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石原洋『formula』

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2020年2月12日、zelone recordsからリリースのアルバム。 White Heaven、The Starsで活動していた石原洋の23年振りのソロアルバムがリリースされた。 録音には、 石原洋:ヴォーカル、ギター、シンセサイザー、キーボード、エフェクト 栗原ミチオ:ギター 北田智裕 :ベース 山本達久:ドラム 中村宗一郎:キーボード というパーソネル。 寝静まった夜にCDを再生…冒頭からゴボゴボゴボゴボと続く不気味な音…。 やがて部屋に喧騒でざわめきたつ街頭というか駅の改札付近が出現した。 人々のざわめき…話し声、笑い声、咳。靴音、券売機からの音、設置されたスピーカーから流れるアナウンス、電車が通り過ぎる音、警笛、発車を知らせる合図、誘導チャイム。バイクの走り去る音。 途切れることなく続くさまざまなストリート・ノイズの隙間から聴こえてくる石原洋たちの演奏と歌声は、微かにと言ってもいいくらいの音量にミックスされている。 収録されているのは、それぞれが約21分の「formula」と「formula reverse」の2曲。 演奏部分を聴いてみると、ゆったりとした浮遊感のある曲から電子音とフィードバック音にギターのストロークを挟みつつ、軽快な楽曲が聴こえるのが「formula」。 ループやエフェクト加工したノイズと演奏がより一体化した部分もありつつ、繰り返すリズムにエレクトリックギターのフレーズが絡む曲から、ミディアムな曲調の演奏へ、さらに性急なリズムを伴った曲に変わる「formula reverse」。こちらの喧騒はどこか店内という雰囲気もある。 この収録されたサウンド全体を聴いていると、都会のありふれた日常のひとコマといった印象を受ける。ありふれた日々への作り手の思い、というのがあるのかもしれない。 ジャケットコンセプトの黄昏(または夜明け)の高圧線と街の風景も美しい。 個人的には演奏のみを聴いてみたかったが、トータルな作品としては面白いと思う。 とても巧妙に作り込まれたBGM、または都市のサウンドトラックと言える興味深い作品だ。 アルバム『formula』トレイラー・ミュージック・ビデオ 石原洋「Rest Stay Relationship」内のブログ formula に新譜告知がある。 部屋で聴いた時はどこか懐かしい記憶の情景のようにも感じたが、車で聴

VARIOUS ARTISTS『都市通信』

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2020年1月29日、カムイレコード/海賊艇Kからリリースのオムニバス・アルバム。 音盤を入手してその音を聴くことはないだろうと思っていたオムニバス・アルバム『都市通信』がCD再発された。 オリジナル・アナログ盤LPは、1980年2月に1,900円という低価格でカムイレコード/海賊艇Kからリリースされたが、やがて通信販売で代金を送ったもののレコードが発送されず、海賊艇Kの代表者が行方をくらますという事態になり、その年のうちに『都市通信』はもっとも入手困難な幻の音盤となってしまう。海賊艇Kはそのまま消滅。音楽を広くリスナーに届けようとしていた収録バンドにとっても残念なことだったと思う。 ミニコミ「Change 2000」Vol.12に掲載された小西昌幸の海賊艇K糾弾記事を読んでいたり、地引雄一著『ストリート・キングダム』に海賊艇Kの活動と消滅についての記載を読んだりしていたから、去年10月にネット上にアップされた、再発を知らせるニュース、海賊艇K代表の謝罪文を読んだ時は驚きだった… 日本の自主制作盤を振り返る時に、いわくつきとして紹介される不幸なレコードの40年後にして驚きの結末…すぐに予約した。 収録されているのは、シンクロナイズ、美れい、NON BAND、螺旋の4バンド。 シンクロナイズのサウンドは初めて聴く。エレポップ的なアレンジ、ベースのフレーズや華やかなシンセが耳に残るが、歌詞やコアな部分にはストレートでストイックな感じをうけるし、ユーモラスな印象もある。「XYZ」、「成分」、「記念碑」の3曲を収録。 岩本きよあき(清顕)と実方ひとみの2人組+リズムボックスという美れいも初めて聴く。楽器のアンサンブルが独特の雰囲気をもった「悲しい町で」、インストの「密林の王者」、躍動する炎を歌う「うつくしく」、シンプルだけどポエティックでユニークな「けだもの」、30秒に満たない短いインスト「夜遅く」、いずれもハンドメイドな5曲を収録。 結成してまもなくのNON BAND、ノンとドラムのケイコ、ギターに野本健司が参加していた時期の録音だ。プリミティヴな衝動と演奏の「Vibration Army」と、都市の孤独をスライスカットしたような「Home」の2曲を収録。 螺旋はシティロッカーからリリースされていた紅蜥蜴のアルバム『けしの華』に付属していたフレキシに収録されていた楽曲を聴