OMNIBUS a Go Go Vol.37『TRIAD ROCK OF AGES CELEBRATE THE 15th ANNIVERSARY』

日本コロムビアのトライアド・レーベル15周年を記念して2002年にリリースされた2枚組オムニバス。それまで聴いていなかったバンドが収められていたので興味深かった覚えがある。清志郎のLove Jetsや元ミッシェルのチバが組んだROSSO、メジャーデビューアルバムがリリースされたばかりのSyrup 16gといったバンドはこのオムニバスで初めて聴いたし、ホフディランはラジオで聴いた事があったが、あらためて良い曲だなと思ったり。

in the soupは2001年6月頭脳警察を観に行った野音の“We Are The Brain Police”でライブを観ていた。収録曲「檸檬-レモン-」はその時演奏したのか憶えていないが、この曲は梶井基次郎の「檸檬」を思いおこす、なかなか刺激的な曲だ。2001年8月リリースのシングル曲で、ジャケットが手榴弾を模したレモンっていうのも面白い。

15周年だからTRIADレーベルの始まりは1987年と思うが収録曲で一番古いのはNEW ROTEeKAの1992年8月リリース「こんなもんじゃねえだろうⅡ」。次がコレクターズの1993年1月リリースの名曲「世界を止めて」、1990年代の曲では他に、ウィラードやTHE RYDERS、ピチカートファイブなど。CD1枚目の最後にTHE YELOW MONKEYの1996年2月リリースのシングル「JAM」が収録されている。

「JAM」はリリース当時ラジオでかかっていたのを途中まで聴いて、凄く良い曲だと思ったが、 “外国で飛行機が~” の歌詞のところで随分ナイーブな事を歌うんだな、とも思った。今回あらためて「JAM」を聴いてやはりその部分に居心地の悪さはあるものの、YouTubeで見たライブバージョンではエンディングに“I'm a dreamer”、“Are you dreamer?”という歌詞(というかセリフ)が 追加されているので、表現したかったのはジョン・レノンの「イマジン」に近いのかな、という気もした。 
“暗い部屋” や歌の主人公が住む “街” や “日本人” という言葉を聴いて受ける印象はなんだか狭い感じを受けるのだけれど、 “この世界に真っ赤なジャムを~” の部分の “世界” という言葉は全世界・世界中という広さを持っているのではないか、と思えるからだ。

リリース前年の1995年に起こった一連のオウム事件や阪神大震災、全日空機ハイジャック事件やアメリカでのオクラホマシティー連邦政府ビル爆破事件といった大きな事件や災害に影響を受けたとも思える沈鬱なイメージ (“影も形もない僕”≒透明な存在・神戸の事件は翌1997年だ)と、夜を越えて美しく素敵な明日を待ち望むイメージが交差する歌詞がロッカバラードのリズムにのせて歌われる。

それにしても “過ちを犯す男の子 涙化粧の女の子” や “あの偉い発明家も 凶悪な犯罪者も みんな昔子供だってね” といった歌詞は秀逸。
“僕は震えている何か始めようと” という部分は何かコトを起こそうとしている、のかな。

他、SOBUT、TOKYO YANKEES、ピートベスト、Charcoal Filter、ZIGZO、THE SLUT BANKS、VALENTINE D.C.、ガーゴイル、ミッシェルガンエレファントを収録。

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