Drop's「未来」
2015年4月22日、STANDING THERE, ROCKS/キングからリリースのシングル『未来』より。 去年の12月に買った『さらば青春』が気に入ってから、それ以前のDrop'sのディスクを集めてUSBに入れて車ではずーっとほぼDrop's。なので待ってました新しいシングル。 “未来”で“春”な新曲ということで、アップテンポでキャッチーなナンバーかなぁと思っていたが、そこは軽~く裏切られ、ぼんやりとした倦怠とふわりとした春風を思わせるミディアム・ナンバー。スプリング・ブルーなジャケットが象徴してるかな。 ドラムのフィルから太い音色のギターが続くイントロ、薄く鳴るオルガン、ベースもフレーズを紡ぎながらしっかりとサウンドを支えている。中野のヴォーカルは丁寧で“ぶらりぶらり”や“じわりじわり”といった繰り返すフレーズを効果的に使っている。繰り返しを多用するのは、毎日(≒未来)が仕事や学校など決まった生活の繰り返し、という意味合いがあるかも。サビの聴き手に問いかけるような“もしもし”というフレーズが耳に残る。漠然とした未来への不安を内包しているが、三拍子というリズムの演出でジャンプアップ、飛び越えるような気配は常に感じられる。アウトロのテンポアップは、躊躇している気配を振り切り一気に駆け出すイメージか。 ただ、まぁこれまで未来という時間を棒に振ってきて、このあと大して未来も残っていないオヤジが聴くよりは、やはり演奏者と同年代が聴く曲だよなぁ。世の多くの若者達にぜひ聴いて欲しい。 カップリングはオールディーズ風でストーリー仕立ての「恋は春色」。 “おろしたての陽ざしが よく似合う白い靴”っていう出だしが上手い。続いてギターの荒谷がゼップに影響を受けリフを作ったという「Purple My Ghost」は打って変わってヘヴィなナンバー。恒例のカヴァーはキャロル・キングの「You've Got A Friend」で、この曲も丁寧なヴォーカルに好感が持てる。出だしがスリリング。ギターのダビングも工夫されていて良い仕上がりだと思う。 サウンド・エンジニアは山口州治。バラエティに富んでいるが、決して散漫ではない。 これからのDrop'sを予感させる。Play it loud!で聴きたいシングルだ。「未来」のMVは、ボタン・ドロップのスケアクロウと中野