OMNIBUS a Go Go Vol.5『OUTSIDER』
前回の『Gozira Special Dinner』の数ヶ月前、1983年2月にCity Rocker Recordsからリリースされたオムニバス・アルバム。『REBEL STREET』でパンクからニュー・ウェイブへ移行と書いたが、パンクはより加速し、メロディを排したハードコアへも変貌していた。
当時勃興していたハードコアから4バンド(GISM、COMES、LAUGHIN' NOSE、GAUZE)をA面(アナログ盤)に、 独特のパンクロックを聴かせるMASTERBATION、ジャングルズへヴォーカルが加入した為3人組となったFULLX、痛快なロックンロールのROUTE 66、ゴシックパンクなMADAME EDWARDAの4バンドをB面に収録。
GISMの横山SAKEVIデザインのジャケットからも漂うハードコア・オムニバス感はあるものの、1981年から1982年にかけて結成されたバンドを収録し、多彩な広がりを持ち始めた当時のシーンをスピーディに(その為、全てのトラックをカセットレコーディングとしたのかもしれない)パッケージしたアルバムと言える。
A面Hard "METAL" Core Sideに収録されている4バンドの演奏はもちろん強力だし、その後のジャパニーズ・ハードコアへの影響も計り知れないほどだが、B面のNew "BLOCK" Punk Sideに入ってるRoute 66のオリジナルパンクからの影響も感じさせるロックンロールも小気味好い。「Good Times Rock 'n' Roll」は、“でもこれが最高なのさ、でもこれが大好。恋も金も手に入れたいけど、おいらロックンロールに首ったけ” ハモリも決まってるゴキゲンな曲だ。
バンド側、制作サイドの権利関係やポスタージャケ内側のThe Exploited「Fuck A Mod」顔負けの合成写真もあるし、オリジナル通りのリイシューは難しいか。