THE CLASH「BANKROBBER」
2006年12月発表の19枚組ボックス『The Singles '77-'85』より。 (オリジナルは1980年8月発表) シングルボックスがリリースされて、聴きながらクラッシュのシングル曲ではどれが一番気に入ってるかな、と考えてみたところ、 はっきり言って選べない(まぁ選ぶ必要も無いんだけど)が、あえて選ぶとすれば...。 「I Fought The Law」、映画『ルードボーイ』のステージシーンも最高だし…でもカバー曲じゃないのを選ぶか…。 オリジナル曲で、というとこれまた迷うところだが、「ロック・ザ・カスバ」、「トミーガン」、「ロンドンコーリング」、「7人の偉人」…うぅ選べない。アルバムからのカットじゃないのにしようか…。 シングルリリースのみというと、「Complete Control」もいいし「ハマースミス宮殿の白人」も…んー、えぃ!「バンクロバー」だ。 雑誌「THE DIG」ムック本Special Editonの中でチバユウスケも語っていたが、私にとってもレゲエ、ダブ、スカというものを意識したのはクラッシュの「ハマースミス宮殿~」や「アルマゲドン・タイム」、 10インチに収録されていた「Kick It Over~Justice Tonight」、アルバム『London Calling』なんかを聴いてからだ。もちろんレゲエやダブについて詳しくは無かったが、「バンクロバー」を聴いた時には、レゲエのサウンドっていうのは気持ちいいものなんだなって思ったのを憶えている。 イントロのドラムフィル、太いベース音とキレのいいギターカッティング、 続く掠れたジョーストラマーの“My daddy was a bankrobber…”と歌う声。強盗の哀れな末路を歌っているわけじゃないから、なるほどCBSが発売を渋ったのも分からないでもないが、 生きていく上での貧富や労働、反抗、アウトローといった内容が歌い込まれているこの曲は痛快だ。そのストーリーはまるで短編映画を観たような気にさせる。 歌詞の内容、レゲエのリズム、プロモビデオのジョーの歌い方なんかも含めて、海外・国内問わずこの曲に影響されたバンドは多いのでは。