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『ユリイカ 2025年4月号*特集デヴィッド・リンチ 1964-2025』

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2025年4月、青土社刊 雑誌ユリイカで先日亡くなったデイヴィッド・リンチの特集。 特集のトップは2018年に『ニューヨーク・マガジン』に掲載された11ページのインタビュー。リンチの自伝/伝記『夢見る部屋』が出版されたタイミングでのインタビューでリンチの正直さが伝わる。“作品を作っていなかったら刑務所行きになっていましたか?”という意味の質問に対するリンチの答えなど、このインタビューは非常に興味深い内容だった。 他には、映画監督の山中瑤子(『ナミビアの砂漠』など)や、文筆、文学、文化、映画批評、哲学、精神病理、の専門家によるリンチ映画の批評、考察、分析…。まぁこの雑誌は“詩と批評”だからというのもあるけど、ややアカデミックに過ぎるか。特に『ロスト・ハイウェイ』、『マルホランド・ドライブ』、『インランド・エンパイア』(LA三部作というらしい)に対しての言及が多い気がする(このあたりをリアルタイムで観た評者が多いのかもしれない)。なんというかリンチ映画を人に見立て繰り返し繰り返し精神分析をおこなっている感じ。こういう内容も嫌いじゃないけど、量的にちょっと多いかな…思い出話だけでも物足りないと感じるだろうけど。 鷲谷花「デヴィッド・リンチの拡張されたメロドラマ」や、アンジェロ・バダラメンティの音の低速化・低音化などについて記載した荒川徹「ミュージックビデオ映画としてのデヴィッド・リンチ」などが興味深く読めた。