Motörhead『Motörhead』

1990年2月21日、テイチクよりリイシュー(JPN)のアルバム。

モーターヘッドはハード・ロック/ヘヴィ・メタルにカテゴライズされているバンドだが、 スラッシュ・メタル、ハードコア・パンク、グランジ/オルタナ系等、後の世代への音楽的な影響は 結構幅広いのではないかと思う。 ベースとボーカルのレミーも自分達を「パンクのスピード、 ヘヴィ・メタルの音量と重量感をミックスしたサウンド」と語っている。 そしてカテゴライズされることについては「俺達はロックンロール・バンドだ」と常々答えている。 ギタリストのエディは 「エリック・クラプトンとジョン・メイオールのプレイを観て宙に浮くほど感激した」と語っていたが、 そのリスペクトの現れがこのカバー曲と言えるのかも知れない。

「I'm Your Witchdoctor」はJohn Mayall & The Bluesbreakersが、 1965年10月にイミディエイトからリリースしたシングル(カップリングは「Telephone Blues」) がオリジナルで、プロデュースはジミー・ペイジだった。 ”俺はおまえの魔術師、おまえに恋の呪文をかける...”といった内容のEvil&Voodooなラブ・ソング。 オリジナルではイントロの”キーン”というオルガンに続いて、 ボーカルとほぼユニゾンでバッキングするクラプトンのギターが妖しいメロディと歌詩を際立たせている。 軽快なドラミングも印象的だ。

モーターヘッドのバージョンは歌詩が少し変更されていて、 パンキッシュなドラムに豪快なカッティングのギターで演奏されるハードなバージョンに仕上がっている。 オルガンが入っていないかわりにレミーのベースが活躍している。 エンディングでのエフェクト処理が 怪しい雰囲気?

このカバー・バージョンは1980年11月にリリースされたEP『The Beer Drinkers EP』で発表されたが、 彼等がチズウィックよりリリースしたファーストアルバム『Motörhead』(1977年)がCD化される際に、 そのEP全曲がボーナス・トラックとして収録されている。 モーターヘッドはこの曲の他にも「The Train Kept A-Rollin'」や「Leaving Here」、 「Louie Louie」、「Please Don't Touch」(Girlshoolとの共演)などのロック・クラシックを取り上げている。

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