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My Wandering MUSIC History Vol.69 サンハウス『ストリート・ノイズ』

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1980年10月、日本コロムビアよりリリースのアルバム。 1980年代前半、サンハウスは既に伝説のバンドで音源が入手困難だったと思う。『有頂天』も『仁輪加』も『DRIVE』も聴いたことがなかった。最初の再結成ライヴが行われ、そのライヴ盤がリリースされた1983年頃にベスト・アルバム『ポイズン』がリリース、そのあたりで再発されたオリジナル・アルバムを聴いたんじゃないかな。 なのでこの未発表曲集という形で1980年にリリースされた『ストリート・ノイズ』が私にとって初めて聴いたサンハウスのレコードだった。たしか友人のKBちゃんに借りたと思う。レコード盤は10インチで縦長のスリーブに入っていた。当時は知らなかったけど1977年春に博多で録音したデモが7曲と1976年のライヴ2曲が収録(雑誌「ロック画報17」より)されている。だから音質はいまひとつ、だけどドライヴ感は抜群って印象だった。 パンキッシュで後に映画『爆裂都市』にも使われるスピード感のある「カラカラ」はレフト側にミックスされている鮎川のギターが強烈なサウンド。ラモーンズ・ライクでこれもパンキーな「キザな奴」と続いて、ミディアムな「悲しき恋の赤信号」、シナロケでも取り上げた「アイ・ラブ・ユー」、シャッフル・ビートの「魅惑の宵」、ブギーな「傷跡のロックンロール」、前回紹介した曲「夜は恋人」、ここまでがギターの篠山が脱退してから、菊・鮎川・奈良・鬼平の4人で録音されたデモ。  ラストの2曲は篠山を含めた5人の録音でブルージーな「ぬすっと」とボ・ビートの「恋をしようよ」。 “すけこまし”というタイトルを変更した(リリース当時は問題だったんだろう)「恋をしようよ」は、まぁ要するに“I Just Want To Make Love To You”で“やりたいだけ”な訳だが、このタイトル変更は、サンハウスから影響を受けたルースターズからのブーメラン現象ともいえる。 私が持っているのは1991年に再発されたCDで、ジャケットに関する詳しい記載は無いんだけど、裏ジャケに“写真:アサヒグラフ(朝日新聞社刊)より” の記載があるが、今回改めてネットで探してみたら、このジャケット、二・二六事件で大渋滞する新橋を写したものだったんだな。 探検コム  写真と証言で綴る「二・二六事件」 の中にこの写真がある。私はこのジャケ、日本じゃない印象を持

サンハウス「夜は恋人」

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2015年11月23日、SON RECORDSからリリースのアルバム『HAKATA』より。 2015年11月28日にシーナのバースディを記念するライヴが博多で開催されることになった。出演はシーナ&ロケッツとサンハウス。そのライブの為にサンハウスの菊・鮎川・篠山・奈良・鬼平というメンバーが2015年10月12日博多・ハートストリングス・スタジオに集まり、リハ―サルを行った。その時のリハーサル音源が2枚組CD化されリリースされた。ライヴ会場と通販のみの販売だが、AMAZONでも取り扱いがあり入手した。歌詞カードや解説書なんかはなくダブルジャケットにCDをそのまま入れた簡素なつくりだが、まぁ廉価盤といことで。 このリハーサルは柴山(菊)が曲名を告げ次々とプレイするというもの。鮎川によれば、1曲目の「爆弾」の途中からスタジオのルーム・サウンドを録音するレコーダーの録音ボタンを押した、ということだ。ラインやミックス卓を使わないルーム・サウンドを録音したものなので音質はそこそこ。でもリハーサル・ライヴの緊張感と醍醐味を感じる事が出来るし、なによりCDを聴いて感じるのは、曲名を告げられ、せーので演奏したとは思えない完成度だ。曲がメンバーそれぞれの体に染み込んでるんだなぁ~と感心してしまう。徐々に菊のヴォーカルがこなれてきて、奈良のベースもグイグイとグルーヴを生み出し、バンドのノリが出てくるのがわかる。 「夜は恋人」は1980年に未発表音源集としてリリースされたアルバム『ストリート・ノイズ』に収録されていたナンバーで、イントロのギターのカッティングから“ほら夜が~”で始まるメロディがスケール感を感じさせる力強いナンバー。歌詞の内容も柴山の世界を簡素に表現したようで面白い。この曲、他のライヴ・アルバムなんかではあまり聴けない曲なんじゃないかな。 HELLO!! SONHOUSEでCDの紹介。 sonhouse 'HAKATA' New2CD 2015/11/23 on sale! プレス・キットや紹介動画もあり。

DAVID BOWIE『LIVE AT TOKYO NHK HALL 1978.12.12 "YOUNG MUSIC SHOW"』

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1978年12月12日、東京NHKホールの公演を収録したNHKの番組「ヤング・ミュージック・ショー」。 ボウイの凛々しくダンディでクールな表情、そしてエキサイティングなヴォーカル。ボウイを支えるメンバーも強力。ギターのエイドリアン・ブリューとキーボードのロジャー・パウエルのトリッキーなプレイ、カーロス・アロマーのキレたカッティング、それにリズム隊もファンキー。音に彩を添えるヴァイオリンにサイモン・ハウス、もう一人のキーボードにシーン・メイズ。 1. Warszawa 2. Heroes 3. Fame 4. Beauty And The Beast 5. Five Years 6. Soul Love 7. Star 8. Hang On To Yourself 9. Ziggy Stardust 10. Suffragette City 11. Station To Station 12. TVC15 蛍光灯を使ったステージが未来的というかスタイリッシュ。時々挿入される訳詞の場所が邪魔だったり、訳がいまいち?な箇所があるがそんなことは無視して必見・充実の内容。 追記:1.17に貼りつけた動画は削除されてしまったので、他の動画を貼りつけ。 これは1978年4月10日ダラス・コンベンション・センターのステージから6曲を収録したアメリカのTV番組が先に流れる。 1. What In The World 2. Blackout 3. Sense of Doubt 4. Speed of Life 5. Hang On To Yourself 6. Ziggy Stardust NHKのヤング・ミュージック・ショーは21分07秒くらいの箇所から。

追悼・DAVID BOWIE「ZIGGY STARDUST」

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ジギーは自らの星に還っていった。 もう戻ることはない。 地球の時間で2016年1月10日のこと。 彼が歌う時は目をしかめ髪を長くたらし、まるで日本から来たクールな男のようだった、という記録がある。 それに彼は日本においては “出火吐暴威” として知られていた。 さようならデイヴィッド。 もう一度『ジギー・スターダスト・アンド・スパイダース・フロム・マーズ』を最初から聴くよ。 Now Ziggy plays guitar…

My Wandering MUSIC History Vol.68 THE ROLLING STONES『STILL LIFE (AMERICAN CONCERT 1981) 』

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1982年6月、ローリング・ストーンズ・レコードよりリリースのライヴ・アルバム。 かつて東京の情報誌で “シティロード” という雑誌があった。私が音楽や映画の情報や流行を(まぁ今よりは)積極的に追っていた80年代~90年代初めにかけて購読していた情報誌だ。そのシティーロードが1982年7月頃の号(もう切り抜きしか残ってないので正確に何月号かわからない)で、ルースターズの大江慎也にインタビューしている。内容は1982年7月4日に千代田公会堂で行うライヴに向けたインタビューだが、この中で大江慎也がこのストーンズのライヴ・アルバム『スティル・ライフ』に言及している。 “ストーンズの一番新しいライヴ・アルバムを聴いてまたびっくりしたんだけど、彼らのライヴでのリズム・アレンジは凄い。例えば「アンダー・マイ・サム」なんかスタジオ盤では座ったリズム、今度のライヴ盤では完全に立ったリズムなんだな” と語り、ライヴに向けてリズム・アレンジの参考にしたいと言っている。 この大江のコメントを読んで、“立ったリズム”かぁ、ルースターズのサウンドはこういう研究から生まれるんだなぁ、なるほどなぁ…などと当時思ったものだ(話が逸れるが、数度にわたる引っ越しの度に処分してしまったので、私が所有しているシティーロードも数冊しか残っていないが、シティーロードに関してはいつか別枠で取り上げてみたいと思っている)。 少し前にこのページに書いたが、1981年頃に『ラヴ・ユー・ライヴ』を聴いてストーンズに興味を持った私は、80年代初頭のスタジオ・アルバム『エモーショナル・レスキュー』(1980年)、『刺青の男』(1981年)は友人か貸しレコード屋から借りて聴いたけれど、それほど聴きこんだっていう程でもなかった。1981年北米ツアーのライヴからセレクトされ1982年にリリースされた『スティル・ライフ』も誰かに借りたと思うが、このアルバムはカセット・テープに録音して繰り返し聴いたお気に入りのライヴ・アルバムだ。 まぁ先の大江のコメントにも少なからず影響されたが、コンパクトな楽曲を並べ、トータルで約40分という聴き易い収録時間、カズ・ヤマザキによるカラフルなヴィジュアルのジャケットも鮮烈な印象だった。 イントロに使われたデューク・エリントンの「Take The A Train(邦題:A列車で行こう)」の軽快なリズム