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OMNIBUS a Go Go Vol.97『HOLIDAY IN THE SUN A Soap Record's Compilation』

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ソープ・レコードのスウェーデン・ポップを集めた日本企画コンピレーションの第2弾で1996年に日本コロムビアからリリースされた。今回もLars Sundhによるアートワーク(傘がモチーフ)が素晴らしい。このコンピは本国ではリリースされなかったようだ。 1曲目ワナダイズの「You And Me Song」でノックアウト。ギター・ポップの最高傑作のひとつ、と言っても良い超名曲。素朴で微笑ましい歌詞を含め、この曲に詰め込まれている全てが素晴らしい。いつ聴いても晴れやかな気持ちになる。ワナダイズは爽快ポップ・チューンをもう一曲「Might Be Stars」を収録。どちらも1994年のアルバム『Be A Girl』から。そしてあと1曲はイギー・ポップのノイジーなカヴァー「I Got A Right」も収録されている。これは1993年のシングル・カップリング曲だった。 ディス・パーフェクト・ディはハード・ポップな「Simply Irresistible」と、この曲のシングル・カップリング「Never Again(acoustic)」 (彼らの3枚目のアルバムに収録されている同曲のアコースティック・ヴァージョン)。エッグストーンはセカンド・アルバムから「The Dog」と1992年の『In Lemon Grove EP』からドリーミーでシニカルな雰囲気「Diesel Smoke」の2曲、シナモンは後にアイランドからリリースされるアルバムに収録される「Heavenly Option」とファースト・アルバムから「Moments」。どちらもフリーダのキュートなボーカルが魅力。 このコンピではワナダイズに負けず気持ちのいいギター・ポップ・チューンを聴かせてくれるポプシクル「Hey Princess」は彼らの1992年テレグラム・レコードからもリリースされていたファーストアルバムから。北欧の老舗レーベル、ウエスト・ファイブ・ファブリケーションからも楽曲をリリースしていたマフロン5はアーシーな雰囲気の「Freewheeling」、ゼップ+ジミヘンといった感じのヘヴィ・チューンのホイップド・クリーム「You And I」、CAMはこの時点の未発表曲で後に彼女のファースト・アルバムに収録される幻想的な「Possible Honey」と1994年のEPから「Pity Me」、デビューしたてだったメ

中西俊夫著『プラスチックスの上昇と下降、そしてメロンの理力・中西俊夫自伝』

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K&Bパブリッシャーズより、2013年7月出版。 1956年生まれ57歳、プラスチックス、メロンの中心メンバーであり、メジャー・フォース・レーベルの設立者でもある中西俊夫の自伝が出版された。英題 " THE RISE AND FALL OF PLASTICS AND MELON, MAJOR FORCE BE WITH YOU " はデヴィッド・ボウイのもじりか。 これを読むと、プラスチックスが佐久間正英を除き素人というかイラストレーター、デザイナー等のクリエイターが遊び半分で結成云々…というものではなく、中西自身かなりの音楽マニアであり、中西に関してはもともとミュージシャン志向だったのだろう。なにしろ中3でグランドファンクの来日公演に行き、エレキ・ギター(グヤトーン製)とアンプとファズを手に入れ、翌年ゼップの来日公演に行き、高校の修学旅行を欠席してデヴィッド・ボウイの来日公演に行くくらいだ。高校卒業後にはセツ・モードセミナーに通いつつ原宿キディ・ランドでメロディ・メーカー、NMEなどの音楽紙や洋書の音楽雑誌を手に入れてたと書いてある。 1976年にはプラスチックスを結成、パーティ・バンドとしてボウイやヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ロキシー・ミュージックなどのカヴァーを演奏していたが、決定的だったのは取材に行ったボウイから「オリジナル曲を作れ」という助言を受けたこととセックス・ピストルズの登場。もちろん色々なところから影響は受けたと思うが、中西はこれからはクラフトワーク+ピストルズという考えになったらしい。 1977年には日本コロムビアのスタジオでデモを録音している。録音されたのは5曲で、この自伝の付属CDに収録されている(今回が初リリース)。収録曲は以下の通り。 「Anti Christmas」 「Digital Watch」 「I Am Plastic」 「Tokyo Banzai」 「Hate」 このデモのプロデューサーは何故か本文中では「山***」と伏字になっているが、2005年のタワーレコード・オンラインの記事 『中西俊夫のニューウェイヴな世界』 で中西は別に隠さず「山下達郎がプロデュースしてる」とコメントしている。 ヴォーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムス、コーラス×3の計8人という初期のバンドサウンドが録音され

OMNIBUS a Go Go Vol.96『NOW I'M HOME The Soap Record's Guide For Young Japanese』

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北欧の音楽といえばアバ、ノルウェーのA-HA、または北欧メタル、それにスカンジナビア・ハードコアなんかが思い浮かぶが、1995年にカーディガンズの「Carnival」がヒットし日本でも大きくブレイクしたのがスウェーデン・ポップ・シーンだった。カーディガンズはストックホルム/トランポリン・レコード、日本で人気のあったもう一つのバンド、クラウドベリー・ジャムはノース・オブ・ノー・サウス、他にもウエスト・サイド・ファブリケーションなどのレーベルがあるが、スウェディッシュ・ポップは多彩でなかなか奥が深いな、と知ったコンピレーションがソープ・レコード(Soap Records)の名曲を集めた傑作コンピ『NOW I'M HOME』だった。日本企画で日本コロムビアから1995年にリリースされた。コンパイルは伊藤英嗣で、本国ソープ・レコードからもリリースされている。 ハード・ドライヴィンなギターとアコースティック・ギターのカッティング、目眩くメロディとアレンジを持ったエッグストーン「Against The Sun』に始まり、ややハードなパワー・ポップのディス・パーフェクト・デイ「I'm In Love」、ビートリッシュでこのコンピで聴いて凄く気に入ったグループのワナダイズの最高にドリーミーな「Things That I Would Love To Have Undone」、キュートな女性ボーカルのシナモンのアコースティックなナンバー「Me As Helen of Troy」(この2曲のつなぎ最高)、UKギター・ポップのフレイバーを感じるセンツの「Your Favourite Records」、スウェディッシュ・ポップを代表する名曲でソープ(当時はスナップ)レコードの最初期のリリースだったエッグストーンの「My Trumpets」、ワナダイズのシングル・カップリング曲でゴー・ビトウィーンズのカバー「Lee Remick」、イージーの「Listen To The Bells」はニュー・オーダー・ライクな哀愁のユーロー・ビート・ナンバー。 エッグストーンの1994年シングル・カップリング曲でガレージな「Anaesthesia」、ディス・パーフェクト・デイのシングル・カップリング曲でレックレス・エリックのカバー「Whole Wide World」、シネイド・オコナーを思わす