OMNIBUS a Go Go Vol.39『TAKE ME AOSIS BRAZILIAN CAFÉ』

ビクターのaosis recordsから2002年にリリースされたコンピレーション・アルバム。aosis recordsのカタログの中からテーマに沿ってコンパイルされたサンプラー『take me aosis』シリーズは 2001年から始まり10種がリリースされているようだ。今回紹介する『Brazilian Café』は、 “パリ、ニューヨーク、東京、サンパウロの街角で流れていく音楽をカフェで聴く”をコンセプトに作られている。

paris matchを初めて聴いたのは、このCDのラストに収録されている「deep inside-Ananda Project Rimix」 がカップリングとして収録されているシングル「deep inside」だった。何かの雑誌で読んだ、グループ名がスタイル・カウンシルの曲名に由来する事や、元SALLY(「バージンブルー」がヒットしたポップなバンドだった)の杉山洋介が新たに組んだ女性ボーカル・ユニットということで、スタカンのファースト収録トレーシーソーンが歌う「The Paris Match」な感じを期待したが、またそれとは別物で、ソウル、ファンク、ジャズ、ラテン、ハウスなど(そしてポールウェラーと同じようにどこかにロックスピリットを隠しているのだろう)多種多様な音楽からの影響を搾り出したモダンなトラックと、透明感があって洗練されたミズノマリのボーカル(かつての石川セリを思わせる)はとても魅力的に感じられる。

収録されている「deep inside-Ananda Project Rimix」は「deep inside」のサビ部分シークエンスを使用しつつ 、4つ打ちのバスドラ・リズムトラックを加えたハウスチューンに生まれ変わって、クール&ミッドナイトなイメージ。そしてparis matchのもう一曲は日本語詞のスピーディでスムースなダンスチューン「COFFEE MACHINE」(アルバム『PM2』から)を収録。

杉山の別プロジェクトjazoulsterはスライの「Family Affair」のカバーを収録。ボーカルはメイザ・リークで素晴らしいカバーに出来上がった。jazoulsterのもう一曲はスリリングなブラジルテイスト「landscape from the higher lounge」(いずれもアルバム『play it cool Vol.1』より)。

力強いジャズを聴かせてくれるテナー・サックスの小池修「Cappuccino」、ご存知ギタリストの松原正樹はスティーヴィー・ワンダーの「Send One Your Love」をギター・インストで。他、佐野稔、Seikou Nagaokaに、海外(ブラジル)からはRomero Lubambo、Pamera Driggs、Daniela Spielmannを収録。

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