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東京60WATTS「ウイスキーバーブルース」

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2004年3月発表のアルバム『Watts! Going On』より。 仕事の帰り、夜の国道を車で走っていたら、ラジオからなかなか渋い曲が流れてきた。 ギターのアルペジオにのせて“ウイスキーを一杯飲っていかないか”なんて歌われている。 その頃家に帰ってはウイスキーのロックをちびちびと飲んでいた私は、飲んだくれが集まるそのバーがいかに感じが良くて、いかに居心地が良いかを訴える歌詞に、 これは愉快な曲だなぁと思って聴いていたのだが、曲の後半に「ラフロイグ」好きで悲しい身の上の女が登場することにより表情を変える。 ちょっといきなりって感じもする展開だけど、この曲の主題でもあるのだろう。 ボーカルの大川たけしのユーモラスで脱力気味の歌声も堅苦しくなくていい。 東京60WATTSはこのアルバムでメジャーデビューした5人組。 確かな演奏力で(ピアノがいい味)、この曲の他にも面白い曲が並んでいる。

友部正人「地球のいちばんはげた場所」

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1988年発表のライブ・アルバム『はじめぼくはひとりだった』より。 私は最初、この歌になにか凄く広大な砂漠や荒地、例えばネバダとかグランドキャニオンとかエアーズロックとか(全部行ったことないけど)、 そういうイメージを持っていて、さらに政府の影のような男に彼女を誘拐されてしまうという、いささか荒唐無稽な内容だ、などと考えていたのだった。 ある時この歌の内容の話をしていたら、もっと小さな、日本のアパートや、二人じゃ狭く感じる台所があるような部屋が舞台なんじゃないかと思えてきたのだった。 彼女と共に夢を見、愛を交わした部屋が、“ぼく”に代わる新しい男の登場によって、この地球上でいちばん“はげた”場所に変わってしまう。 それは身近で、とてもせつなく、悲しい歌だった。 このアルバムは1988年9月27日に有楽町よみうりホールで行われたデビュー15周年記念コンサートを収録したもので、40曲程演奏された中から 27曲が選ばれている。「地球のいちばんはげた場所」はこのCDで初めて盤に収録された曲で、 ここでは松竹谷清(トマトス)のアコースティク・ギターをバックに歌われた。 それにしてもなんという思い込みをしていたのだろう...。