THE MIDDLE CLASS「OUT OF VOUGE」

2008年9月発表の編集盤『Out of Vouge-The Early Material』より。

私がハードコアを聴くようになったのはこのThe Middle Classと日本のSSを知ってからだ。津島秀明監督の映画『ロッカーズ』には1978年末に演奏するSSの映像が収められていて、その速さ、あっという間に演奏が終る短さに唖然とし、その潔さに感動したが、The Middle Classを聴いた時も“Fast!”な演奏に痺れた。

「Out of Vouge」が収められているオリジナル7インチEPレコードも1978年のリリース、最初のハードコア・レコードと言われている。(4曲で約5分!)アメリカのカリフォルニアで、Atta3兄弟と友人のMike Pattonの4人で1977年に結成。2枚の7インチと1枚のコンピレーション参加、1枚のアルバムを残している。
Out of Vouge : EP
Scavenged Luxury : EP
Tooth & Nail : Compilation LP
Homeland : LP

The Middle Classはハードコアに純化せず、唯一のアルバム『Homeland』の時にはニューウェイブ的な音になっている。今回リリースされた『Out of Vouge-The Early Material』は、2枚の7インチ、コンピ収録曲、1stシングル以前に録られたデモを収めたもので、ライナーに記されているようにプロト・ハードコア・マテリアルといった内容だ。既に2枚目のEPから音を変化させているのがわかる。

Sex Pistolsがアメリカで空中分解した年、世界のあちこちで強烈にスピードアップしたパンク・ロックが生まれ出ていた。

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