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2月, 2019の投稿を表示しています

映画『BLADE RUNNER 2049』

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映画『ブレードランナー2049』をレンタルのブルーレイで観賞。続編は観たくないなぁと思っていたんだが、今のブレードランナーな気分で興味津々借りてきた。 この映画と共に観ておいた方がいいのが、ネットで公開されている3本のショート・フィルム。 『ブレードランナー ブラックアウト2022』(アニメーション・渡辺信一郎監督) 『2036:ネクサス・ドーン』(ルーク・スコット監督) 『2048:ノーウェア・トゥ・ラン』(ルーク・スコット監督) どれも本編『ブレードランナー2049』の世界の背景を理解するのに役立つもので、『ブラックアウト2022』は大停電というレプリカント禁止法のきっかけとなった大事件の、『ネクサス・ドーン』はレプリカント製造再開の、『ノーウェア・トゥ・ラン』は本編冒頭に登場するサッパー・モートンについての、興味深い内容を持っている。 で、本編『ブレードランナー2049』はどうだったかというと、屈折した言い方だが、“ブレードランナーの続編”というこだわりを捨てて観れば、良く出来た映画だと思う。 個人的にはハリソン・フォードとショーン・ヤングは出演しなくてもよかったと思う。特にウォレス社内部でのシーンは脱力した。このあたりのエピソードは他の方法でうまく処理できたんじゃないかなぁ。あとなんだか警察内部は杜撰で、重大な発見の処置を警部補の一存であっさり決定したり、貴重な発見の証拠を簡単に持って行かれたりとアウトオブコントロールな状況でがっかりな描き方。 まぁ映像は綺麗だし、ストーリーもキリストの生誕や旧約聖書といった宗教的要素を絡め、 木馬を象徴的に使用したり、ウラジーミル・ナボコフの『青白い炎』の引用というインテリジェントな仕掛けなど、なかなか深読みの出来る内容になっている。前作がハードボイルドなムードだったが、続編はヴァーチャルな恋人との絡みがソフトな印象もあり。 右上の表紙は『ブレードランナー2049』公開された2017年に洋泉社から出版された別冊映画秘宝『ブレードランナー究極読本』。

映画『BLADE RUNNER』Blu-ray Disc

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『ブレードランナー』(1982年)のブルーレイが九百円代で買えるのか…。 私が初めてこの作品を観たのはテレビ放映だったか。それともレンタルビデオ店で借りたのか。覚えてないな。それにしても初期のレンタル代は幾らだったんだっけ?このブルーレイはオリジナル劇場版、インターナショナル劇場版、ディレクターズカット版の3ヴァージョンを観ることができる。ということで、ついポチッと。 たぶん1992年のディレクターズカット版を観て以来かな、この作品を観るのは。オープニングの空撮シーン。素晴らしい。全く色褪せることがないな。ヴァンゲリスの音楽とともに。それにこの作品の設定は2019年11月なんだ…。今年だよ。 冒頭でデッカードが屋台で食事をするシーン“2つで充分ですよ” 何が2つなのか、やはり今観てもわからないんで、ネットで探してみる。どうやら町山智浩の本に説明があるらしい。この本面白そうなんで本屋で購入。『映画の見方がわかる本 ブレードランナーの未来世紀』なるほどそういうことなのか。ワークプリント版には映像があるんだ。まぁYouTubeに動画はあるけどね。観たいなぁワークプリント版。また買うのか…。 柄(というか棒の部分)が光る傘が映画に出てるけど、この傘は売ってたりするのだろうか、と探してみるとあるんだ…すげえ。

加藤和彦&サディスティック・ミカ・バンド『1974ワンステップ・フェスティバル』

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2018年11月28日、Super Fuji Discsよりリリースのライヴ・アルバム。 先に紹介した四人囃子と同時にリリースされたサディステック・ミカ・バンドのワンステップ・フェスティバルに於けるライヴ演奏の全曲を収録したアルバムで、2017年12月にリリースされた『1974郡山ワンステップフェスティバル永久保存盤21枚組ボックス』からの単品販売となった。全7曲、収録時間およそ35分と短めだが、発掘音源としては各楽器のバランスも良くエキサイティングなステージをコンパクトに堪能出来る。 CDが加藤和彦&サディステック・ミカ・バンド名義なのは、ワンステップ出演時のアーティスト名が加藤和彦とサディステック・ミカバンドだったからか。やはり当時としてはサディスティック・ミカ・バンドって名前だけより、世間的には加藤和彦の名が通っていたのだろう。 メンバーは、加藤和彦、ミカ、高中正義、小原礼、今井裕、高橋幸宏という最強ラインナップ。このメンツで制作したアルバム『黒船』は1974年5月の時点でレコーディングを完了、1974年11月にリリースされるが、そのアルバムからは「塀までひとっとび」、「タイムマシンにおねがい」が演奏されている。 ファースト・アルバムからは「影絵小屋」、「ピクニック・ブギ」、「ダンス・ハ・スンダ」が演奏されているが、キーボードが入ったこともあり、いずれもライヴならではのドライヴ感が増してカッコいい仕上がり。 その他、カヴァーアルバムとして1974年頃計画され幻に終わったアルバム『駅前旅館』の収録候補だった高峰秀子「銀座カンカン娘」のカヴァー。なんでも当時この曲の使用許可が下りなかった為計画は頓挫したという。コーラスのアレンジも面白く、ブギウギ・ピアノ、ミカのヴォーカルもハマった名カヴァーだ。小原礼のペンによる未発表曲だった「ロックンロールバンド」はラテンムードのある、インプロビゼーション・パートの多いおよそ12分に及ぶ長尺曲で各プレイヤーの面目躍如。 ミカ・バンドはワンステップ・フェスティバルの最終日、ヨーコ・オノ・ウィズ・プラスティック・オノ・スーパー・バンドと同じ1974年8月10日に出演しているが、「タイムマシンにおねがい」の冒頭でミカがヨーコ・オノばりにヴィブラート・シャウトしているのがユニーク。加藤和彦によればワンステップ・フェスは出演するつ

追悼・橋本治

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RIP…橋本治   夜空ようなずいてくれ 砕けたおれの心に やがて訪れるだろう 輝きを返す朝が 悲しみよ ようこそ PANTA「悲しみよようこそ」作詞:中村治雄・橋本治 より

四人囃子『1974ワンステップ・フェスティバル』

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2018年11月28日、Super Fuji Discsよりリリースのライヴ・アルバム。 1974年8月4日~10日に福島県郡山市開成山公園で行われたワンステップ・フェスティバルの8月5日に出演した四人囃子の演奏をほぼ丸ごと収録したCDがリリースされた。四人囃子のワンステップの音源は、これまで2001年にリリースされた『From The Vaults』に「泳ぐなネッシー」と「Cymbaline」が収録され、2017年12月にリリースされた『1974郡山ワンステップフェスティバル永久保存盤21枚組ボックス』に「泳ぐなネッシー」、「Cymbaline」、「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」、「一触即発」が収録されていた。 四人囃子のオフィシャルHPの紹介によると、 “本CDは、フェスティバルの2日目、8月5日のトリに出演した四人囃子の演奏全てを収めたもの。昨年発売した『1974郡山ワンステップフェスティバル永久保存盤21枚組ボックス』に収められたものはエアー録音であったこと、また「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」がごく一部しか収録できなかった、のであるが、新たにミキサーからのラインアウトのテープを発見、そこにはこの日の全貌が収められ、また音質と各楽器のバランスが飛躍的に向上!それを初めてCD化したものである” ということである。 収録曲は、 1.Introduction(未発表のPAライン音源) 2.泳ぐなネッシー(未発表のPAライン音源) 3.Cymbaline 4.Members Introduction(未発表のPAライン音源) 5.空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ(未発表のPAライン音源、欠落パートなし) 6.一触即発(未発表のPAライン音源) 私は『~永久保存盤21枚組ボックス』は入手していないので(高額だったからね…)内容や音質がどうだったかわからないけれど、 今回のCDは奥行きはあまり感じられないものの各楽器の音量のバランスはよく、『From The Vaults』収録の「泳ぐなネッシー」(こちらはオーディエンス録音)と比べるとかなり良くなっている。それにしてもこの曲の中盤でのハイテンションな森園は…。ヘイ・メ〜ン!そしてメンバー紹介での更にハイタイムな森園…。 「Cymbaline」を除き、ライン録音だから当然観客の声や拍手はほぼ無くなっている。「空飛ぶ円盤~」のイントロに一