斉藤和義「月光」
2012年5月発表のシングル。
メジャーなシンガーのシングル曲で“ジョー・ストラマー”が歌われたのは初めてなんじゃないかな。それもジョーのモットーの“月に手をのばせ、たとえ届かなくても”が歌詞に登場する。この曲はフジテレビ系ドラマ『家族のうた』主題歌で、私はオダギリジョーの売れなくなったロッカーが云々...という新聞の記事欄につられて見て聴いて、おぉと思った。うれしさのあまりシングル購入(単純なんだよ)。
メジャーなシンガーのシングル曲で“ジョー・ストラマー”が歌われたのは初めてなんじゃないかな。それもジョーのモットーの“月に手をのばせ、たとえ届かなくても”が歌詞に登場する。この曲はフジテレビ系ドラマ『家族のうた』主題歌で、私はオダギリジョーの売れなくなったロッカーが云々...という新聞の記事欄につられて見て聴いて、おぉと思った。うれしさのあまりシングル購入(単純なんだよ)。
このドラマ3回目の視聴率が3%台で民放連ドラ最低だとか打ち切りだとか言われているようだが、確かに内容的にそれほど目新しいところはない。まぁ過去ヒットしたバンドマンがソロになって仕事もなく契約も瀬戸際のところに過去のグルーピー(死語か)の子供を引き取る羽目になる... という設定にコメディタッチという事で、ある程度ゆるい内容だろうと理解はできるし、それほど話の筋に新鮮さを期待していない。
オダギリジョー演じる主人公、正義が窮地に立つと“そこんとこロックに免じてよろしく”なんてセリフで押し切る/逃げるところや、現実にはありえねーなと思うところも笑ってみていられるくらいの。でも、ドラマ内でストーンズ「She's A Rainbow」やクラッシュ「I Fought The Law」、ジャニス「Cry Baby」なんて曲が使われているし、楽器の選択、扱い方やなんかが割とうそっぽくなくていい。個人的には楽しく見ている。
「月光」は確かにニャロー!っていう気持ちが出ている。オメーらにはわかんねぇんだよ、今に後悔するぜって気持ちがロッカバラード調の曲に歌いこまれている。でも番組のタイトルにある“家族”っていう言葉も入っていて少し唐突な感じがするけど、こういう歌が作れる/歌えるのが斉藤和義の強みなんだろう。斉藤和義をずっと聴いてきた人には解る部分なのかもしれない。曲はもちろん良いが、個人的には“ジョー・ストラマー”っていう単語が毎週日本のお茶の間に流れているっていうことだけでも満足だ。
シングルのカップリングは「メトロに乗って」。若くはない(と思われる)カップルの東京探訪を題材に、“明日が来るなんて当たり前じゃないんだ”、“旅人になってもう一度恋をしよう”と歌われるフォーキーな曲。東京メトロCMソング。これいい曲。
「今夜、リンゴの木の下で」はスローな曲。“エジソン”、“キューリー夫人”が登場し“お金より軽くなる命”と歌われる。電気と放射能に関わる二人を登場させて伝えたかったのものは何だろう。高田漣のスティールギターが郷愁を誘うように響く。映画『ポテチ』主題歌。
初回盤は「やさしくなりたい」のライブバージョンが収録された4曲入り。
番組も正義と同じように崖っぷちだ。自分を曲げないロッカーを題材にしているんなら、打ち切りや安易な路線変更じゃなく、これからのドラマの行く末を見せてもらうぜ。…とジョー・ストラマーが出てきた関係で少し熱くなったが、気楽に見てるから。