルバムではないが、「Go For The Party」の先の歌詩や“笑って過ごせよ今日くらい”、 「何処へ行こうか」の“気がついたらそこにいた位の そんな所があったら行くけれど”、 「Stay With You」の“今日を楽しく過ごそう 笑って過ごすなんて なんて楽しいだろう” といった歌詩に現れている‘気楽さ’がこのアルバムのムードを作り、製作の原点になっているように思う。