サンハウス「夜は恋人」
2015年11月28日にシーナのバースディを記念するライヴが博多で開催されることになった。出演はシーナ&ロケッツとサンハウス。そのライブの為にサンハウスの菊・鮎川・篠山・奈良・鬼平というメンバーが2015年10月12日博多・ハートストリングス・スタジオに集まり、リハ―サルを行った。その時のリハーサル音源が2枚組CD化されリリースされた。ライヴ会場と通販のみの販売だが、AMAZONでも取り扱いがあり入手した。歌詞カードや解説書なんかはなくダブルジャケットにCDをそのまま入れた簡素なつくりだが、まぁ廉価盤といことで。
このリハーサルは柴山(菊)が曲名を告げ次々とプレイするというもの。鮎川によれば、1曲目の「爆弾」の途中からスタジオのルーム・サウンドを録音するレコーダーの録音ボタンを押した、ということだ。ラインやミックス卓を使わないルーム・サウンドを録音したものなので音質はそこそこ。でもリハーサル・ライヴの緊張感と醍醐味を感じる事が出来るし、なによりCDを聴いて感じるのは、曲名を告げられ、せーので演奏したとは思えない完成度だ。曲がメンバーそれぞれの体に染み込んでるんだなぁ~と感心してしまう。徐々に菊のヴォーカルがこなれてきて、奈良のベースもグイグイとグルーヴを生み出し、バンドのノリが出てくるのがわかる。
「夜は恋人」は1980年に未発表音源集としてリリースされたアルバム『ストリート・ノイズ』に収録されていたナンバーで、イントロのギターのカッティングから“ほら夜が~”で始まるメロディがスケール感を感じさせる力強いナンバー。歌詞の内容も柴山の世界を簡素に表現したようで面白い。この曲、他のライヴ・アルバムなんかではあまり聴けない曲なんじゃないかな。