2017年12月1日、soapland recordsよりリリースのアルバム『NAGARE 2017 at GALLERY SOAP』より。 GALLERY SOAPは1997年5月北九州市小倉北区にオープン。2017年4月からは“GALLERY SOAP 20th ANNIVERSARY”として20周年を記念するさまざまなイベントが開催された。2017年6月18日には“花田裕之アコースティックライブ 流れ”が開催され、この時の模様を収録したCDがリリースされた。 PYGの「花・太陽・雨」、“シーナの曲を…”と言って歌い始めるシーナ&ロケッツの「TRAIN TRAIN」、サンハウスの「魅惑の宵」といったカヴァー、ルースターズのラストアルバムから「LADY COOL」と「鉄橋の下で」、 ロックンロール・ジプシーズが2016年に発表した4作目から「あきれるくらい」と「空っぽの街から」、band HANADAが昨年リリースした『ROADSIDE』から「遠くまで」、「ガラガラ ゴロゴロ」、「あの頃さ」と新旧交えて10曲が収録されている。 取り上げたのは「あの頃さ」。 band HANADAの傑作スタジオアルバム『ROADSIDE』に収録されていた曲の弾き語り。このライヴ・アルバムではラストに収録されている。 バンド・ヴァージョンもいいが、この歌とギターとハーモニカのみのライヴ・ヴァージョンも新鮮な魅力がある。深みを増した歌声、語尾には風景と心情が漂う。 ライヴの収録は6月だが今、冬の終りに聴くとまた味わい深い。 “ガキの頃にはぐれた夢 あの森に探しに行こうか 久しぶりに 冬枯れのあぜ道の上に 置いてきたままの気分のかけらを 忘れることなんて出来ないから どんなにオレが変わっても 変わらない どんなにオレが変わっても 変わらない あの頃さ” 誰の心にも残っている風景の中で感じた気持ちをうまく歌に込めていると思う。 年をとったとしても、この先も変わることのない、あの頃。忘れないからいつでも探しに行けるし、久しぶりでも必ず見つかる。 このライヴでは付け足された歌詞が歌われている。 “どんなにこの世が変わっても どんなにおまえが変わっても 変わらない あの頃さ” それに、なんといってもCDジャケットのギルドを抱えた穏やかな表情の花田が凄くいいんだ。