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THE BEATLES「FREE AS A BIRD (2025 MIX)」

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2025年12月3日、ユニバーサルミュージックよりリリースのCDシングル。 2023年にザ・ビートルズ「Now And Then」がリリースされたとき、ジョンのヴォーカルと後付けの演奏の一体感に感心、以前リリースされた「Free As A Bird」と「Real Love」も同様の最新技術デミックスを使用して制作して欲しいなぁと思ったが、その願いは叶えられた。 1995年版と比べてまず気がつくのは、ギターのストロークやアルペジオ、オブリのフレーズが前面に出ていることで、ややベースの音は抑えられたように思う。演奏のバランスを考えるとこれは賛否あるかも。ジョンの歌声は、もともとが自宅で録音したデモテープが素材なので通常のレコーディングとは違って大きな声で歌っているものではない。それをバンドとしてレコーディングされたダイナミックな音圧のある演奏とミックスするのだから違和感を感じるのは否めない。しかし今回ジョンのヴォーカルはよりくっきりと浮かび上がり、自然に演奏に溶け込んでいると思う。 鳥のように自由に 最高とはいかないけどその次に素敵なことさ 鳥のように自由に 無事に終わって 寝ぐらに帰る鳥のように僕は飛ぶ 翼を持つ鳥のように かつて僕たちが慣れ親しんだ暮らしはすっかり変わってしまった 僕たちは本当にバラバラの状態で生きていけるのだろうか どこで触れ合うことを失くしたのだろう あれほど大事に思えたのに つながりはいつも僕には大切なことだったんだ いつも僕が自由を感じていた かつての僕らの暮らしはどうなってしまったんだ 「Free As A Bird」Original Composition by John Lennon カップリングには同様にデミックス技術を使用し、新たにミックスした「Real Love(2025MIX)」。ジョンのヴォーカルはややはっきししたものの、ヴォーカルと演奏との一体感がいまひとつという意味では今回の2025年版でもそれほど改善されていない印象をうける。

私の放浪音楽史 Vol.125 AZTEC CAMERA『KNIFE』

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1984年12月21日、ワーナー・パイオニア/WEAからリリースのアルバム(イギリスでは1984年9月21日リリース)。 アズテック・カメラのスタジオアルバム第2作。プロデュースはマーク・ノップラー(ダイアー・ストレイツ)、メンバーはヴォーカル・ギターのロディ・フレイムの他、 ベース:キャンベル・オーエンス ドラム:デイヴィッド・ラフィー の前作と同じメンバーに、 ギター:マルコム・ロス(オレンジ・ジュース)が参加、 キーボード:ガイ・フレッチャー というメンバーでレコーディングされた。印象的なジャケットのイラストレーションはリンダ・グレイによるもの。ロディ・フレイムはこのアルバムタイトルを「ふたつに分けるものの象徴」と語っているが、このイラストも雨の降っている/降っていない空がナイフで裂かれたように白い部分で分けられている。収録曲にも様々な分離についてが描かれているようだ。  アルバムのオープニングはジャキジャキとしたパワフルなギターのカッティングと、心の情熱を持ち続けようと力強く歌う「Still On Fire」で、シングルとしてリリースされている。 “用心深さのしがらみを打ち破ってくれる全てのものに惹かれる  僕らが立ち上がり、より良い日々へと抜け出そうという時に  それでもこう言う人がいる  貧しい状況から自由になるにはお金が必要だって  ふーむ、それはどこかに転げ落ちた場所から見上げた時の嘘だよね  なぜなら 太陽の光が証明してくれる   炎を絶やさぬために 過ごしたすべての時間は僕たちのものだってことを ” 『Still On Fire』 words by Roddy frame 続いて、 ”僕は誘惑を称えるだろう その栄光も その末路も  だけど僕は空回りして先に進めず、堂々巡り  まるでUSAみたいだ” という歌詞をポップに歌った「Just Like The USA」、しっとりとした曲調で頭脳と心の感情の分離をリリカルに描いた「Head Is Happy(Heart's Insane)」は、歌詞の“You know I'm coming. You know I'm coming. You'll feel me coming like a gun from below”にセク...