THE PALE FOUNTAINS「(THERE'S ALWAYS) SOMETHING ON MY MIND」
1998年発表の『Longshot For Your Love』より。 ペイル・ファウンテンズを最初に聴いたのはFMで流れていた「Beyond Fridays Field(邦題:金曜日は別れのとき)」だった。トランペットが“パーパー”と鳴って、当時アズテック・カメラやザ・スミスを聴いていた耳には、少しシャープさに欠けるな、などと思ったものだ。 その良さが解ったのはかなり後のこと。このグループのソフト・ロック、ジャズ、ボサノヴァやバカラック、ジョン・バリー等を吸収したサウンドは本当に独特の味わいがある素晴らしいものだ。 が、それが理解できるのはそのあたりの音楽を聴くようになってからだった。 その多彩なアレンジ、リズムに驚き、ペイル・ファウンテンズに対する考えを改めることになる。 「(There's Always) Something On My Mind」は1982年の夏にオペレーション・トワイライトからリリースされたデビュー・シングル「Jsut A Girl」のカップリング曲。 後のアルバム『Pacific Street』収録とは異なるシングル・バージョンだ。シックな印象のアルバム・バージョンも良いが、このシングル・バージョンは、アコースティックギター、ストリングス、ピアノ、ラテンパーカッションが混ざりあった、少し未整理ながらも瑞々しい素敵な仕上がりのサウンドに 自己存在の不安と焦り(そう、若き日々には常につきまとうものだ)が歌われる。 歌のつなぎにフィルが入るが、ほぼドラムはリムショット。スネアを叩くのは間奏部で、鮮烈な弦の響き~トランペットがソロをとる素晴らしい間奏 を盛り上げている。後にこの曲のリミックス・バージョンが「Thank You」の12インチに収録された。 こちらは歌、各楽器のバランスが整理され、すっきりした仕上がり。 間奏後半部にピアノが付け加えられ、さらにドラマチックになった。 『Longshot For Your Love』はドイツのレーベルMarinaからリリースされた編集盤で、ファーストシングル曲やBBC音源、コンピレーション収録曲などが集められている。名盤『Pacific Street』や2枚目でラストとなるアルバム『...From Across The Kitchen Table』を補完するものだ。 シークレット・トラックで「