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5月, 2005の投稿を表示しています

13TH FLOOR ELEVATORS『THE PSYCHEDELIC SOUND OF 13TH FLOOR ELEVATORS』

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 壁に飾りたいジャケ~Pictures On My Wall~Vol.2 壁飾ジャケの2回目は13フロア・エレヴェイターズ、1966年発表のファースト・アルバム。 サイケ&ガレージなサウンドを包むのは、グレーンとレッドの強烈な色彩の中からこちらを見つめる瞳と、 アイシャドウのように目を縁取るグループ名のサイケデリックな文字、が描かれた眩暈のするようなジャケット。 光の洪水のようなこのジャケットをじっと見ていると、 青い縁取りの黒い瞳になぜかパワーを感じるのは、瞳の中にグリーンのピラミッド(状のハイライト)が描かれているせいか。右上のジャケ写は2005年にCharlyからリイシューされたデジパックCD。 ヒットした「You're Gonna Miss Me」、テレビジョンが取り上げていた「Fire Engine」を含むこのアルバムは、 鳴り止まぬエレクトリック・ジャグがサイケ感を増し、時として粗暴、時としてピュアなロッキー・エリクソンのボーカルと、 よく響くギターが精神に切り込んでくる。 瞳の中に浮かぶもうひとつの目は、13フロア・エレヴェイターズの世界を覗き込んだ私たちの目が映っているのかも。

THE VELVET UNDERGROUND & NICO『THE VELVET UNDERGROUND & NICO』

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壁に飾りたいジャケ~Pictures On My Wall~Vol.1 連続企画、部屋の壁に飾ってみたいレコード・ジャケット、ということで、 やはりこれは外せないという、1967年3月に発表されたヴェルヴェット・アンダーグラウンドのファースト・アルバム。 実際飾ってたし。おかげで白いジャケは少し日焼けしてしまった(パネル枠部分は真っ白のまま)。 アンディ・ウォーホルのペインティングによるバナナをデザインしたジャケットはシールになっていて、 剥がすとピンク色の中身が現れる(剥がしたことはないけど)。 私が持っている1996年にリリースされたリマスター盤CDではトレイの下の部分に皮を剥かれたバナナを見ることが出来る。 シンプルな完成されたジャケットという評価があるが、ピンク色のバナナの中身は見ていると心もとない。 シールとしているからには剥がすことを前提としているのだろうか。 リスナーがバナナの皮を剥くことによって完成されるものであったのか。 ピンク色のバナナが本来のジャケットであると考えていたのだろうか。 剥がしたいという欲望のままバナナの皮を剥くのか、中身を見たいという欲求を押さえ、完成されたデザインの黄色いバナナの皮を見て耐えるのか。 まるで、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドがこのファーストアルバムの中で歌い、演奏した数々の矛盾のようだ。

SWAMP CHILDREN「SAMBA ZIPPY」

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1989年7月発表、KALIMAのベスト・アルバム『Flyaway』より。 パンク・ロック以降、80年代の初め頃から形作られていったイギリスのニュージャズ(ブリティッシュ・ジャズ)・シーンは、 やがてエブリシング・バット・ザ・ガール、シャーデーなどを輩出しヒットを生み出すが、 マンチェスターのファクトリー・レーベルにはスワンプ・チルドレンというバンドが ラテンやボサノヴァ、ジャズを取り入れたサウンドを作っていた。 スワンプ・チルドレンはやがてKALIMAと名前を変えて活動を続け、 このベスト・アルバムは「Samba Zippy」を収録した1982年のスワンプ・チルドレンのアルバム『So Hot』 から1987年のKALIMAのシングル「Weird Feelings」までの間よりセレクトされている。 ジャジーなAnn Quigleyのボーカル曲も魅力的だが、 アルバムの1曲目「Samba Zippy」はパーカッシブなサンバのリズム、跳ねて動き回るベースフレーズに アコースティック・ギターとフルートが重なるニューウェイブ・ジャズとも言えそうなインストゥルメンタル曲で、個人的にはサイケな印象。 調べてみるとスワンプ・チルドレンのアルバム『So Hot』はシングル曲を加え、2004年LTMよりCD化再発されていた。 これは聴いてみないと。

PANTA「氷川丸」

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2005年5月発表のライブ・アルバム『2002 Naked Tour Live at The Doors』より。 2001年の初め頃から歌われていた曲だが、このライブ盤が(待望の)初出となった。 氷川丸は現在、横浜港山下公園に係留され観光スポットとなっているが、1930年に建造された貨客船で、 太平洋戦争が始まってから傷病者を運ぶ病院船として海軍に徴用された。 白く塗られた船体、赤十字の印し、それを照らすライト。あふれる負傷者、病人。あわただしく動き回る軍医、看護人達。休む間もない手当て、手術。 手当ての甲斐なく亡くなった者を弔うために歌われる「海ゆかば」。戦時下で保護された病院船とはいえ常につきまとう危険。 そして、なにもかもを包む、おだやかな深い海。 そんな光景が浮かぶ歌詞に少しのユーモアを加え、速い2拍子にのせて歌われる。 これだけ強烈にイメージを喚起させる歌詞は久しぶりだ。 ギターのストロークが船のスピードを感じさせ、躍動的とも思えるが、ヴァイオリンとピアノの旋律が絡み合う悲しくも美しいアレンジ。 今も海が見つめているのは、繰り返される未来と追加されるだけの過去なのか。