OMNIBUS a Go Go Vol.50『THE VERY BEST OF PIZZA OF DEATH Ⅱ』
2000年代のバンドの中で私がよく聴いていたバンドのOCEANLANE。ファーストアルバム『On My Way Back Home』が気に入って、他のシングルやアルバムも聴くようになった。このコンピに収録された「Chain of Hatred」は、親しみやすいメロディ(しかし歌われている内容は“憎しみの連鎖”だ)やコーラス、タイトなリズム隊に幾つも重ねられたギター、緊張感のあるアレンジ。力の入った1曲と思う。
“You hold the hidden vanity
Then all you do is misery”
と歌われるところが美しい。
惜しくも彼らは2011年12月に活動停止してしまったが、これまでに発表してきた 心揺さぶるメロディとアレンジ、広がりのあるサウンドは英語詞ということを除けば幅広いリスナーに受け入れられると 思っていた。次なるブレイクを期待していたが本当に残念。
BBQ CHICKENS「Shu Ha Ri」は刺青師、三代目彫よしの “守破離”(守って、破って、離れる)という日本刺青の伝統に対する三代目の考えについて歌ったもの。
“First of all, learn and protect that culture
Second of all, fuckin' break it, and then leave it”
この“守破離”という考え方は刺青師だけのものじゃないだろうって事だ(実際いろんな所で使われているようだが)。途中に出てくるIron Maiden「Phantom of the Opera」風のギターフレーズがユニーク。
異色の参加ともいえる怒髪天「男じゃないか」は、マーチ風な演奏に“男じゃないか、ガンガンいこう” って直球歌われても、と思えるが、そこが彼らのキャラ、許せるところ。植木等に通じるところがある。最後のコーラスは気持ち悪いが.…。このバンドのギタリスト上原子友康はギターが良く歌うソロを弾く。
他、LOW IQと恒岡章のユニットLOW IQ & THE BEAT BREAKERのファストチューン「Don't Mean Nothing」、Ken Yokoyama「A Stupid Fool」、 “ABCD Equality...HIJK Liberty...”とアルファベットを並べて歌う部分がユニークなRazors Edge「What's The Liberty?」、ヘヴィでハードコアなMeaning「Just Another Death」、キャッチーなSlime Ball「Who Is Lauging? Who Is Crying?」、 キュートで切ないComeback My Daugters「Term」、など全14バンド、14曲を収録。