OMNIBUS a Go Go Vol.10『くっついて安心』

1984年12月にバルコニーからリリースされたオムニバス・アルバム。

チャクラ、キリング・タイムの板倉文プロデュースで、“4バンドを素材にしたエクスペリメンタル・アルバム” ということだ。しかし実験的といっても“小学生のための楽しい実験セット”のたぐいのもの、と付属ブックレットには説明されている。
その“素材”として収録されているのは、
少年ナイフ
サボテン
D-DAY
コクシネル
の4バンド。

インディーズ・シーンではパンク・ハードコアといった強面なバンド達とは対照的に素朴な演奏を楽しませるニューウェイブなバンド(たとえば洋楽だとYOUNG MARBLE GIANTSのような)達も人気を集めていた。ここに集められたバンドも、そういった趣きを持っていると思う。1984年10月~11月にかけてレコーディングされたが、少年ナイフのみ既発音源をリミックスしたようだ。

バルコニーレコードはジャケット、内容、ブックレット、音質も含めトータルに良質なレコードを送り出す事を追求したレーベルといわれたが、これはそのエポック的な作品といえる。
独特の世界観をもったコクシネル、ガールズ・グループの先駆的な少年ナイフ、それに D-DAYのポップでキュートな魅力が楽しめる。“実験セット”的といえるのはサボテンか。 

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