OMNIBUS a Go Go Vol.4『GOZIRA SPECIAL DINNER』

これまた“EDPS Complex” のコンテンツでも紹介しているが、ミラーズ、ミスターカイト等のシングルをリリースしていたゴジラ・レコードのオムニバス・アルバムで、リリースされたシングルから選曲して収録した他、各バンドのライブトラックを収録して1983年8月に発表された。
初期にエンジニアとして関わっていたリザードのモモヨ、数枚のレコーディングで使用されたのは六本木S-Kenスタジオ、後にフリクションに参加するツネマツのシングルリリースなど、東京ロッカーズ総力戦・集大成とも言えるのではないか。

1978年にゴジラ・レコード主宰ヒゴのミラーズのシングルを皮切りに、ミスターカイト、ツネマツマサトシのシングルを、翌1979年には高木完のFLESH、ミラーズの2枚目、ジュネのMARIA023のシングルをリリースした。録音・制作が完全に手作りで、技術・機材も満足できるものとは言えなかった1978年に比べ、1979年リリースのものは音質が格段に良くなっている。 その中でも音質が良くないながら、かえってそれがアンダーグラウンド感を増幅させるミスターカイトの「共犯者」が出色と思う。『東京ロッカーズ』で取り上げたミスターカイトの「EXIT B9」のスタジオ・バージョンをカップリングにしたシングルだった。
“いいモノを持って夜の街へ、ビルの屋上へつれてってよ、恋人じゃなくていいわ”と歌われるこの曲は “秘密” がキーワードか。ネオンの海を見渡すふたりのヴァンパネラ、目撃者は無言の月(ディアナ)だけ…。ここでもキレのいいギターとボトムの太いリズムを従えて歌うジーンが魅力的だ。

プリミティヴな魅力にあふれたミラーズなど、もちろん他のバンドも聴き所は多い。テレグラフレコードからリリースのアナログ盤には収められていた鳥井ガク率いるPAINのトラックは、その後数回のCDリイシューには未収録。PAINはゴジラ・レコードからシングルリリースの予定があり録音済みだがグループの解散によりお蔵入りとなった。

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