OMNIBUS a Go Go Vol.96『NOW I'M HOME The Soap Record's Guide For Young Japanese』

北欧の音楽といえばアバ、ノルウェーのA-HA、または北欧メタル、それにスカンジナビア・ハードコアなんかが思い浮かぶが、1995年にカーディガンズの「Carnival」がヒットし日本でも大きくブレイクしたのがスウェーデン・ポップ・シーンだった。カーディガンズはストックホルム/トランポリン・レコード、日本で人気のあったもう一つのバンド、クラウドベリー・ジャムはノース・オブ・ノー・サウス、他にもウエスト・サイド・ファブリケーションなどのレーベルがあるが、スウェディッシュ・ポップは多彩でなかなか奥が深いな、と知ったコンピレーションがソープ・レコード(Soap Records)の名曲を集めた傑作コンピ『NOW I'M HOME』だった。日本企画で日本コロムビアから1995年にリリースされた。コンパイルは伊藤英嗣で、本国ソープ・レコードからもリリースされている。

ハード・ドライヴィンなギターとアコースティック・ギターのカッティング、目眩くメロディとアレンジを持ったエッグストーン「Against The Sun』に始まり、ややハードなパワー・ポップのディス・パーフェクト・デイ「I'm In Love」、ビートリッシュでこのコンピで聴いて凄く気に入ったグループのワナダイズの最高にドリーミーな「Things That I Would Love To Have Undone」、キュートな女性ボーカルのシナモンのアコースティックなナンバー「Me As Helen of Troy」(この2曲のつなぎ最高)、UKギター・ポップのフレイバーを感じるセンツの「Your Favourite Records」、スウェディッシュ・ポップを代表する名曲でソープ(当時はスナップ)レコードの最初期のリリースだったエッグストーンの「My Trumpets」、ワナダイズのシングル・カップリング曲でゴー・ビトウィーンズのカバー「Lee Remick」、イージーの「Listen To The Bells」はニュー・オーダー・ライクな哀愁のユーロー・ビート・ナンバー。

エッグストーンの1994年シングル・カップリング曲でガレージな「Anaesthesia」、ディス・パーフェクト・デイのシングル・カップリング曲でレックレス・エリックのカバー「Whole Wide World」、シネイド・オコナーを思わす容姿だったCAMの「Heaven's Lost」、このグループもスナップの最初期のリリースだったホイップド・クリームのキャプテン・ビーフハートのカバー「Observatory Crest」、ワナダイズの1994年の傑作アルバム『ビー・ア・ガール』からシングルカットもされたキャッチーな「Love In June」、ラストはディス・パーフェクト・デイのハーモニカや女性ボーカル(Marianne Flynner)、ストリングスを印象的に使用したフォーキーなナンバー「Nothing Lasts」。

8グループ、14曲が収録されているこのコンピレーションは聴きどころが多く、後にここに収録されているほとんどのバンドのオリジナル・アルバムを購入、スウェディッシュ・ポップの森へ入っていくこととなった。Lars Sundhによるアートワーク(石鹸がモチーフ)も素晴らしい。

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