OMNIBUS a Go Go Vol.49『TOKYO SUITE SELECTED BY NIGO®』

2009年に開業15周年を迎えたホテル“パークハイアット東京”は“A BATHING APE”プロデューサーのNIGO®がセレクトした コンピレーションアルバムを2009年11月にリリース、このCDは販売の他、パークハイアット東京の全客室に用意された。まぁパークハイアットに泊まる事もないだろうけど。A BATHING APEの服も持ってないし。それでも選曲された楽曲は確かに“都市”を浮かび上がらせてくれるものではある。

いとうせいこう&TINNIE PUNX「東京ブロンクス」はリリカルな鍵盤の響きに終末的なラップをのせたトラック。この曲を新宿の夜景を眼下に見ながら聴くのはどんな気分? 続く近田春夫がWORLD PIECE名義でリリースした「O・ZONE/Gymnopedie No.1」はサティのアンビエントバージョン。幻想的な人工都市を浮かび上がらせてくれる。

3曲目T.P.O.の「Hiroshi's DUB(Savanna Mix)」、6曲目いとうせいこうと藤原ヒロシのユニットSubliminal Calm「かすかなしるし(PIANO)」、9曲目藤原ヒロシとDUB MASTER X(宮崎泉)のユニットLuv Master X「Sentimental DUB」、11曲目MUTE BEATが1987年にリリースした12インチ『Organ's Melody』に収録されていた「AFTER THE RAIN」といったトラックが ひとつの流れで、聴いていると夜の高層ビル、スピードを上げて通り過ぎる車、星を散りばめた様な街の灯り、雨に霞む夜景といった風景が浮かぶ。それは奏でられた音が東京の裏通りや曇った空やこぼれ落ちる雨粒や街灯の明かりや人々の会話のノイズやざらざらしたアスファルトから染み出してきたような感触。
Subliminal Calmの「かすかなしるし」にはボーカル入りのバージョンがあって歌詞がホテルで聴くのにもあってると思うのだが。ここではイメージ/想像力優先でインストバージョンをセレクトしたのかな。プラスチックス「PEACE」の選曲は少し意外。だけどクラブカルチャー黎明期に活躍し、デザイナー関係のミュージシャンでもある中西俊夫へのリスペクトか。

他には、やはり“PLANET OF APES”コーネリアス「Star Fruits Surf Rider」、NIGO®の「FREEDIVING」はBEN LEEをフューチャー、リミキサーにステレオMC'Sを起用した軽快なブレイクビーツ、 (B)APE SOUNDSから2005年にリリースの『NIGO® Presents RETURN OF THE APE SOUNDS』にも収録されていた NATURAL CALAMITY「When You Gonna Wake Me Up」、 OOIOO(オー・オー・アイ・オー・オー)の「On Mani」、それにちょっとカラーが違うと個人的には思うYEN TOWN BAND「Sunday Park」とリップスライム「TIME TO GO」を収録。

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